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第二十六話「夏だ! クラス対抗戦!~9~」

今回はちょっと短いです。





 函音ちゃんによる第三試合の後も、Fクラスによる大進撃は続いた。


 第四回戦は火崎(ひざき) アリスによる、圧倒的な身体能力と無数の分身体による怒濤の波状攻撃にて相手の金末(かねまつ) 吟次(ぎんじ)を撃破。


 第五回戦は衡國(ひらくに)リンが【八節鎌】による曲芸じみた死神の舞踏を披露。そしてSクラスの木島(きじま) 代都(しろと)に勝利、第六回戦も月守(つきもり)(あかり)がイデア【双頭多重大盾壁】で敵を圧殺、勿論勝利した。



 しかし。



「…精神攻撃系のイデア?!」


 第七回戦、相手はSクラスの朏島(はいじま)洗乃(せんの)。十万人の内に一人と言われる精神干渉系――それも攻撃系のイデアを持っている。


 奴が先手を取ってから、綾瀬のイデア――【姿鏡】が上手く機能していない。恐らく“心”を乱されているせいで、イディトロンのイデア化塩基配列が不安定になっているのだろう。


「どうしたよ…綾瀬…」


 またもや俺のサポートの出番か。



「………【精神干渉(シャエルダイ)】」

 おれは固有魔法の【精神干渉(シャエルダイ)】で綾瀬の精神――心に干渉することにした。






      †  †  †






(綾瀬視点)



 私には、すぐ他人の好意を無下にしてしまう癖がある。どうにも素直になれないのだ。

 だから、幼馴染みの月守(つきもり)(あかり)と一緒にいる時以外は、ずっと一人ぼっちだった。

 母は幼少期のころに死に、父は定職にも付かず、ぶらぶらしている風来坊。滅多に家には帰ってこず、急に帰宅したかと思うと、私が生きているのを確認だけして最低限生活に必要な金銭を黙って机に置いてまたどこかへ行ってしまう。


 そんな灰色の幼少時代を過ごしていたせいだろうか。


 私のイデアは【手鏡】真実を暴く真理の鏡だった。

 きっとそれは私が誰も信じるかとができなかったという、その不信の象徴。


 私は、他人の好意を無駄にしていた訳ではなかった。


 ―――ただ、誰も信じられなかっただけなのだ…。



『それが君の本質。誰も信じられない臆病者』


 頭の中に直接声が響く。対戦相手の朏島(はいじま)洗乃(せんの)なのか。



 でも違うんだ。


『何が…?』



 私には、信じられる人が出来たんだ。


 霧式くん、彼は私を変えてくれた。だから―――。



『君は何も変わっていないじゃないか?』


 含み笑いを漏らしながら“声”が言う。



 何も変わっていない? 私のイデアは確かに進化したはずだ。私は、成長できたはずなんだ――!!


『それじゃあ、そのイデアの能力はおかしいじゃない? 全てを跳ね返す(・・・・)イデア。…まるで――』


 “声”が、“声”が私を嗤う…、嗤う、嗤う、嗤う、嗤う―――。


『――自分の殻に閉じ込もってるみたい。ホントにまるで変わっていないよね。君は』


 うるさい! 黙れ!


『…合宿でのランニングで、“休もうよ? 怜那ちゃん。凄くしんどそうだよ…?”って言ってた月守(つきもり)(あかり)の好意を拒絶したよね?』



 うるさい! あれは(あかり)がペナルティーを受けたら悪いと思って――。



『違うよ…。君は信じられなかっただけだね。心の奥底で親友も、その“霧式くん”も拒絶していたんだよ』



 うるさいうるさい!!



『君は自分に嘘をついている』



 黙れ黙れ黙れ!!!



『君は“霧式くん”を信じていない』



 ……うるさい…!!



『君は、臆病で…』



 …あああ。



『――とっても嘘つきな人。真実を写す鏡は君の不信の象徴ではなく、…君が自分に嘘をついているから発現したんだよ』



 ―――ビキリ。


 ………どこかから、“心”の割れた音がした。





次回、シリアスさんが死にます。

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