55.襲い来る"獄落姉妹"
……本当にこれで良いのか、私自身分からなくなっています。
(禍津 明視点)
「お~い、戻ったのじゃ!」
「私もでございます~」
……お袋に関する衝撃の事実を聞いた数十分後、それに関する電話をするために席を外していたラヴィ校長とエレジーさんが戻って来た。
「……で、どうだった?」
「あ~……ワシの方は何とか許して貰えたって感じじゃな。……もっとも、あの様子じゃと今頃胃を痛めておるじゃろうが……」
「……そ、そうか……」
お袋は基本的に何でも楽しむタイプなんだが……流石にこういう事は楽しめねぇか……
「お嬢様の方は吹き出していたでございます~。……しかも、私と明様の交際開始の報告も同時にしましたので……」
「逆に、まだ言ってなかったのか……」
うん、そうだな……
エレジーさんはこういう性格だったっけ……
と、そんなタイミングだった。
「ん?……これは……」
「ラヴィ校長、どうかしたか?」
「それがのう……ワシって基本的にカミラエルの居る部屋に監視の目を付けておるんじゃが……それがこのワシに伝わるまでちと時間差があって……」
「つまり、何が言いてぇんだ?」
ラヴィ校長はいまいち要領を得ねぇ言葉を紡いでいたが、どうもカミラエルと関係ある話らしい。
「っ!?……その口振り、お嬢様に何かあったのでございますか!?」
「あった……とも言えるのじゃ……」
「な、何があったのでございますか?」
「……"希望の役者"を名乗る西洋人形の異能生命体がカミラエルの部屋に現れ、しばらく喋った後に何処かへと消えたらしいのじゃ……」
「ハァ!?……あの方なら、とっくの昔に亡くなっている筈でございますよね!?」
……何の何が何だって?
"希望の役者"だの、西洋人形だの、異能生命体だの……
どういう話か全く分からねぇ……
「……武音子先生、真梨亜、冥堂、エレジー、ワシと一緒に来て欲しいのじゃ!」
「あァ!?」
「勿論同行しますわ!」
「話が訳ワカメだぜ、ベイビ~……」
「……お嬢様の事ですからどうせ大丈夫でございましょうが……その人形の正体は気になるのでございますね~」
その西洋人形だか異能生命体だかはラヴィ校長視点では相当ヤバいらしく、武音子先生達を引き連れて行かなければならないと判断したみてぇだな……
「あ~……取り敢えず、今日の特訓はこれで終わりって感じか?」
「いや、別にそれに関してはそっちで勝手にやってけれても構わないのじゃ!」
「え、それは……」
「明様、もう面倒臭いのでそこの2人を抱いて落としておいて欲しいのでございます~」
「エレジーさんの話はもう本気で聞かねぇ方が良さそうだな……」
あれ?
ここって割と貞操観念が逆転してる世界だったよな?
……俺の扱い、かなり散々な事になってねぇか?
「じゃ、そういう訳なのじゃ!」
ーゴゴゴ……シュン!
「……居なくなっちまったし……」
ラヴィ校長、武音子先生、真梨亜先輩、冥堂さん、エレジーさんの5人は、ラヴィ校長の校内限定と思われる【瞬間移動】で立ち去っちまった。
「ギヒャヒャヒャヒャ……噂にゃ聞いてたがとんでもねぇなぁ……」
「今のか?……多分、校内限定で何処にでも移動させられるぞ?」
「ギヒャヒャヒャヒャ……やべぇなぁ……」
「そうだな……」
……え?
本気で言ってるのか?
俺と"獄落姉妹"の3人だけで特訓して過ごせと?
こいつ等を俺だけでどうにか出来る訳ねぇだろ!
そう思っていると……
「グハハハハ!……それにしても明、私達の想定以上にやべぇ血筋だったんだなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……結局は血筋、世の中はいつだって不公平だなぁ……」
「俺だってさっきまで知らなかったし、不公平って言われても困るんだが……」
……とはいえ、記憶を取り戻してしばらくはチート異能だって調子に乗ってたからな~……
今思えばお袋の【猫又】とか絶対ヤバいだろうに、それより俺の方が凄いとでも思ってたのか?
