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不思議の国の邪神様4 ~圧倒的な戦力差にひれ伏せ~

不思議の国の邪神様1:2015/09/25 20時投稿

不思議の国の邪神様2:2015/09/25 21時投稿

不思議の国の邪神様3:2015/09/25 22時投稿

不思議の国の邪神様4:2015/09/25 23時投稿←いまここ

「アンリ! おい、アンリ! そろそろ起きろ」


 聞き覚えのある声で名前を呼ばれて、アンリの意識が浮上しました。

 閉じていた目を開くと、そこには心配そうな表情で覗き込むレオノーラの顔が……見えません。

 ぼんやりとしたアンリの視界は、何か紅い物で塞がれています。


「アンリ? 目が醒めたのか」


 しかし、レオノーラの声はその紅い何かの向こう側から聞こえてきます。


「?」


 まだ頭が覚醒しきってないアンリですが、取り敢えず目の前の紅い何かをどけてレオノーラの顔が見えるようにしようと、手を伸ばしました。

 紅い何かに手を当てて押し退けようとしますが、ふにょんとした予想以上の柔らかさに指が埋まりました。


「は?」

「???」


 予想外の感触とレオノーラの呆気に取られたような声に、疑問に思ったアンリは感触を確かめるように何度かぎゅっぎゅっと握りました。


「ちょ!? な、何を……」


 慌てたようなレオノーラの声と共に頭の下に敷かれた柔らかな何かが揺れることによって、アンリはようやく状況に気付きました。




 どうやら、知らぬうちに眠ってしまったアンリに対して、レオノーラが膝枕をしてくれていたようです。

 しかし、ならば何故彼女の膝に頭を載せているアンリからレオノーラの顔が見えないのか。

 それは、彼女の胸部に装備された圧倒的な攻撃力を誇る装甲がアンリの視界を遮っているからに他なりません。


 とどのつまり、先程からアンリが揉んでいたのはレオノーラの豊満な胸部装甲だったのです。

 ちょっとイラッとしたアンリは、腹いせにもう少し揉むことにしました。


「ふにふに」

「い、いい加減にせんか!」


 が、直後に怒ったレオノーラに頭を叩かれました。


「痛い……」


 逃げ場が無い状態で叩かれた頭は物凄く痛く、アンリはレオノーラの膝から転げ落ちて頭を抱えました。


「自業自得だ、馬鹿者!」


 胸部を庇うように両腕でガードしたレオノーラは、痛みに呻くアンリに対して叱り付けました。

 彼女からすれば、眠ってしまったアンリに善意で膝枕をしてあげていたのに、いきなり揉まれたのだから正当な怒りです。


「まったく……お前がバストサイズにコンプレックスを抱いてるのは分かったが、

 頼むから私に八つ当たりしないでくれ」

「待って、それは心外。

 私が一体いつコンプレックスなんて抱いたと言うの?」


 呆れたように言うレオノーラが発した言葉に、聞き捨てならないものを見付けたアンリは、流石に認められないと喰って掛かりました。







 しかし、レオノーラはそんなアンリに対して、僅かに可哀相なものを見るような目を向けながら告げました。


「何を言ってる、寝言でも散々言ってたぞ?

 『今はまだ無理だけど、そのうち……』とか、

 『大きくなれ大きくなれ』とか

 『大きければ良いというものではないと思う』とか」


 アンリが彼女の誤解を解くまで、日が暮れる程の時間を費やすことになりました。

おしまい


<配役>

アリス:アンリ

姉:レオノーラ

兎:邪神?

イモムシ:教皇

チェシャ猫:アンバール

三月兎:レナルヴェ

帽子屋:ヴィクト

ネムリネズミ:イジド

薔薇塗り職人:アーク、ジオ、フレイ、ウィディ、オーレイン、ライオネル

女王様:ソフィア


また何か思い付いたらやるかも知れませんが、ひとまずこれで完結とさせて頂きます。

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