54."希望の役者"は舞い戻る?
どんどん迷走するな~。
もう好きに書いてます。
(100年以上前、俯瞰視点)
「やあ、"不死身の吸血姫"……いいや、カミラエルと言った方が正しいかな?……ボク様は"希望の役者"と呼ばれている者で、本名は……」
「いきなり何ザマスか!?」
それは、13人の旗頭が初めて集まるとなった日の出来事だった。
自身のメイド以外の誰とも馴れ合う気がなかったカミラエルに、その人物は話しかけた。
「……そこまで拒絶しなくたって良いだろう?……いくら分かっていたとはいえ、ボク様だってちょっとは傷付くんだぞ?」
「分かっていたんなら話しかけるなザマス!」
「……あ、またやらかしたんですか!?……仲裁する余の身にもなってください!」
「そう言われても、これは後々必要になる布石なのだよ。……具体的に言うと、100年以上後に……」
"希望の役者"が語る内容は支離滅裂だったが、仲裁に入った"五月雨の貴公子"はそれを切って捨てられなかった。
「……こいつ、何なんザマスか?」
「ハァ……余がちゃんと説明してあげます……」
この出会いが意味を持つのは100年以上後だという発言の意味を、ここでカミラエルは聞いたのだが……
案の定、しばらくして忘れる事になった。
そして、いつしかそんな出会いがあった事すら忘れられ、そのまま年月が過ぎ去った。
そして現在……
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(カミラエル視点)
『……お嬢様、報告が遅くなり申し訳ないのでございます~……』
「別に良いザマスよ。……エレジーの事ザマスから、どうせ後回しにしてたとかそんなんザマショ?」
……エレジーが調査に向かった翌日、明らかに報告が遅れたと思われるエレジーから電話がかかって来たザマス。
『まあ、そうでございますね~。……取り敢えず、報告結果はメールで纏めて送ったので確認して欲しいのと~……ついでに、明様とお付き合いを始めた事も報告させていただくでございます~』
「ブフォォォォォ!」
エレジーが語った内容に、思わず私は吹き出してしまったザマス。
……いや、え?
マジで言ってるザマスか?
『いや~、最近は落ち着いて来たのでそろそろ身を固めたいと思ってたんでございますよ~♪』
「だからって……それはないザマスよ……」
『まあ、そんな反応になるのもおかしくないでございますよね~。……何せ、もしお嬢様が影華様とのお付き合いに成功した場合、私はお嬢様の義姉になるのでございますから~♪』
「そうザマスよ!」
ハァ……
エレジーは昔から、真面目な空気でもない限りは私をからかって来たザマスからね~。
こうなるのも納得ザマス。
『ああ、それともう1つ。……これは一部の者しか知らないのでございますが、実は明様達の母親が相当ヤバい相手だった事が判明したのでございます~』
「ん?……そういや、珍しい異能だった気はするザマスけど……あんまり興味なかったから詳しく調べてないザマス」
『ハァ……実は明様達の母親は、かの内閣情報統制室の室長を務めている上に、私共も参戦した100年以上前の戦いで"道楽の猫又"と呼ばれていたあの方だったのでございます~!』
「ブフォォォォォ!」
えっ!?
あの猫又が影華の母親なんザマスか!?
『……ほんと、世間は狭いでございますね~』
「狭いってレベルじゃないザマスけどね……」
あ~もう、驚き過ぎたのか1周回って冷静になっちゃったザマスよ……
『ちなみに、その一部の者に影華様は含まれておりませんので、くれぐれも内密にして欲しいんでございますが~……』
「……そうザマスか……」
それは良い事なのか悪い事なのか……
……それにしても、どんどんあの戦いで英雄って呼ばれてた奴等との縁が出来てくザマスね~……
『……ま、報告はこれぐらいでございますかね~。……さて、この辺で明様の特訓に戻らなければ……』
「エレジーが何をしてるのかは聞かないでおくザマスけど、そっちも大変そうザマスね~」
『そんな事はございませんよ~。……ではまた♪』
ープツン……
「……ウッキウキだったザマスね……」
本当に何というか……
嬉しい様な、イラつく様な……
複雑な気分ザマスね……
まあでも……
「エレジー、本当に良かったザマスね……」
「そう呟いて、カミラエルはそっと微笑んだ♪……なんてシナリオはどうだい?」
「……へ?」
「おっと、ボク様を前にして言葉も出ないか~!……まあ、無理も……」
私の次とる行動をシナリオと呼び、当ててみせた謎の侵入者……
私はあり得ない状況を前に10秒程フリーズした後……
「総員、侵入者ザマス!」
ーバタン!
