前へ目次 次へ 4/5 いつもの日 「……いってしまいましたね」 残された彼は悲しげな笑みを浮かべ 彼女が向かって行った方向を見つめていた その視線の先には 人影の無い真っ直ぐな道が先の方までのびていた いそいそと荷物を片付け 彼は、彼女と反対側の道をゆっくりと歩いてゆく 「とっても良い子だったのに もう会えないのは悲しいものですね…」 その目に、悲しみの色を映したまま ポツリと呟いた彼の言葉は、誰にも届かずに 遠くに向かう彼の全身真っ黒な奇抜な衣装は 後ろから見るとまるで喪服のようにもみえた