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29.薄暗いラブロマンス

 チュー

 

 チューチュー

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

 

「ん…何だ…」

 

 

 チューチューチュー

 

 

「んん…頭がいてぇ」

 

 確か昨日は…そうだ、アプリとお邪魔虫(ミール、クラリ)と飲んで…その後、どうなったんだっけ…?

 

 

 

 

 ーーー

 

「な、なぁ?アプリはなんでそんなに俺に興味っていうか…そう、関わってくるんだ?自分で言うのも自意識過剰っぽくてアレなんだが俺がそんなにモテるとは思えないんだが」

 

 アプリがこちらを信じられないものでも見るような目で見て、少しうーんと唸った後

 

「それは周りの見る目が無いんですわ。私は助けて頂いた助けて頂いたあの瞬間から…ずっと貴方をお慕いしております!」

 

 と、ハッキリと断言した

 

 助けた瞬間って、そんないいモンだったかなぁ?確かに、傍から見たら変身ヒーローが暴漢に襲われていた女性を救ったようにも見えるか…

 

 だが凶夜としては、憂さ晴らしに適当なゴロツキをボコすために路地裏を徘徊し、丁度いいゴロツキがいたからしばいただけで…それを惚れた切欠って言われるとちょっと罪悪感がある

 

「大丈夫、そのうち気がつくんだよ」

 

 と、ミール

 

「?気がつくってなんだよ」

 

「なんでもないんだよ!ふーんだ!」

 

 ぱくりと、酒のつまみの実を口に放り込む

 

「ええ、皆さんキョウヤ様の良さに気がつくでしょうね♪」

 

 はぁ?とミールが呆れ顔でアプリを見ているが気にしないことにしよう

 

「キョウヤ様、キョウヤ様」

 

 こそこそと、アプリが耳打ちしてきた

 

「なんだよ」

 

 こちらもなんとなくひそひそと返してしまう

 

「私の贔屓にしているお店があるんですけど…そちらにいきませんか?…もちろん二人きりで」

 

 きたぁぁぁぁぁ!!!これは合コンであるという、あの伝説の二人でしっぽりのパターンなんじゃないかっ!?

 

 スロットで言えばトラ柄の激熱演出!ボーナス確定かっ!?くぅー!

 

「こ、こほん…いいぜ、アプリの話ももっと聞きたいしな」

 

「…ミールさんがトイレにいったら」

 

「抜け出そう!」

 

 ーーー

 

 

 

 

 って感じだった様な。その後なんかいい感じになった気はするんだが、記憶がまったくない…

 俺は果たして童貞を卒業できたのだろうか…いや覚えて無かったら意味ないか…はぁ

 


 チューチュー

 

 

 …はっ!?これはまさか…有名な朝チュンってやつでは!?

 

 目を恐る恐る開ける

 

「知らない天井だ…」

 

 目の前には灰色の天井

 

 ちらっと左右を確認すると

 

 灰色の壁

 

「…あれ?ここ牢屋というやつでは?」

 

 ってことは

 

 チュー

 

 自分が寝かされていた安そうな骨組みのベットの下を見ると、灰色のネズミが数匹、何かのカスを取り合っていた

 

「やっぱネズミかよ!ちっくしょーーー!いや、うすうす分かってはいたけど、こんな現実見たくなかったぁぁぁ!」

 

 てか、なんだよここ?

 

 あの後何があったんだ…まじで

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