運命から愛される資格
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
時刻は、夜の11時を過ぎましたが、いまだに、親睦会は続いていました。
おまけに、呆れることに、今も、聖騎士アリスは熟睡しています。しかも、剣舞士サガが、またもや、気づかい脱衣です。
突然、野戦士ルイが、思い付きで、重大なことを発言します。
「サガの呪いだけど‥‥軍神ガンヒルド様だったら、解けると思うけど?」
ルイの発言は、自明の理です。皆、驚きながら‥‥歓喜して行きます。
ちなみに、サガの呪いとは、職業クラスを『娼婦』のみしか選べないという、きわめて質が悪い『永劫の呪縛』の事です。
すると、スマートシステム(ステータス表示とかの仕組)により、軍神ガンヒルド(女神)から通信が入りました。空中で、通信ウィンドウが開き、そこには、勇美なるガンヒルドの姿があります。
『丁度、ここの様子を見ていた。
サガの呪いのことだが‥‥それは、上級神ブライトの御業だ。
ブライト、もしくは、特級神にしか解くことが出来ない』
その発言によって、サガの表情に、はっきりと、落胆が浮かんでも、ガンヒルドは、説明を続けます。
『その上、光神ブライトは、エルフ族の主神である。
――故に、エルフの禁忌を破った者を、決して許さないと断言している。
しかも、我は、中級神で、上級神の御業を取り消せない』
ガンヒルドの真相説明により、皆の表情が暗くなります。
ところが、代わりに、軍神は、希望の言葉をもたらします。
『ならば、特級神‥‥運命の女神フェイトに、愛されれば良い!』
それは、思いにも掛けない言葉だったので、皆が困惑しています。それでも、ガンヒルドは、笑みを浮かべながら続けます。
『さて、ここからが重要だが‥‥個人ステータスの幸運があるだろう?
――それこそが、運命から愛される目安なのだ。
そのため、幸運が、100万もあれば、呪いなど余裕で解ける。
まずは、幸運値1000を目指せ!』
これは、どう考えても、無茶苦茶な値です。何故なら、常人の幸運値は、二桁程度だからです。
けれども、ぼそりと、サガ(異世界転生者)が呟きます。
「わたし、幸運が、257しか無い‥‥」
その言葉で、皆の表情に、希望が灯りました。理由は、サガの幸運が、既に凄まじく、高い値だからです。
また、今度は、ガンヒルドが、アドバイスを始めます。
『一般技巧「危機管理」と「危機対応」を鍛えると良い!
――どちらも、幸運値を、大幅上昇させる。
また、2種類とも、特級職‥‥勇者や大賢者の「隠れ必須条件」でもある。
これらを、凡人は、見向きもしないが、実は、大変重要な技巧なのだ』
それを聞いて、皆は、喜びます。
程無く、ガンヒルドが、満足気に告げます。
『では、さらばだ』
別れの言葉と共に、ガンヒルドからの通信が終了しました。
やがて、誰からともなく、呟きます。
「‥‥だったら、幸運を上げるには、冒険が一番!」
もちろん、誰もが、そう考えています。
その後、親睦会は、大いに盛り上がります。それも、夜明けまで、続きそうな雰囲気です。こうして、サガたちの目標が決まりました。
――目指すは、冒険なのです!
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