ま、今となっては思い出したくもねぇが……
……なんて考えてたんだが……
「グハハハハ!……私としては尚更、明を味見してみたくなったなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……エレジーもああ言ってた訳だし、ここは1つ……」
「グハハハハ!……襲うかぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……異議なしだぁ!」
……あれ?
これ、ヤバい流れでは?
本当に襲われる感じでは?
「おい、待っ……」
「ギヒャヒャヒャヒャ!……黙って襲われろやぁ!」
ーシュン!……ガシッ!
「なっ!?」
俺は応戦しようとするも、異能を使う暇もなく銀砂に体を押さえられた。
「グハハハハ!……呆気なかったなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……予想以上に簡単で拍子抜けしましたぁ……」
「チッ!……【鱗鎧】、【竜脚】、【刃羽】!」
ーシ~ン……
「「ん?」」
「……おい、何で異能が発動しねぇ!?」
俺はせめて銀砂だけでも振り払おうと異能を発動したつもりだったのだが、何故か何も起こらなかった。
その直後……
ーとぷん
「ご主人、諦めるグルァ」
……人間の姿になった【顎】が俺の影から顔を出し、そう告げたのだ。
「【顎】!……何故か知らねぇが、俺の異能が使えなくなって……」
「私が使えなくしたグルァ」
「……ど、どうしてだ?」
「エレジーの言う通り、この2人は今後も味方にした方が良いグルァ。……だから、ご主人は私が抵抗出来ない様にしたグルァ」
「は、ハァ!?」
な、何を言って……
「……勿論、ご主人が本気で嫌だと思ってたら私だってこんな事はしてないグルァ。……でも、今のご主人からそういう気持ちは感じとれないグルァ!」
「そ、それは……」
……確かに、俺は"獄落姉妹"に襲われてるってのに本気で嫌だと思ってねぇ。
金世はフィジカル狂人だが豪快な性格は少しだけ好ましいし、銀砂はあの精神的に弱った姿を見ちまってから放っておけなくなってる……
だからって……
「いや~、私も初めて見たグルァ。……口では嫌だ嫌だと言って、本当は満更でもない男なんて……だいたいは加害者側が自己保身のために言ったりする言い訳なのにグルァ……」
「うっ……」
わ、悪かったな!
……って、それどころじゃねぇ!
「まだ何か言いたげグルァね?」
「た、確かに満更でもねぇが……それでもこの2人とヤるのは色々とアレだろ!」
「その辺はラヴィ校長が何とかしてくれるグルァよ」
「いやいや、それでも……」
「そもそも、2人とヤる事自体に嫌悪感を抱いてない時点でもう無駄グルァ」
「……あっ……」
もし、ここが一夫多妻の世界でなければ不貞は駄目っていう理由が使えたのか?
……それだ!
「む?……また何か考えたグルァ?」
「……エレジーさんはともかく、光華とアヤノには何も言ってねぇし、そうなったら……」
「グハハハハ!……安心しろ、明は私達に襲われただけだぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……寧ろ被害者な訳だし、恋人共も寄り添ってくれらぁ……」
「……これも駄目か……」
そうだ……
今から行われるのは両者合意で行われる愛の行為じゃねぇ……
一方的な強姦だ……
当然、被害者側の俺が光華やアヤノに義理立てする必要は生じてくれねぇ……
「グハハハハ!……じゃ、いい加減観念しなぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……その間は天井のシミでも数えてなぁ……」
「……まだだ!……ご、ゴムを付けずにヤるのは色々とマズいだろ!……お前等だって、子供は作りたくねぇってさっき……」
次なる作戦は、ゴム……つまりコンドームがないのでヤれねぇよ宣言。
これは流石に行ける、と思ったが……
ーシュン!……カタッ……
「グハハハハ!……言ってたらコンドームが転送されて来たぞ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……あのラヴィって奴の仕業だろうなぁ……」
「……あ、詰んだ……」
どうもラヴィ校長がコンドームを箱ごと転送して来たらしく、今度こそ俺は詰んだ。
「グハハハハ!……ま、頑張れやぁ!」
「ギヒャヒャヒャヒャ……可能なら、このまま……」
「……もう好きにしろ……」
こうして俺は"獄落姉妹"に性的に襲われ、こってりと搾り取られる事になった。
……さて、この後の対応としてはどうするのが正解だろうな……
ご読了ありがとうございます。
さて、この後の展開はどうしたものか……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




