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第110話 さあ、どれにするか。

第110話 さあ、どれにするか。


レア視点

中華街を満喫して帰宅したあと、我とミカエルで話し合う。

「実際レアさん、今日いろいろ弾いてみてどうだったの?」

「そう、だな。どれも良かったというのが本音だ」

我は正直に感想を伝える。

事実、実際に感じたのだから仕方がない。

「だけどスタインウェイを弾いているとき首を何度もかしげていたよね?」

「そうだな。あれは完璧すぎる。我としてはスタインウェイでは持て余す」

「でも観客は満足していたみたいだけど」

「これは我の感覚だからな。ミカエル殿は吾が奏でたスタインウェイの音色をどう思った?」

我はミカエル殿に聞いてみる。

ミカエルの感想を聞いてみたくなった。

「そうだねえ。確かに普段の演奏と少し違ったかな。綺麗すぎたというか、揺れがないというか」

ふむ。

我が感じたことをミカエル殿も感じてくれたか。

「じゃあ、スタインウェイは選択肢から外す方向で?」

「うむ」

となるとベーゼンドルファーとファツィオリか。

「方向性、違いすぎるよね」

「うむ。高貴で神聖さを持つファツィオリか、狂気と荘厳さを持つベーゼンドルファーか」

「これは悩ましいよね」

「うむ…」

我もミカエル殿も黙り込む。

正直に言うとどっちも欲しい。

しかしそうなると配信部屋が狭すぎる。

アプライドピアノとグランドピアノにすればいけなくはないが…。

「ミカエル殿はピアノを弾きたいか?」

「え?私?」

「うむ」

「そうだなあ…」

ミカエル殿が少し考え込む。

「正直に言うとやりたいよ。でも、レアさんの演奏に丸のみされそうで」

「そう、か?」

「今日のベーゼンのショールームで弾いたパッサカリアを聴いていて、これは飲まれると思ったのも大きいね。あの音を聴かされると心をわしづかみされるよ。レアさん、気づいていた?聞いていた観客の額に汗が滲んでいたよ?」

そうか。

二人で弾くのも楽しそうと思ったが…。

「そうか。残念だ」

「ごめんね。あれを聞かされたらさ」

まあ、やむなしか。

となると、正直悩む。

「ちなみにだけど、レアさんとピアノ二台使って演奏はしないってだけだよ?」

ふむ。

「でも、方向性が違いすぎるから悩むのがわかるなぁ。」

このまま行くと並行線になりそうだな。

「別に今晩決める必要はないが、いずれは決めなければならんな」

「だねえ。正直どっちでもレアさんの演奏の良さが引き出せるから悩ましいよね」

本当にこれに尽きる。

魔族が神聖さを謳うなと言われるだろうが、音色に惚れたのだから仕方あるまい?

…ダメ元で二台買えないか相談するかな。

しかしかかる予算が約2600万だろ?

ファツィオリのF228が1200~1600万でベーゼンドルファーが700~1000万。

本当に頭が痛い問題だ。

主殿からは今、今保有している総資産としては足りるとは聞いている。

しかし、我のわがままでその資産を使わせてもらうのは忍びない。

ファツィオリの音に惚れたというだけで、負担を増やすのは本意ではない。

何かいい手段はないだろうか。

この後、主殿から競馬の三連単でうまくいけばいけるかも、と言われたので少しだけ期待してしまった。

…本当にいけるのか?

ピアノって調べてみたんですけど本当に高いんですね。

車は普通に買えますやん…。

まあ、私には無理な買い物ですね。


次はみんな大好き(?)掲示板回です。

お楽しみに。

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