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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第2章 学園編
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第64話 責任者!出て来い!

高校受験の結果発表日は全く緊張しなかったんですが、大学受験の発表日は大分緊張しましたね。

2日後の朝、トリス達は再びトゥール学園に来ていた。

結果発表日だからなのか、受験日の数倍は居るのではと思うほど人が門の前に集まっていた。


「す、凄いな。」


「うん、僕もここまでとは思わなかったよ。」


顔を引き攣らせながら、結果発表待ちの人々を眺める。

暫くすると、急に後から声をかけられる2人。


「あ、ホルスさん、トリスさん、おはようございます。」


「マリー。おはよう。」


「ローゼマリーさん、おはようございます。」


朝なので、毛皮の白いコートを着て厚着をしているローゼマリーが、マルセルを引き連れてやって来たのだ。


「試験日にはお会いしませんかでしたが、お2人とも大丈夫でしたか?」


「えぇ、大丈夫ですよ。ホルスは非常識人間扱いされてましたが。」


トリスがおちゃらけて言うと、ローゼマリーはくすくすと笑う。


「トリス!非常識は君もだろ!?試験官のマルティナさんに、非常識コンビって言われたじゃん!」


あんまり触れてほしくない話題を出されたホルスは、顔を真っ赤にしてトリスも巻き込む。


「いやいや。俺1人ならそんな大した成果じゃなかったよ。ホルスがミスリルを粉砕したからこその、非常識コンビじゃないのか?」


「ミスリルを半壊させるのも普通じゃないよね!?」


何時もの漫才を見せられたローゼマリーは、思わず笑ってしまう。そのローゼマリーの後でも、マルセルが笑いをこらえて肩を震わせている。


「相変わらず仲がよろしいんですね。」


「「えぇ、まぁ。」」


ストレートな言い方に少し照れつつ、ユニゾンで答える2人。トリスはこうやってバカできる関係は好きだし、ホルスは人生において遠慮無しにものを言える関係はトリスが初めてであるので、ある意味お似合いの2人である。


「おっと、門に結果が貼り出されるみたいだな。」


トリスが門の方を見て、そう呟く。その言葉に、自然とホルスとローゼマリーも門の方を見る。

貼り出されて十数秒で、その場は阿鼻叫喚の地獄となった。喜びを爆発させる者、泣き喚く者。中にはその場で告白を行う者まで居た。


「うわぁ…。」


「こ、これは酷いね…。」


「まさかここまでとは思いませんでした…。」


「…。」


カオスな光景に言葉も無い3人と、温かい目で見守るマルセル。


-どうせマルセルは、『これぞ青春!』とか思ってるんだろうな…。-


この世界では、職に就けない=死と言っても過言ではないほど厳しいのが現状だ。良い職に就には、高い学歴が必要であり、ちょっと挫折したからといって引きこもっていれば、特に平民の場合は親は先に死に貯蓄や収入源が失くなり、国からの援助など無いので最悪野垂れ死にである。

そのためこの合否発表は、人によっては人生を180度変える事もあるため皆感情的になっているのだ。

十数分後、漸く門の辺りも落ち着いてきたので、トリス達は貼り出された結果に目を通す。トリスとホルスは連番であるので、探してみると2人とも見つからない事にすぐに気が付いた。


「え?無い?」


ホルスが顔を青ざめさせる。落ちたとなれば、レンバッハ家の次期当主として一生の恥であり、家の名前にも泥を塗る事となるためだ。

しかし一方トリスは『驚かせるなよ』と、この悪意ある配置に悪態をつく。


「お〜い、ホルス。一番左上を見てみ?」


「…え?左上?…あ!」


呆然としているホルスに声をかけて、意識を取り戻させる。

トリスの言った左上を見ると、首席から10位までの番号が掲載されていて、首席がホルスで次席にトリスの番号があった。


「流石はホルスだな!」


「よ、良かった〜!」


2人が喜んでいると、ローゼマリーも番号を見つけたようで嬉しそうにしている。


「お2人とも、左上を見たということは成績上位者なんですね。実は私も上位者の中にありまして、3番目でした。」


「おぉ!」


「え!?そうなの?僕が1番で、トリスが2番なんだよ!」


3人で喜んで居たが、段々とトリスの表情が消えていく。


「ん?どうしたの?」


それに気が付いたホルスが心配そうに聞いてきたので、トリスは無言である一点を指さす。

トリスの指さした方向には、上位者の番号の隣にある得点があるのだが、そのうち上位2名がおかしかった。具体的には、普通は『筆記:83/100 武術:90/100 魔法:95/100』というようにあるのだが、ホルスは『筆記:100/100 武術:300/100 魔法:規格外!』、トリスは『筆記:97/100 武術200/100 魔法:規格外』とあったのだ。

これには流石にホルスも言葉を失う。ローゼマリーもどんな表情をすればいいのかと戸惑い、結果的に微妙な顔をしている。

十数秒後、トリスとホルスは顔を見合わせて頷くき、息を大きく吸い込む。


「「すぅ!誰が規格外だ!責任者出て来い!」」


悲鳴のような2人の叫びは、虚しくも森にこだまするだけであった。

日本でも、試験問題の間違いとか訂正したりすると得点が100点以上になったりするんですかね(そんな訳無い)。

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