「燃えるでございますねぇぇぇぇぇ!」
「ひっ!……即刻排除でございます!」
私が大声で侵入者の存在を知らせると、扉を勢い良く開けてフレイヤとアイシャ……そしてそれに続く様にメイド達が入って来たザマス。
「おやおや、ボク様相手に失礼じゃないかい?……いくら心が広いボク様でも、これは……」
「黙るザマス!……お前は誰ザマスか!?」
「え~!……ボク様を忘れるとか酷くないかい!?」
「ハァ!?……私はお前なんて知らないザマスよ!」
「ガ~ン!……しくしくしく……ボク様を忘れるとか酷いじゃないか!」
そう言われても困るザマス。
私は侵入者の姿をじっくりと確認するザマスが、こいつを見た事はない筈ザマス。
何せ……
「……私に、西洋人形の知り合いは居ないザマスよ!」
……件の侵入者は喋る西洋人形であって、どう見ても人間じゃなかったんザマスから。
なお、人形のデザインは白のシルクハットを被り、同じく白いショート丈のドレスに身を包んだ、抹茶色のゆるふわボブヘアーとハイライトの無い黒瞳が特徴的だったザマス……
「おっと、そういえばそうだったね。……今のボク様は人形なんだった♪」
「……誰の異能生命体かは知らないザマスが、良い度胸ザマスねぇ……」
異能力者が操る異能の中には、自我を持つ存在がセットになってる事もあるザマス。
……多分、この人形もその類いザマスね。
「はっはっは~♪……ボク様を異能生命体扱いするのも無理はないけど、本当に覚えてないのかい?」
「だ~か~ら~、私に西洋人形の知り合いは……」
「そうじゃなくて……人間のボク様の方さ♪」
「人間の?……そういえば、その独特な一人称を昔も聞いた気がするザマス。……あれは確か……」
ボク様なんて一人称、そうそう使う奴なんて居ないザマス。
そして、私はこの一人称を知ってたザマス。
まあ、さっきまで忘れてたんザマスけどね。
「おっと、思い出してくれたみたいだね♪」
「……私も過去に少し話しただけザマスから、すっかり忘れてたザマスけど……"希望の役者"がそんな一人称だった気がするザマス!」
「ブラボ~!……ボク様を思い出してくれたか!」
"希望の役者"……
100年以上前の戦いで、私やラヴィ達と並んで英雄と称された人物ザマス……
でも……
「……あり得ないザマス……」
「どうしてそんな事を言うんだい?……ボク様はこうしてカミラエルの前に立って……」
「さっき思い出した私の記憶が正しければ、"希望の役者"の異能は【未来予知】ザマス!……つまり、西洋人形の異能生命体が生まれる余地なんてないんザマスよ!」
未来に起こる出来事を予測するってだけなら、"異能の夜明け"の"No.0"も似た様な事が出来るザマス。
ただ、あの"五月雨の貴公子"とかいう奴が私に説明した"希望の役者"の異能は、常時あらゆる未来が見え続けるという破格の……呪いみたいな能力だった筈ザマス。
簡単に言えば、常時トロッコ問題を突き付けられる地獄の様な異能……
……だから、人形は関係ない筈なんザマス!
「そうだね……そう返されるのも分かってたよ……とはいえ、今回のボク様は挨拶に来ただけだからね……ここは退かせて貰うよ」
ーピカッ!
「うっ!?……って、居なくなってるザマス……」
謎の西洋人形は眩しい光を放つと、そのまま何処かへと去っていたザマス。
「ひっ!?……お嬢様、今のは……」
「……ひとまず情報の精査をしてから、ラヴィに報告するザマス。……どうも、不気味な予感がするんザマスよ……というか、それ以前に"希望の役者"はもうとっくの昔に死んでる筈ザマスのに……」
何も分からず、何も理解出来ないザマス……
とっくの昔に死んだ筈の奴がいったい何を……
私は考えが纏まらない頭を必死に働かせて、メイド達に指示を出したザマス。
この再会?が何をもたらすのかすら、何一つ分からないまま……
ご読了ありがとうございます。
何度でも言いますが、かつての英雄で生き残ってるのは4人だけ……つまり、今回の"希望の役者"は……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




