1.僕たち
初めて小説を書いてみました。
是非、素人を見守る気持ちで最後までお読みください。
袖丈がおぼつかなくなってきた十月。
つい先日まで暑かったというのに、夜は冷えるようになってきた。
そのせいなのかは分からないが、最近、よく眠る。
まるで体がどんどん沈んでいくような感覚。このまま目を開けられなくなるのではないかと錯覚するほどに。
「おい!」
声がする。
「起きろ! アホ!! とっくに遅刻してんだよ!」
遅刻?
「ん……? なんだよ、もう……。寝てたのに」
俺は目をこすりながら、ゆっくりと目を開けた。
「やーっと起きたか! 祐二」
呆れたように言うのは、制服姿の彼。
センター分けに、小麦色の肌。キリッとした太眉に、八重歯が特徴的な男だ。
「なんだよ、碧。わざわざ迎えに来なくても」
俺はそう言った。
だって、男が男の家に来るなんて。
「まさか……お前、ホモ?」
バシッ!
「アホか!! 馬鹿野郎! お前が遅刻して、待っても来ないからだろ! 優センに連れてこいって言われたんだよ!」
「全く、毎度毎度お前のケツを拭く俺の気持ちも考えろ!」
顔を真っ赤にして怒鳴る碧は、なかなかに滑稽だった。
「あっそ」
「てか、今日は優先生なんだ。俺、あの人苦手なんだよね」
優先生。
眼鏡をかけ、ベージュに近い茶色の髪をした、細身の先生だ。
何を考えているのか分からない、どこか掴みどころのない人。
「あー、お前、なんか妙に気に入られてるもんな」
ニヤニヤしながら碧が言う。
「うるさいよ。着替えるから待ってて」
そう言って、俺は制服に着替え始めた。
シャツを着て、半袖にするか長袖にするか悩んだ末、結局まだ半袖にした。
ズボンを履き、ベストを着る。
「お待たせ。行こっか」
カバンを持ち、靴を履く。
玄関の扉を開けて外に出ると、鍵を閉めた。
「ったくよー、最近お前、遅刻多くねーか?」
通学路を歩きながら、碧が無駄にデカい声で話す。
「仕方ないだろ。眠いんだから」
欠伸をしながら、俺は答えた。
「眠いって、お前、勉強についていけなくても知らねーぞ?」
碧という人間は、ガサツなくせに勉強だけはしっかりする。
「勉強って……どうせ俺らしか生き残ってないんだから、したって意味ないよ」
「俺らの世代か、もう少し後かで、どうせ人類は滅亡する。十数人で子供を作ったって、しばらく経てば障害を持つ子供しか生まれなくなるんだから」
セラフの影響で、少なくとも日本には俺と碧を含めたクラスメイト、そして先生たちしかいない。
外国にはまだ人がいるだろうが、この世界で海を渡るのは簡単ではない。
「ったくよー、妙に現実的なのやめろよなー」
ふと、碧が何かを思いついたようにニヤニヤし始めた。
「待てよ……? そうだぜ、先生たちを抜けば、若い男は俺ら二人だけだぜ?」
碧がニヤニヤとこちらを見てくる。
「それがなんだよ」
俺には意味が分からなかった。
当たり前のことだ。
「だーかーら! つまり、あの凪とあんなことやこんなことを、子孫を残すためとか言えばできるってことだろーがよ!!!!」
碧はずっと前から凪のことが好きだ。
いや、美女が好きなだけかもしれない。
「くだらない」
そうこうしているうちに、学校が見えてきた。




