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第二十一話「夏だ! クラス対抗戦!~4~」

どうしてこうなった…





 ―――【概念実体化陣レイジス・ケル・ヴァント】。


 それは異世界にて彼の大賢者、【オルネス・ギルヴァント】―――俺のハーレムメンバーが編み出したオリジナル魔法を発動させるための魔法陣。


 何らかの“事象”を媒体とし、それに質量を持たせて顕現させる概念魔法だ。


 これを応用すれば、魔力を流す事で番条の“像”を実体化させる事ができる。

 釘と釘の感覚をを線に見立て、それを【概念実体化陣レイジス・ケル・ヴァント】の形に配置するのだ。


 不良、それは俺のイメージの中では、『殴り合い、リーゼント、釘バット、殴り合い』といった、まさに外道! といった感じのもノだった。

 『不良』を異世界流にいうなら戦士型のジョブとなり、接近戦を得意とする職業となるだろう。


 しかし。

 番条はリーゼント、改造学ラン、【釘】のイデアの刺さった釘バットと、明らかな近接戦闘型の出で立ちをしているに関わらず、【魔力】の数値が異常に高かった。


 霧式の分身体がマンツーマンで訓練したさいに【最上鑑定】にて調査した結果がこれだ。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


名前:越劾(おつがい) 番条(ばんじょう)


種族:人間族


性別:男


職業(ジョブ):不良



Lv.5


体力:50


膂力:60


耐久:60


敏捷:50


魔力:1000


知力:30


運:50


魅力:40



【適性魔法】


・闇属性


・概念属性(イデア使用時)



【装備】


・リーゼント(ポンパドール)


・改造学ラン


・下駄


・イデア釘バット


・イデア【釘】



【スキル】



苦義罰痛くぎばっとー




【称号】


・仁侠の素質


・極道の素質



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



 何が凄いの? と、思うかもしれないが、この世界の平均ステータス値は五十である。

 体力は平均ほど、膂力と耐久は平均以上で、それだけ見れば普通に戦士(タイプ)のステータスの持ち主であるのだが、肝心なのはその魔力量である。


 1000だ。1000である。


 戦士型の人間は魔力量が少なくなる傾向があるのだが、番条の魔力量はおかしい。戦士型と魔術師型のいいとこ取りをした魔剣士型でもここまではいくまい。


 そして魔法の才能もある。気になったはイデア使用時の適性魔法。

 概念属性というのは、間違いなく固有属性だ。


 ―――これは使える。


 そう思った俺は、番条に魔法の心得を伝授した。


 番条はステータスを見ての通りバカだが、どうやら魔法分野では天才といってもいい能力を発揮できるようだ。

 今の所、【概念実体化陣レイジス・ケル・ヴァント】以外は魔法陣も詠唱もいらずに発動させる事が出来るのだ


 これで異世界に生まれていたら間違いなく宮廷魔術師になれるだろう。エリート出世コースだ。


 まあ、それは置いといて、俺は番条に単純に魔法を使えば試合に出られるだろうと話した。

 しかし、番条はあっさりそれを蹴った。

 曰く、そんなズルをしてまで勝ちたいとは思わないらしい。

 確かに『イデアバトル』では、自らのイデアと自分の肉体しか使えない。そういうルールだ。

 魔法も自分の能力なのだからいいと思うが、番条からすれば、ズルなのだろう。


 だが、イデア顕現時のみ使用が可能な概念魔法ならどうだろうか。

 イデアの能力としてズルにはならないのではないか? (まあ白ではなく、グレーだろうが)

 そう言って番条を説得すると、番条は渋々、本当~に渋々といった感じで了承してくれた。


 そうして番条は試合に出ている訳だが。


「何だよ番条?! 怖いのか?! 怖じ気づいたのか?! 出てこいよ?! 男なら拳で語り合えよ?!」


 明神丸くん、無数に突っ立っている番条の“像”に対し、動揺っぷりが半端ない。さっきから番条に「怖いのか?! 怖じ気づいたのか?!」とか叫んでいる。いや、怖がってんのはお前だろ。



『…いいぜ。お望み通り出てきてやるよ!』


 虚空から番条の声が聞こえてくる。


 釘で構成した魔法陣――【概念実体化陣レイジス・ケル・ヴァント】に魔力を流したのだろう。

 競技場全体に広がる魔法陣が番条の魔力色――水色で、光輝いている。

 その美しさに、誰もが息を飲んだ。


 実況の瑞木さんとパンバさんも目を剥いて戦況を眺めている程だ。おいコラ、実況はどうした。


 そうして魔法陣の中心に巨大な番条の像が形成され、実体化する。


 質量をもったそれ――さしずめビッグ番条に明神丸は怯えるばかり。

 涙目で「もうなんなんだよぉおお!!」と叫びながら半狂乱で自らのイデア【超絶ブラックシャインバット】とやらを振り回している。


 しかし、そんなものはビッグ番条には効かない。


 ビッグ番条はチワワのようにガクブル震える明神丸へ軽いデコピンをお見舞いする。

 すると、明神丸は吹っ飛び、競技場の壁に激突。顔面を涙と鼻水に歪めながら失禁していた。しかも気絶して。


 話を少しずらすが、イデアのいいところは念じれば消える事にある。

 従って、番条がイデアを消せば釘で構成された魔法陣は消える。

 つまり後片付けが楽だ。


 番条はイデアの顕現を解錠し、ひょっこり競技場に現れると、観客席の俺に向かってVサインしてくる。


 それにはっと、我に帰った審判は、


「え、Sクラスの築和 明神丸選手の試合続行不可により勝者、Fクラスの越劾 番条!!」


 と宣言する。

 沸き立つ観客席。FクラスがSクラスに勝つという前代未聞の状況に目を剥いて驚愕している。

 ズルではないか? と思うものはいない。

 何故なら、この大イデア実演アリーナには『ゲノム共鳴イデア監査システム』を用いた、観客席を含めた会場内全体でイデアの動作を検出する検査機が設置してあるのだ。

 よって、試合でズルなど出来ようがないのだ。使えるのは個人のイデアのみ。

 越劾(おつがい) 番条(ばんじょう)は実力でSクラスに勝ったのだ。



 そしてこの試合を皮切りにFクラスの大進撃が始まる!!




次回は鳴雷宗田くんと彼の兄貴対決です!

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