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自分が描いたイラストの異世界に転移してしまった  作者: マホロ
第1章 隠遁(いんとん)

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17/21

第17話 サルウレアン王国リデナスタ地域

 私が今いる領域は、サルウレアン王国のリデナスタ地域にあるリデナ大森林の外縁部にある。一番近い街は、領都リデナスタだが、大森林を出るとすぐにリデナ砦があり、リデナ大森林を監視している。


 ここまでの情報は、本と小説で一致している。やはり私がイラストを描いた小説の世界に飛ばされていると思って問題ないだろう。小さなブレなどはあるかもしれないがそこは修正していくしかない。


 最短距離で私以外の人類に接触するのであればリデナ砦だが、大森林側から簡単な旅装の女が一人で現れたらかなり怪しい。これは小説に書かれた主人公も同じで、彼はリデナ砦を大きく迂回して、リデナスタの領都に向かった。私もそれにならってリデナスタの領都に向かうつもりである。


 地名や街の名前は小説で読んだので知っているが、細かい情報はない。イラストを描く場面は読み込んでいるが、それ以外はさらっと流し読みをしていた。


 本からどの程度の情報まで引き出せるかはわからないが、いろいろ問いかけてみるのが良いのかもしれない。


「ねえ、私の能力は特殊能力を含めてどこまで開示できる?」


『そうですね、今現在開示可能な能力を表示しましょうか?』


「そうね、お願いするわ」




【ミオ・カンザキ】(神崎 澪)

 種族:人種

 年齢:18

 体重:XXX

 サイズ:XX/XX/XX

 所属:なし(野良薬師)

 状態:普通(状態維持)

 魔法:生活魔法、全属性魔法、原初魔法

 特殊:イルヴァーシル言語

 特記:人とのコミュニケーションに難あり




「ツッコミどころ満載ね……年齢が18歳になってるけどなぜ?」


『わかりません。ただ貴女の生体年齢から算出されています。概ね間違っていないと思われます』


「そう、若返ってる分には問題ないからこれからは18歳ってことにするわ。体重とサイズを知ってるのは仕方ないとして、隠蔽したことは褒めてあげる。特記事項が的を射ているのが悔しいわね」


『会話はできているようですが……』


「人と話すのが苦手なだけよ、あなたは人ではないでしょ?だから平気なの、前の世界で仕事をしていたけど、この特記事項のせいで苦労したわ。それから、特殊にあるイルヴァーシル言語ってなに?」


『この世界に存在するすべての言語について使いこなすことが可能です。基本的にこの大陸では、一部の地域を除いて大陸共通言語が使用されています』


「今は日本語で表示されているけど、大陸共通言語に変わっても私は理解できるし、話すことも可能だということ?」


『ご指摘の通りです。現在も大陸共通言語で発声されていますし、この文字も既に大陸共通言語で表示されています』


 私は全く違和感なく日本語で話しているつもりだ。自分の耳にもそう聞こえている。しかし他者が聞けば、大陸共通言語で話しているように聞こえるそうだ。それに今読んでいる文字も日本語にしか見えない。


 言語について深く追求しても仕方がないし、困ることはないだろう。自分のことは概ね理解できたので、リデナスタについて聞いてみることにする。まずは、どんな街なのか、暮らすことは可能であるかなどだろう。それと今のような個人の情報を他人が見ることができるのかも心配だ。


「リデナスタはどんな街?」


『質問が抽象的すぎます。もう少し解像度を高くしてください。』


「仕方ないわね、領都に入る手段は?」


『身分証を持たない貴女であれば、小銀貨3枚払うことで入城することが可能です。ですが、旅装になると思うので、居住している場所や目的は聞かれると思われます』


「目的は旅をしているとか、ポーションを売りに来たなどでいいけれど、居住している場所はないわね、何かいい方法はある?」


『架空の村の名前で良いかと思われます。城門の衛兵はすべての街や村を把握していませんし、身分証に出身地が記載されることはありません』


「ところで身分証はどのようなものがあるの?」


『貴族であれば、貴族の紋章や、国から発行された貴族カードになります。平民は、街で発行されている身分カードおよび各ギルドで発行されるギルドカードになります。貴族カード、身分カード、ギルドカードはすべて同じもので発行場所が違うだけです。また、村などではカードを持たない平民も多いです』


「なるほど、私はカードを持っていない村娘ってことになるのね、薬師になるにはどのギルドに行けばいいの?」


『商業ギルドで薬師としての登録が可能です。登録には大銀貨1枚が必要となります』


 なるほど、薬師になるための試験などはないのだろうか?ポーションを1つ提出するくらいなら問題ない。いろいろ聞かれるのは面倒だ。


「登録の時に試験などはある?」


『ありません。ポーションを納品する際に検査がありますので、そこでまともなポーションを持ち込めなかったら登録抹消となります』


 それなら問題ないわね、転売しようにも納品価格は決まっているだろうし、安く買えるポーションにいい物なんてあるわけがないだろう。ギルド登録に関してはこの程度把握していれば大丈夫だ。


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