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第67話 サンとのデート 3

第67話 サンとのデート 3


サン視点

あー!楽しかった!!

ホームランに当たると気持ちいいね。

ただ、お兄ちゃんの打球がボクの打球にぶつけてくるのは予想してなかった。

でもニヤニヤしていたから絶対わざとだ!!

でも難しいのはボクでもわかるから実際のところは狙ってやったかどうかまではわからないね。

で、今は何をしているかと言うと、BOUNDY1の近くにある焼肉食べ放題の牛丸で昼ごはん中なんだ。

ご飯も食べ放題、お肉も食べ放題、サラダも食べ放題。

もう最高だよ。

ルナママやエルシアお姉ちゃんは量より質だけど、レアお姉ちゃんとボクは質より量なんだよね。

だから食べ放題でたくさん食べられるのは最高だね。

カルビ〜、ロース〜、豚トロ〜

もっきゅもっきゅ。

ご飯もおーいしーー!!

でもこっちの世界のお肉って美味しいよね。

向こうの世界のドラゴン肉も美味しいけどさ。

なんというか美味しさのベクトルが違うんだよね。

ドラゴンの肉は今でも食べたくなるよ。

まだルナお姉ちゃんのインベントリにあるかな?

帰ったら聞いてみよう。


蒼魔視点

相変わらずのハムスターサン。

見ていて本当に気持ちがいい。

こんだけ満面の笑顔で食べるから店員さんも嬉しいだろうね。

事実、さっき店長さんが来てお店のホームページに載せる写真としてサンを撮らせて欲しいと要望されたしね。

許可したら店長さんは本当に嬉しそうにお礼を言われたよ。

サンは撮影されている時も気にせずもぐもぐしていたけど。

こういう店にはエルシアとかルナは来たがらないからなあ。

ルナの場合は自分でお店以上の味にしちゃうし。

スーパーのお肉でもブロッコリーハウスのステーキみたいになるからなぁ。

俺はもうお腹いっぱいだけど、サンはまだ食べるんだね。

とりあえずサンが食べ終わるまでゆっくりドリンクとデザートを食べていようかな。

食べ終わったらリアルピッチングにでも連れて行こうかな。


サン視点

あー、満腹満腹。

普段こんなに食べられないからね。

いつもの食事は腹六分くらいで止めているんだよね。

だけど、それだと満腹になれないから、お兄ちゃんのアドバイスでジャーキーとか鮭とば、スルメみたいなよく噛む物を食べるようにしているよ。

結構顎が痛くなるけど、不思議と満腹感があるから助かっているんだよね。

でも今日はお腹いっぱい食べられたから満足感すごいんだよね。

でもちょっと休憩させてほしいな。

焼肉をたくさん食べたからお腹パンパンなんだ。

で、お兄ちゃん、次は何をするの?

リアル…ピッチング?

何するの?それ。

リアルって何がリアルなの?

劇画調の何かあったりするのかな?

玉を投げるだけ?

ボーリングと違うの?

あー。

なるほど。

転がすんじゃなくて投げるほうなのね。

それも楽しそうだね。

まだ少しお腹が張っているから待ってほしいな。

お兄ちゃん、先にどうやるか見せて。

ふむふむ。

なるほどね。

球速を調べる物なのね。

じゃあ、お手本見せてね?


蒼魔視点

サンは少し食べ過ぎてお腹が張っているみたい。

あんだけ焼肉を食べればそうなるか。

じゃあ、俺からやるから見ておいてね。

俺はワインドアップからのオーバースローで投げ込んだ。

うん。

135キロね。

まあまあじゃない?

俺は何回か投げ込んでみて、ふとロマンを追い求めてみようかなと思ってワインドアップからのアンダースローを試してみた。

うん。

いい感じ。

ホップするような軌跡を描くストレートが投げられた。

サンがびっくりしているね。

なんであんなモーションで投げられるの!?って思っているんだろうなぁ。

じゃあ、次はフォークでも…。

あら?

ストレートよりもホップしたぞ?

さしずめライズボールってところかな?

もしかして、オーバースローと逆になるのかな?

シンカーは…やっぱりホップした。

カーブは…これもホップした。

えー…。

楽しいけど俺の玉の物理法則どうなっているの?

これ、存在しない軌道の球種だよね?

