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第十二話 気に入った

12話

副代表は相変わらず不機嫌そうな顔でこちらを見ていた。

しばらく睨み合っているときに、その空気に割って入ってきたのはれいなだった。

「あら?二人とも仲がいいのね?」

「そんなわけないでしょ。」

つい反射で返してしまう。しかし、向こうは何も言わず呆れたようにれいなと私を一瞥ずつした。

「そうなの?ねぇそっちも答えたら?」

れいなは副代表の方を睨むように見返した。

「はぁ…貴方に聞いておきたいことがあったのですが教室に行く手間が省けました。」

そう言うとこちらを先程よりも強く睨んできた。

その眼光に思わず怯んでしまう。

そのとき、れいなが強くこちらの腕をまた引っ張ってきた。「怯むな」ということなのだろうか。しかし、怖いものは怖い。副代表から放たれる威圧感は凄まじかった。

「なんでしょうか?」

声が震える。これだから面倒くさいことは嫌いなのだ。

自分ではあまり恐怖を感じていなくても、行動で自分の本当の気持ちを知ることになる。

「なぜ異議申し立てをしなかった?先程の模擬戦のときだ。」

「はぁ…」

意味がいまいち噛み砕けず困惑していると

「まさか気付かなかったのか?」

思っていたよりも反応が大きく今度は吃驚して言葉に詰まった。

「代表はわざと当たったんだ。それに君は気付いていたはずだ。なら問い詰めるべきだろう?」

さも当たり前のことかのようにこちらに言ってくるものだからすぐに言い返そうとした。そのときれいなが笑い出した。

「アハハッ。バカなんじゃないの?そんな自分に不都合なことを自ら申告するわけないじゃない?」

私はれいなの方を向き「何言ってんの!」と言いたかった。が言えなかった。こんな怖そうな人にそんな口を利いたら何をされるかわからない。そんなことを思っていたが副代表は私の想像とは全く違う反応を見せた。

「はぁ…お前がいないときにまたこいつに聞くことにする。」

それだけ言い残し図書室を去っていった。

風か…?そう思ってしまうほど早く帰っていった。

粘るということを知らないのか?いやそれよりもだ。れいなのことを知ってるのか?

あの口ぶり的になにか知ってる。そう直感した。

れいなは隣であっさり帰った彼を見送りながら笑っていた。

「アハハッ!見た?あっさり帰っちゃった!」

なんなんだ。この不気味なほどの無邪気さ。

「さてと…じゃあ教室に行きましょ?」

切り替えが驚くほど早い。真剣な表情でこちらに向き直り、手を引く。

「待って。私はまだ魔法を使えないの…」

改めて自分で言ってみると、なんとなく虚しいと思ってしまう。

喉が熱くなる。なぜこんな言葉をわざわざ言わなきゃ伝わらないんだ。

「なーに言ってんの?私がそれぐらいしてあげるわよ。」

こんな意地悪な女狐に優しさなんてあるのか?と自分の耳を疑った。

私がキョトンとした顔をしていたのに気付いたのかれいなは付け加えていった。

「も〜わざわざ言わせないでくれる?あんたのことが気に入ったってことよ。」

明らかに矛盾している。基礎もわからないやつに教えることはできないとか抜かしてた割には「気に入った」?そんな単純な感情論で教える気になれるのか?

甚だ疑問だったが協力してくれるのならまぁ助かる。

手を引かれるまま教室に戻っている途中でいきなりれいなが振り返って言った。

「あと、私のこと女狐なんて言わないでよ?間抜けな子猫ちゃん?」

図星だった。まさか聞こえてたのか?いやありえない。

でもこの女ならあり得る話だと思ってしまった。


お久しぶりです!

意外と遅くなったかなとか思ってたんですが、いつも通りで安心しました!

書くのが前回と間隔が空きすぎると内容を忘れてしまうんですよね、、

だから、後書きも本編の内容も被ってるところがあると思うのですが復習と思っていただければと思います!

一応前回の話を読んでから書いてるんですが不安なものは不安なので!

あと今回は挿絵を描こうと思ってたんですが構図が意外と難しくて描けませんでした、、、

ただ立ち絵みたいなのはできてきたのでTwitterの方で順次投稿していこうと思います!


あと、もう一つ書いておきたいことがありまして!投稿が遅れてるなと思ったので今回は十三話がもうできてきてるのでいつもより早く投稿できるかもしれません!

何人が読んでるのか分からないんですが一応報告でした(笑)

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