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WTOとななにか・・・?——その正体と私たちの暮らしへの影響

WTOとは何か?——その正体と私たちの暮らしへの影響


WTO(世界貿易機関)は、スイス・ジュネーブにその本部を置く。1995年に設立されるまでの歴史は、1947年に始まったGATT(関税および貿易に関する一般協定)に遡る。戦後の荒廃した世界に、国々が互いに協力し、争いを避けて平和と繁栄を築くための貿易の約束を形作ったのだ。


その根底には、「国境を越えた協力こそが、共生の鍵であり、自由で公平な貿易が世界の調和をもたらす」という崇高な理念があった。


だが、時が経つにつれて、その理念は形骸化し、多くの国際政治の現実や利権の中で薄れていった。


本来ならば、すべての人々に利益をもたらすはずの自由貿易は、いつしか大企業や富裕層のための特権となり、弱い立場の人々が取り残される構図へと変わってしまった。

最近、ふとしたきっかけでWTO(世界貿易機関)について知る機会があった。


普段のニュースや教科書では、その存在すら曖昧なまま通り過ぎるような機関。

だが実は、このWTOのルールこそが、日本の税制度――とりわけ「消費税還付金制度」にも深く関わっている。


WTOとは、1995年に設立された国際的な貿易ルールの番人である。

その前身は1947年に生まれたGATT(関税および貿易に関する一般協定)。

戦後の混乱から立ち直ろうとする世界経済の中で、「貿易によって成長を促す」ことが正義とされた。


WTOの目的はこうだ:


各国の市場を開放し、関税や貿易障壁を減らすこと


貿易に関する紛争を調整し、公平に解決すること


グローバルに通用する貿易ルールを作ること


つまり、「世界を一つの大きな市場」として機能させるための枠組みである。

表向きには、自由貿易の推進によって、経済の活性化と相互利益が得られるという理屈。


だが、その“自由”の名のもとに、誰が本当に得をしているのか?


消費税還付金とWTOの関係

たとえば、「消費税の輸出戻し税(還付金)」という仕組みがある。

企業が輸出した商品には消費税がかからない――これはWTOのルールに沿った扱いであり、「輸出品に間接税を課してはならない」という原則から来ている。

結果として、大企業は輸出すればするほど、消費税分が“戻ってくる”。

その裏側で、消費者は日々の買い物で10%の消費税を負担している。


この構図は、「自由貿易ルールに従った正当な制度」として説明される。

だが実態は、消費者から集めた税金が、企業の“還付”として支払われているという逆転構造だ。

そしてその制度の大元にあるのが、WTOが掲げる“中立的で公平なルール”であるという。


だが本当に公平なのか?

還付金を得るには「輸出」が前提となる。つまり、大企業しか対象にならない。

一方で、非正規労働者、生活困窮者、年金生活者――

この国で日々の支出に対して消費税を払う人々は、還付など一切ない。


WTOはそれを問題だとは言わない。

なぜなら、彼らの基準は「貿易における中立性」であって、そのルールが国内格差や貧困をどう生むかは管轄外だからだ。


これは“自由”や“公正”という言葉の名を借りた、静かな分断の構造ではないのか?


教科書に載らない理由

不思議なことに、日本の中高の社会科教科書ではWTOの扱いはごくわずか。

「国際的な貿易ルールを作る機関」として、たった一文で済まされることも多い。

だが現実には、このルールが私たちの税制度に影響を及ぼし、経済格差の温床となっている。


なぜ語られないのか?

語れば、制度の“都合の悪さ”が露呈するからだろう。

語らなければ、国家と企業はそのまま“世界ルール”を盾に好きなように動ける。


批判はまだ“始まってもいない”

作家や哲学者が、WTOの構造に異を唱え始めている。

彼らは、国家や企業が掲げる“正義”の中にある盲点に敏感だからだ。


けれど、政治家の中で、WTOに対して明確に言及する者はほとんどいない。

その影響力の大きさ、触れてはいけない空気、それがどれだけ深く浸透しているかを物語っている。


第1話のまとめ:WTOは遠い存在ではない

WTOとは、世界を結ぶ「見えない憲法」のようなものだ。

そこに異を唱えることは、タブーであるかのように扱われてきた。

だが、私たちの財布から消える税金、企業に戻る巨額の還付、その構造の背後にはこの枠組みがある。


次回は――

「消費税還付金制度」とWTOルールの具体的な仕組みと、その“恩恵”が誰に向いているのかをより詳しく見ていく。

 あとがき


昨日、AIとの対話の中で、政治家が輸出還付金について話しているのを見たことがあることを思い出しました。輸出還付金があるのは不公平だと、どこかで漠然と感じていました。しかし、昨日の対話で初めて、その還付金がWTOの理念に基づいて設けられていることを知り、非常に驚きました。


そこからこの連載が始まりましたが、実は少し気にしている方がいて、その証拠にアクセス数にも表れています。ですので、忘れ去られる前に、選挙前日の前日までに全6話を投稿しようと考えています。


まずは、今日2話目を目標に進めていきます。これからもどうぞお付き合いください。

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