ハマの地獄族vs神奈川チョーコー part10
タイマン勝負。
戦闘において優勢だった神奈川チョーコーの攻撃を止めさせたサイ・ガンチョルが、地獄族総長に提案したこの決闘方法。
何故、突然集団戦からタイマン勝負という個人戦に移行させたのか?
それは、サイ・ガンチョルが、神奈川チョーコーと地獄族の抗争をこの戦いで終わらせたかったのが一番大きい。
サイ・ガンチョルたちは、アウトロー故に暴走族のメンタリティもよく理解しており、集団戦で圧倒し勝利したとしても、後に「チョンコーは、集団戦でしか勝てない。タイマンなら勝っていた」と開き直るのは目に見えていたからだ。
それが、社会というレールから外れ・外された「負け犬」暴走族たちの情けない思考回路であり、メンタリティなのだ。
だからこそ、地獄族がぐうの音もでない勝ち方をする必要が今回、神奈川チョーコー側にはあったのである。
話を戻す・・・・・・。
「俺が行きますよ」
そう発言した男が、サイ・ガンチョルの前にやってきた。
その男は、身長160cmぐらいの小柄だが、高校時代、柔道地方大会で60kg級3位に入賞した実績を持つ、隅田早紀人という名の年齢にして20歳。
地獄族の特攻隊長であった。
「このままチョンコーに好き勝手させられねえでしょ」
そう言うと、隅田は、山根の前に立ちながら神奈川チョーコー勢を見渡した。
サイ・ガンチョルは、隅田の身体を下から上へと舐め回すように観察すると、後ろを振り返り、首をカクンと下に動かした。
「合図だ」
キム・ヨンジンが、サイ・ガンチョルを見ながら言った。
「本当に大丈夫か?」
キム・ヨンジンが、後ろに待機していた男にそう尋ねる。
「押忍。まかしてください」
キムにそう尋ねられた男は、静かにそう返答すると、小走りで前方へ駆けだした。
タッタッタ。
三ツ矢貞利が、地獄族特攻隊長・隅田早紀人の前にやってきた。




