表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
87/127

第87話 エルシアの初仕事

第87話 エルシアの初仕事


エルシア視点

今日からあーしもモデルかぁ。

山村さんに声をかけられてここまで来たけど、事務所の正門に立つと感慨深いものね。

あーし達に絡んだハゲ豚さんは追い出されたらしい。

山村さんからのメールでハゲ豚さんの件は知ったんだよね。

山村さんのメールには昭和脳の老害を追い出せたってお礼言われたんだけど、あーし何もしてないんだよね。

勝手に自滅した感じ?

認識のアップデートはやっぱり大事ってことよね。

「あ、エルシアちゃん!」

おー、Akiraちゃん、おひさー。

綺麗になってんじゃん。

「Akiraちゃん、髪バッサリ行ったねえ」

「エルシアちゃんに言われてさ。私、路線変更したんだ。」

そう言って写真を渡してきた。

「おー、イケメンじゃん」

「でしょ。」

「今後は王子様系で行くの?」

「かな。宝塚系とオレ様系のモデルでいくことになりそうだよ」

「いいじゃんいいじゃん。Akiraちゃんにぴったりだよ」

「こっちこそ、エルシアちゃんのおかげで方向性を固めることができたから感謝感謝だよ」

あーしとAkiraちゃんは盛り上がりながら事務所に入った。

ダーリン?

苦笑いしつつもあーしたちに黙ってついてきたよ。

後は社長があーしに会いに来た時にダーリンも話していた。

ただ、ダーリンもスカウトされていたのには笑ったけど。

ダーリン本人は縁があればと固辞していたけど、社長の目が光っていたのは見逃さなかったよ。

多分あーしとカップルで撮影するのかな?

それならラブラブな所を撮影してもらわないと。

でもAkiraちゃんと百合カップルで撮影するのもいいかもなぁ。

あーしが控室に入ると、あーしのマネージャーになってくれるという鬼藤さんがいて軽く挨拶を交わした。

「これ、今日の仕事の内容です」

鬼藤さんからもらった書面に目を通す。

ふーん。

デビューにあたってのインタビューと撮影、ね。

あーしは今日着るという服に目を通す。

うーん。

これ、着る服によってメイクを変えたほうがいいんじゃないかな?

「鬼藤さん、これ、あーしのメイクと合わないものがあるから、あーしのメイク、変えたほうがいいよね?」

「そうですか?」

あー、これ多分鬼藤さんわかってないわ。

実際にやってみせたほうがいいね。

フフ、サキュバスクイーンのメイク術、ぜひご覧あれ。


鬼藤加奈子視点

社長をして是が非でも取ると豪語したエルシアさんが来た。

うん。

これは、魔性ね。

女の私でも初対面でドキッとしたもの。

それに女の私でも目が行くおっぱい。

ヤバいのひと言ね。

多分この子、どうやれば自分が輝けるかを理解して着こなしているわね。

スカウトの山ちゃんが声をかけるわけだ。

軽く挨拶を交わして今日の衣装を見てひと言。

「鬼藤さん、これ、あーしのメイクと合わないものがあるから、あーしのメイク、変えたほうがいいよね?」

え?

メイクさん、そんなに長い時間拘束できないわよ?

「あー、そのときはあーしがやるから大丈夫。」

…一応ここらプロの戦場なんだけど?

まあ、天狗の鼻を折るのは早いほうがいいわね。

「そう?じゃあエルシアさんに任せるわ」

「さて、どんな泣きっ面になるかしらね」

私もこの業界は長いのよ。

そううまくいかないと思うけど、頑張ってみたらいいわ。


カメラマン視点

だる…。

くじ運が悪い俺を呪うわ。

新人モデルの撮影とかやる気出ねぇよ。

大した金にもならないしよ。

どうせ垢抜けない芋娘が来てそれをおだてなきゃいけないと思うとげんなりする。

さっさと帰ってビールでも飲みたいな。

「モデルさん、入りまーす」

来やがったか。

さて、どんな面してや……。

は?

こんな美人どこから見つけてきたんだ!?

この子、新宿の高級ラウンジにいてもおかしくねぇレベルだぞ?

「よろしくお願いしやーす」

声も色っぽい。

俺だけじゃなく、この場にいる全員が新人に飲まれているのが分かる。

ぐびりと喉を鳴らした奴もいた。

「えっと、どこに立てばいいんで?」

ごく自然に俺に聞いてきた。

「え、あ…、ここに立ってもらっていいかな?」

「うーい」

俺もプロだ。

あの子の雰囲気に飲まれたままでいれっかよ!

俺はファインダーを覗き込み撮影を始める。

今回ばかりはくじ運が悪かったとは言えねえな。

極上の宝玉の誕生を撮れるんだ。

しっかり撮らせてもらうぜ?

指示するポーズを難なくこなす新人に俺は舌を巻いた。

ポーズの質、表情のレベルの高さに圧倒されるが、俺は楽しんで撮影を続ける。

「モデルさん、衣装の変更をお願いしまーす」

「はーい」

ニコニコしながらモデルが更衣室に消える。

「これは、やべえな」

撮影したデータを見ていくが、加工すら必要ないレベルの仕上がりだ。

ここまで写真写りがいい子も珍しい。

この流し目のショットとかやばいぞ。

水着でこれ、やられたら間違いなく表紙に推せるぞ。

やいのやいの言いながらスタッフとデータを確認していく。

これもいい、こっちもいい。

新人なのにNGなし。

鳥肌もんだよ。

「モデルさん、入りまーす」

戻ってきたモデルを見ると今度は完全な地雷系。

うっそだろ?

さっきの子と同じ子か!?

普通メイクってのはある程度決まってくるもんだ。

ナチュラル系はまだわかるが、ギャル系の子がいきなりガチの地雷系になるのはほぼ不可能だ。

そもそも組み立て方が違う。

あえてぼろぼろになったウサギ人形を持ったモデルが、

「同じところで撮る感じですか?」

と聞いてきた。

声を聞けば同一人物と分かるが聞くまでは気付けないぞ?

こんなの。

下手したらこの子、とんでもないことになるぞ!?

俺、早めにサインもらっとこうかな。


エルシア視点

ふっふっふー。

どーよ。

あーしの地雷系は。

鬼藤さん、マジでビビってたわね

ちなみにレイヤー風メイクや宝塚風メイクもお手の物なのよね。

眼帯つけているからちょっと視野は狭いけど現場の雰囲気を掌握するには十分だったわね。

さっきまでやる気がなかったカメラマンが最初からガチで撮影してきていたから効果も十分ね。

あえて谷間を強調しつつ地雷系を壊さないようにポーズをとる。

明らかに変な挙動になっている人がいるけど、あーし、まだ本気出してないからね?

今からそんなのじゃ体持たないかもよ?

Akiraちゃんもキラキラした目で見てくれているからあーしのモデルデビューは大成功ってところね。

ただ、撮影されているとムラムラしてくるわね。

今夜はダーリンに可愛がってもらわなきゃね。

今日の夜が楽しみね。

あーしは無意識に舌なめずりをしたみたいで、その瞬間を撮られて雑誌の見開きに使われたと知ったときは苦笑いしか出なかったわ。

ダーリン?

あーしの初のモデル仕事、どうだった?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