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職業は精霊の愛子  作者: 黒色猫


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第7話

 近づいてみると、そこには背丈が80cmくらいの小人が。緑を基調としたファンタジー風の服を着ており、銀色の髪をポニーテールで1つにまとめている。フワフワと空中に浮いているから、おそらく浮遊能力も持っているんだろう。


 小人も俺に気付いたのか、勢いよく飛んできて顔にへばりついてきた。そのまま頬をスリスリと寄せてくる。落ちないように一応抱きかかえた。


「わっ、なんだよお前」

「愛子ー好きー」


 愛子?もしかして精霊の愛子のことか?……もしかして小人さんは精霊だったりする?いや、まさかね…。


「僕はー風葉の精霊だよー」

「ってやっぱり精霊だったのかよ!」

「うんー」


 ところで、いい加減顔から離れなさい。前が見えないでしょう。しぶしぶ、本当にしぶしぶといった様子で地面に降り立った小人を改めて見てみる。…うん、言われなければ精霊だと分からないな。


「愛子ー」

「なんだー。あと、俺の名前はロロな」

「ロロー」

「だからなんだ」

「契約しよー」


〇風葉の精霊と契約する

期限:なし

報酬:1000ベル


 …なんかクエスト画面が出てきましたけども。精霊との契約ってどうやるのさ?精霊魔法とはまた違うよね?


「ロロー契約ー」

「いや、まずなんで俺と契約したいんだ?」

「好きだからー」


 おう、そうはっきりと言われたら照れますよ。だが、俺は、精霊と契約する方法なんてこれっぽちも知らない!あ、目に見えて小人さん────風葉の精霊が落ち込んでしまった。


「しょぼーん…」

「あーセフィリアさん…俺の師匠なら何か知ってるかもしれないから、とりあえず一緒に来るか?」

「!行くー」


 よしよし、機嫌がなおって良かった。早く行こーと急かす精霊を宥めながら、俺も街へ向かう。…セフィリアさん、腰抜かさないといいけど。


・・・

・・


「────もう一度言ってくれる?私、耳がおかしくなっちゃったみたいで…。えぇ、聞き間違いかもしれないわ。きっとそうよね」

「精霊と契約する方法があれば教えてほしいです」

「ですー」

「…精霊と、契約…」


 あ、セフィリアさんが口から魂飛ばしてる。言葉遣いもどこかおかしかったし、相当動揺してるな。風葉の精霊は一連の様子が面白かったみたいでケラケラ笑っている。


「…何がどうなって、契約の方法を聞きに来たの?」

「森に行ってグリーンスライムを倒した帰りに、たまたま風葉の精霊と出会いまして。それでまぁ気に入られちゃったみたいで、契約してーとお願いされ…」


 でもどうやって契約するのか分からなかったので、セフィリアさんに聞きにきた次第であります。と言うと、頭を抱えてしまった。


「…とりあえず、ロロくんの精霊眼では何が見えてる?」

「んーこの子の名前くらい、でしょうか?ステータスとかは見えませんね」

「精霊は今この場にいるの?」

「?はい」

「分かった。…あのね、精霊は精霊眼を持ってる人じゃないと見えないし触れないのよ」


 えっ、そうなんですか?と聞くと、セフィリアさんは重々しく頷いた。どうやらセフィリアさんは店に入ってきたのは俺1人だと思っていたらしい。ずっと隣にいたのに、風葉の精霊は見えてなかったんですね…。


「それで、精霊と契約する方法だっけ?」

「はい。何か知ってますか?」

「まぁ契約するための条件とか知ってるよ」

「教えてください!」

「まず精霊からの好感度が高いこと」


 これは大丈夫だな。見るらかに好感度めちゃくちゃ高いし、何しろ契約を持ち掛けてきたのは向こうだ。


「次に精霊に関係するスキルを所持していること。…これはロロくんは大丈夫だね」


 そうですね。なにせ精霊魔法、精霊眼、精霊の手と3つも持っているんで。条件にはきっちり当てはまっている。


「最後、これが難しいんだけど────精霊の真名を知っていること」

「真名?」

「精霊は愛称と真名、2つの名を持っているらしいの。精霊の真名を知るには、様々な試練を突破する必要があると言われてる。…ロロくんは試練を受ける覚悟があるの?」


 セフィリアさんが堅い顔で問いかけてくる。そう言われましても────。


「俺、この子の名前知ってますよ?」

「だから、愛称じゃなくて…」

「いえ、多分愛称と真名、両方知ってます」


 精霊眼のおかげなのか職業である精霊の愛子のおかげなのかは分からないが、俺はおそらく風葉の精霊の真名が先ほどから見えているのだ。だってやたら長いし、発音しにくそうだし、カッコいいし…これが真名じゃなかったら何なんだ。


 そう言うと、セフィリアさんは頭痛が痛いみたいな顔をして顔を覆う。


「……精霊の真名が、見えるんだ?」

「多分?」

「なるほどね…なるほどなのか?本当、規格外というか常識が通用しないというか…もう、どうしよう…」


 はい、大変頭を悩ませております。いやー申し訳ないですね。厄介ごとを持ち込んでしまったのはこちらなので、ちょっと部屋の隅に寄らせていただきます。


 ちなみに精霊の愛子の隠れ特性?として精霊の声が聞こえる、幸運があります。さらに追加するかもしれません。

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