3話 神の覚悟
前回は長文に挑戦してみましたが、やはり、個人的にはちまちまと2000から4000文字ぐらいを投稿していく方が性に合うのでこちらのスタイルでいかせてもらいます。
私は愛を司る神様として生まれました。
そうは言っても特にすることは無く、ただ地球の変化、進化、退化を見守るだけのお仕事です。私はそんな日々に嫌気がさしていました。
特に理由もなかったのですが、何となく、人の人生を見てみると、1人1人それぞれの物語がありました。
楽しかったり、辛かったり、泣いたり笑ったり。そんな感情のスパイスで溢れたような人生を見る度に私は羨ましく思っていました。
私もこんな生活を送ってみたいと。
時には、自分も何か行動してみようと自分で創造したキッチンで料理をしてみたり、スマホなる物も触って見たりしました。
スマホは私にはよく使いこすことが出来なかったので直ぐに辞めてしまいましたが、料理は毎日1日3食食べるようになりました。
そこから私は人に好奇心を抱くようになりました。
神様というのは人で言う2次元3次元と呼ばれるものによく似ています。2次元のキャラクター達は3次元に干渉することは確実に出来ません。しかし、3次元の人達は2次元のキャラクターを操ることによって干渉することが可能になります。
多分、本質的な2次元3次元の意味は違うと思うのですが。
私たちから見る人というものは2次元のキャラクターのようなものなのです。なので現地調査と言い訳をして人の世界に度々乗り込んだりしていました。
もちろん、人を模した人形を創ってそれに意識を乗り換えています。
私は人の愛や優しさに感激すると共に、嫉妬や嫌悪に人の感情の難しさを知りました。
動物は縄張り争いでしょっちゅう喧嘩するらしいです。私にとってはそれと同格に思っていたのですが、何となく、人の感情によってもっと複雑になっているような気がしました。
私はそんな人の奥底にある見えない感情というものがとても愛おしく感じられました。
私は人を愛してしまったのです。
私は人が愛と優しさで溢れる世界を作ろうと奮闘しました。人々全てが幸せであることを願ったのです。
ある時は、戦争地域に赴き敵味方関係なく治療しました。天使と呼ばれ、医療をかなり発展させることが出来ましたが、私の中では満足で来ませんでした。
ある時は、男装して奴隷を解放し、上下関係のない世界を作ろうとしました。結果大成功し、奴隷制度はなくなっていきましたが、戦争は無くなりませんでした。
ある時は、国連という国の会議で少女としてスピーチをしました。女性への差別などが激しい中、銃に撃たれたりもしましたが、差別を無くすために戦い続けました。
そうして、世界が穏やかになっていき、私の中には達成感がありました。
ですが、それ以上に虚無感の方が大きかったのです。
私は人と関わりすぎてしまいました。
神としての日常が退屈でとても空虚な気持ちにさらされました。
人の世界に言っても誰にも自分の身は明かすことは出来ず、誰にも理解されない生活は、世界、地球にも見放された気分でした。
彼と会ったのはそんな日々がかなり続いた後でした。
色々な人を異世界に送り出していく中、1人だけ目の色が違いました。
目の色が違うというか、目の奥には何もないのです。それこそ、頭の中は空洞になってしまっているような。
私は彼に共感を感じました。
彼が私が作った空間で特訓している時もずっと見ていました。
特に理由はなかったのですが、淡々と練習している彼を見るのが何故かたのしかったのです。
彼との会話も有意義なものでした。ただ地球の生活や高校でどんなことを勉強しているかなど、本当にたわいのない話をするだけであの空虚感覚が薄れていくようでした。
そんな私にとって本当に楽しい日々を送っているにつれて彼のことが知りたいと思い始めました。
彼はまず笑いません。空虚な目で淡々と喋るのです。私は天然?なのか分かりませんがよく突っ込まれました。それの突っ込みも何か抜け落ちているのです。その抜け落ちた何かが感情だと気づくのにかなりの日数がかかりました。
私はそんな感情のない彼の過去が知りたくなりました。
好奇心とは違う、彼のここまで感情が抜け落ちる程の過去を知り、その上で支えてあげたい、出来ることなら彼の笑顔を見てみたい。
私は恋を司る神です。ですが、その気持ちの正体に気づくのにも大分時間がかかりました。
彼との別れてしまった後、私は決心します。
彼と人生を歩みたい。そのために彼の全てを知りたい。彼を支えたい。彼が思い切り笑えるまで私が世界を変える。
そんな決心を母親に伝え、神ではなく現人神に堕ちることを伝えました。
そんな、不肖な私を母親は快く送り出してくれました。貴女が私の娘で良かったと言って。
でも、そんな決心も最初の戦いで全部崩れ去りました。
ボロボロになっていく彼を見ても足が動かないのです。泣くことしか出来ないのです。
私は人形に意識をのせ、色々な人としての人生を送っていきました。死は人にとって必然であり絶対。それが私の考えであり、死というものに恐怖はありませんでした。
ですか、それは全くの間違いでした。死が怖くないのはあくまでも人形の死であるからです。ゲームのキャラクターが死んでしまうのと同じです。
結局、動くことが出来たのは最後だけ、彼がボロボロでもう死んでしまう1歩手前の所でただ抱きついて泣くことしか出来なかったのです。
私は、あの後思いました。彼を守り、慈しみ、支えていくには力と強い心が必要だと。それこそ、彼を守るために全世界の人々と戦うことになるかもしれない覚悟です。そして、敵になる人を殺す覚悟も。
私はベッドで寝ている彼にそっと口付けをし、あの女にお願いするために彼の部屋から出ていきました。
評価や感想くれてもいいんだからね!|ω・)ジー
P.S.前回ではタネ明かしとか抜かしていましたが次回になりそうです。申し訳ありませんでした。<(_ _*)>




