静岡チョーチューのキム・ガンフン part3
「チョーセンが・・・・・・舐めやがって!」
ダッ!
大石が、先制攻撃とばかりにキムに組み付こう勢いよく迫った。
(デカかろうが、転ばしちまえば終わりだ!)
ガッ!
キムは、組み付こうとダッシュで近づいた大石の両耳を、両手で勢いよく掴んだ。
「!!」
一瞬怯む大石だったが、構わず投げ飛ばそうとキムの両腕を掴んだ。
メリィ・・・・・・!
「アギャァ!」
大石の耳辺りから、何かが割ける音が聞こえたかと思うと、大石は、両耳を慌てて抑え、キムから逃げるように離れた。
「お、おい!あれ!!」
周囲で観戦していた学生の1人が大石則政を指さしながら声をあげた。
ツゥー・・・・・・。
大石の両耳を包んでる両手の指の間から、血が流れ落ちてきていた。
ポタポタ・・・・・・。
指の間から流れ落ちた血が、地面へと次々と落ちていく。
「キャー!!」
その血を見た女子生徒が悲鳴をあげた。
スタスタ。
両手で両耳を抑えながら腰をかがめていた大石に近づくキム。
「!!」
それに気づいた大石は、慌てて背後にいたキムに振り返る。
ガシッ!
両耳を抑えていた大石の両手の手首をガッシリと握るキム。
「うっ!」
大石は、掴まれた両手を振りほどこうとするが、キムの想像以上の腕力に振りほどけない。
「テメーはな───」
ゴンッ!!
中島中学の正門前周辺にいた生徒たちは、その鈍く重い音にそれぞれ三種三様な顔で反応した。
ある女子生徒は、両手で顔を覆い顔を逸らした。
ある男子生徒は、苦虫をかみつぶしたような顔でその音の発信源を見た。
ある教師は、両手を頭の上に置いて口をあんぐりと開けていた。
キムのパッチギを己の鼻で受け止めた大石は、そのまま意識を失った。
意識を失った大石の鼻は、くの字にヘシ曲がり、大量の鼻血を吹き出して鼻周辺は血まみれであった。
ポスッ。
意識を失っていた大石は、両手首を掴まれたまま、キムの胸元に顔を埋め、そのままズルズル下へとさがっていった。
キムの学ランには、大石の鼻血がベッタリとついていた。
ドサッ。
意識のない大石は、両膝を地面につけ、顔はガクッと下を向いた状態で動かなくなっていた。
パッ。
キムは、その状態の大石を見ながら、この男の両手首を離した。
「きゅ、救急車だ!はやく!」
教師の1人、英語教師の小長谷が叫んだ。
「大石くん!大丈夫か!?」
大石に駆け足で駆け寄った小長谷は、大石に生きてるか大声で呼びかけた。
「うぅ・・・・・・」
「おお!生きてたか!」
大石は、両膝立ちのまま意識を回復。
英語教師・小長谷も安堵した。
「朝鮮学校の君!教師として、他校との喧嘩をみすみす見過ごすわけにはいかん!ちょっと来て───」
「小長谷先生。あの人なら、自転車で帰っていきましたよ」
「え・・・・・・」
英語教師・小長谷が急いで辺りを見回す。
女子生徒の言う通り、既に朝鮮学校の生徒は、自転車かどうかは見てないので分からないが、この場から確かに消えていた。




