出会い
その日、第六皇女は歌を聞く。
アールは迫りくる衝撃に備え全身を硬直させた。
衝撃が訪れることを待つが、一向に訪れない。
「死んだか???」
目を開き状況を確認すると、突然音が蘇ってきた。
「グっ¿¿¡¡+」
目の前で、叫ぶオークキングの手の甲に、矢が突き刺さる。
「????っ」
暴れるオークキングの腕をとっさに躱し後退った。
不意に、後ろから訪れる風に、歌が乗る。
その声は、美しくカラフルな飴を川に流し込んだように甘露で、優しく、、、その歌に乗せて矢が飛来し、オークキングの目にゆっくりと静かに差し込まれた。
歌が響く、、、、
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「もふ、もふ、もふ、もふ、もふっ
誰もが、君の目を見たら手放せない。
もう、もふ、もふのすべてが欲しい。
もふ、もふ、もふ、ふふふ」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
オークキングが倒れていく様子を眺めながら、アールは場違いで、イミフメイで、それでいて天使の如き歌声に
「カオス」
としか言えなかった。
……………………………………………………
第六皇女サラ
6番目の皇女として生まれ、皇位継承とは無縁であるはずが、昨年髪にプラチナが混じったことで、その周囲はにわかに慌ただしくなった。
皇位継承者の序列にプラチナが色濃く出るものとあるのが、問題だった。
自身の置かれている状況に混乱しながらも、日々募る疲れを癒やすため、第三皇子の助言に従い、避暑に赴く際にモンスターの大群に襲われた。
横倒しになった馬車の中で、手に持つ短剣を震える手で握りしめながら、自害の時を待っていた。
不意に風が馬車の中を通り過ぎて行った、サラの頬を優しく撫でる様に。
「???うた???」
歌が響く、、、、
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「もふ、もふ、もふ、もふ、もふっ
誰もが、君の目を見たら手放せない。
もう、もふ、もふのすべてが欲しい。
もふ、もふ、もふ、ふふふ」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
あまりに美しい歌声に体が動かない。
それでも、響く歌詞が可笑しく自然と笑ってしまう。
「天使様がお迎えにきたのかしら?」
「きっと、もふもふの天使ね。」
歌が聞こえなくなると、辺りは静寂に包まれ、馬車の扉が細く開かた。
「姫様、、、」
アールが覗き混んできた。
「アールっ!!!」
隣に、見事なプラチナ色の長髪を一つに結った男の子が立っていた。
その日、第六皇女は出会った。




