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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
ダンジョン要塞

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労働力の闇

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 一般《いっぱん》常識《じょうしき》では、ダンジョン要塞《ようさい》とは、ダンジョンを取《と》り込《こ》んだ砦《とりで》などです。



 正確《せいかく》には、ダンジョンの入口《いりぐち》『地上《ちじょう》部分《ぶぶん》』が、要塞化(か)しているのです。たとえば、この街《まち》『ベルファスト』は、大《だい》規模《きぼ》ダンジョン要塞です。

 そもそも、一般に言《い》われるダンジョンとは、ダンジョン要塞の『地下《ちか》のみ、もしくは廃墟《はいきょ》』のことです。


 ただし、この事実《じじつ》は、帝王《ていおう》学《がく》によって、極秘《ごくひ》とされています。


 ところで、街の権力《けんりょく》者《しゃ》は、地下《ダンジョン》のモンスターを、労働《ろうどう》力《りょく》『奴隷《どれい》』として活用《かつよう》する場合《ばあい》もあります。例《れい》としては、この街の汎用《はんよう》奴隷『ホブリング』がいます。


 ホブリングとは、ゴブリンを素体《そたい》とした合成《ごうせい》モンスターです。しかも、ゴブリンと同《おな》じく、雄《おす》だけの創造物《クリーチャー》で、人型《ひとがた》女性《じょせい》と交《まじ》わり、子孫《しそん》を増《ふ》やそうとします。

 それと、その知性《ちせい》は、人間《にんげん》並《な》みですが、ほとんどの場合、教養《きょうよう》が皆無《かいむ》です。それゆえ、一般常識では、知性が低《ひく》いと言われています。



 尚《なお》、純種《じゅんしゅ》のホブリング奴隷は、意外《いがい》と高価《こうか》です。何故《なぜ》なら、殆《ほとん》どのホブリングは、奴隷として扱《あつか》うには、教養が低すぎるからです。

 そのため、この街『ベルファスト』の権力者は、借金《しゃっきん》奴隷等(とう)の人型女性を利用《りよう》して、繁殖《はんしょく》と育成《いくせい》を行《おこな》っています。


 平《ひら》たく言えば、街のモンスター奴隷は、人間の女性が産《う》み育《そだ》てているのです。


 さておき、ベルファストでは、街の地下『ダンジョン』を、冒険《ぼうけん》者の育成のために活用しています。無論《むろん》、そこでは、金品《きんぴん》を得《え》ることも出来《でき》ます。

 しかも、この街で、冒険者は、免税《めんぜい》されています。また、街の地下に、豊富《ほうふ》な鉱脈《こうみゃく》があり、ダンジョンで、自動《じどう》生成《せいせい》アイテムを大量《たいりょう》に入手《にゅうしゅ》できます。



 ところで、サガ(ハイエルフ♀(おんな))の冒険者パーティー『ド・ロマーヌ』(ロマーヌの一族《いちぞく》)は、この街のダンジョンを攻略《こうりゃく》しようとしています。


 そこで、サガは、衣装《コスチューム》を新調《しんちょう》しました。衣装銘(めい)は『愛欲の征服者(アモコンキスタ)』です。


 この衣装《いしょう》は、激《はげ》しい動《うご》きで恥部《ちぶ》が見《み》えてしまう『魅《み》せる下着《したぎ》』をベースとして、透明《とうめい》素材《そざい》で外気《がいき》に触《ふ》れる面積《めんせき》を少《すく》なくしています。これは、下着だけでは、心《こころ》持《も》たないので、透明レインコートを羽《は》織《お》るような設計《せっけい》思想《しそう》です。


 しかしながら、これの見た目《め》は、きわどい『踊《おど》り子《こ》の衣装』ですが、防護《ぼうご》力の増幅《ぞうふく》に優《すぐ》れます。ただし、これを着《き》るには、かなりの『恥辱《ちじょく》耐性《たいせい》』が必要《ひつよう》です。



 斯《か》くして、剣舞士《ソードダンサー》サガは、衣装『愛欲《あいよく》の征服《せいふく》者』を、事前《じぜん》に、仲間《なかま》の前《まえ》で着てみせました。すると、魔道士《まどうし》ハインツ(人間♂(おとこ))が指摘《してき》します。


「なんと、破廉恥《はれんち》な‥‥貴方《あなた》は、娼婦《しょうふ》ですか!」

「どうせ、わたしは、娼婦ですよ!」


 サガ(処女《しょじょ》)が、怒《ど》鳴《な》ると、野戦士《レンジャー》ルイ(人間♂)が興味《きょうみ》本位《ほんい》で聞《き》きます。


「それ、エッチなのに、透《す》けない下着だね?」

「うん。街では、透けたらダメだからね。だから、汗《あせ》でも透《す》けないよ」


 サガの答《こた》えで、ルイは、興味津々(しんしん)で、衣装を見《み》詰《つ》めています。

 今度《こんど》は、カルロ(人間♂)が、真面目《まじめ》に質問《しつもん》します。


「それって、脱《ぬ》ぎ易《やす》さとか、脱がされ難《にく》さとか、どうなんだ?」

「実《じつ》は、脱ぎ易くて、脱がされ難いけど、破損《はそん》防止《ぼうし》機能《きのう》があるわよ」


「破損防止?」

「破《やぶ》られると不味《まず》いから、強《つよ》すぎる力《ちから》に対《たい》しては、ポロリと外《はず》れちゃう」


 カルロは、パーティーのリーダーとして、質問していました。

 サガの衣装は、見た目を兎《と》も角《かく》として、実は、本格《ほんかく》的《てき》戦闘《せんとう》用《よう》です。



 こうして、意気《いき》揚々(ようよう)と、冒険の準備《じゅんび》が、整《ととの》って行《ゆ》きました。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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