ロマンはロマンだったってことかな?

少なくとも公式戦ではつかえないね。

というか、キャッチャー取れないよね?

プロ野球の打者なら打てるかな?

もしくはメジャーリーガーとか…

ムッチョーバッツとかポーク・ボグワイア、ガチローなら俺の玉、打てるかな?

でもたまにはこういうことを想像するのも楽しいね。

こんな玉、バッターからしたら悪夢でしかないだろうな。

俺も野球は好きだけど、炎天下で馬鹿みたいに練習なんかしたくないしなぁ。

甲子園に憧れるのはわかるけど、あの熱っ苦しい練習はお断りだよ。

まあ、昭和の時代の野球部よりは緩いんだろうけどさ。

サンは…自分の体のバネをどう使うかを考えてるみたいだね。

ヒントは捻れだよ。

そうそう。

えーっと、この選手の投げ方が合うんじゃない?

俺はMelodic Tubeの動画で一世を風靡したとあるメジャーリーガーの投手の動画を見せてやった。

サンは納得したみたい。

試行錯誤を始めたから自分に落とし込んでいるのかな。


サン視点

お兄ちゃんに動画を見せてもらって獣人特有のバネをうまく活用する方法を考えた。

結果として、真央秀樹という投手の投げ方をトレースすることにしたよ。

腕を上げて、左足を軸にして右足を上げて体を捻る…と。

で、右足を前に出して腰と上半身で回転を腕に伝えて、こうかな?

うん。

もう少しバネを効かせて…こうかな?

うん。

もう少し…こう。

よし。

あとはキレが…。

こう。

うん。

できたかな。

お兄ちゃん、変わって。

ボクはマウンドに上がって足場を固める。

ふう…。

さあ、やるぞ。

ぐっと腕を上げて、ゆっくりと体をねじり、そのねじりの回転を腕に伝えて投げ込んだ。

168キロ…か。

うん。

じゃあ次は全力で…。

うりゃっ!

ズドン!

よし。

200キロ出たね。

ギャラリーのどよめきがすごいね。

え?

200キロは普通でないの?

もしかして、ボクやっちゃった?

「あれ?サンちゃん?」

「あ、田辺くんと渡辺くん?」

スポーツ科で野球専攻の田辺くんと渡辺だね。

二人もBOUNDY 1にきていたんだ。

「サンちゃんすごいね、さっきの球速、機械の故障じゃない…よね?」

「多分?」

田辺くんが驚いてるよ。

「あ、渡辺といいます。サンちゃんの彼氏さんですか?」

渡辺くんはお兄ちゃんと話してる。

「サンちゃん、もう一回投げてもらっていい?」

「別にいいけど…」

ボクは加減してもう1球投げ込む。

ズドン!

158キロか。

「はや…」

あれ?

田辺くん、ドン引きしてる?

「おい、渡辺、サンちゃんヤバいぞ」

「あー、俺も観てたわ。トルネードで158キロとかヤバすぎるでしょ」

なんか田辺さんと渡辺さんがコソコソ話してるね。

ん?

何、お兄ちゃん。

変化球?

さっきお兄ちゃんが投げていた曲がる玉のこと?

へえ…。

玉の握り方で回転をかけて曲げるんだね。

フォーク、パーム、フロントドア、スクリュー、ナックル、ナックルカーブ、スプリットと言った握り方をお兄ちゃんから聞いた。

投げやすいのはフォークかな?

こう、指に挟んで…、えい!

おー、落ちた落ちた。

急速は164キロね。

あ、田辺くんたち固まってる。

にひっ。

これは楽しいな。

フロントドアは…こうかな?

よっと!

ギュン!

おー、曲がる曲がる♪

こう投げれば…、

ギュン!

ど真ん中の狙ったところに行ったね。

右に立つ人はやりにくいだろうなぁ。

次はスクリュー…。

おりゃっ!

いいねいいね。

えぐるように落ちてくね。

田辺くんと渡辺くんはお兄ちゃんとまた何か話してる。

ガヤガヤしてるからよく聞き取れないけど。

あとでお兄ちゃんに何話していたか聞いてみよっと。

さて、お兄ちゃんたちは話が終わらないようだからもう少し投げて待ってようっと。

お兄ちゃん、早く戻ってきてねー。


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