神奈川チョーコーのサイと士官・桜井 その4
サイと桜井が握手をしてから数日後の日曜。
横浜駅周辺を、サイと桜井。
チョーコー生と士官生。
2人の男が並んで肩で風を切りながら歩いていた。
ササッ。
学生たちだけでなく大人も、この2人を避けるようにすれ違っていく。
「お、おい・・・・・・あれ見ろ」
「え、なんだよ。マブい女でも・・・・・・って!チョン高のエンタープライズじゃん!」
「それだけじゃねえって!その隣!隣!」
「・・・・・・士官生じゃねえか!?」
「だろ!?俺も目を疑ったわ。何でチョン高のアイツと一緒にいるんだ・・・・・・」
「チョン高と国士館って犬猿の仲だよなぁ・・・・・・」
「異様な光景だわ・・・・・・」
サイと桜井とは反対側の歩道にいた、日大藤沢高校・通称日藤生の不良学生2人組。
柴田と近藤。
おっかなびっくり会話しながら2人が歩く背中を目で追っていた。
犬猿の仲。
血で血を洗う抗争を繰り広げている両校。
朝鮮高校と国士館。
その2校の凄さ、武勇伝は、もちろん神奈川中にも轟いていた。
だからこそ、その2校の生徒が、横浜で仲良く?並んで歩いてる姿は、ハマの不良学生たちにとって信じがたい。
恐怖が入り混じった、あまりにも不可思議な光景であった・・・・・・。
(やっぱ、みんな避けてくな~)
士官生・桜井は、サイと歩きながら、すれ違う人間ほぼ全員が自分たち2人を避けていく姿に感心と同時に悦に入っていた。
もちろん、同級生の士官生たちといる時も、都内の不良学生が自分たちを見つけると、逃げるようにその場から消えていったものだが、今回は事情があまりにも違う。
何て言っても、ハマで恐怖の集団と恐れられてる神奈川のチョーコー。
それもハマのエンタープライズと恐れられてるチョーコーの番が隣にいるのだ。
2mの身長も相まって、その男の圧力は、隣にいながら桜井はビシビシと感じていた。
横浜市野毛町周辺 夜
喫茶店やゲーセンで時間をつぶしていたサイと桜井は、その足で横浜の歓楽街である野毛エリアまでやってきていた。
当然、チョーコと士官のタッグ。
喫茶店やゲーセンでも、その場にいた不良学生たちは、蜘蛛の子散らす様に消えていった。
「お、ここだここだ」
野毛町の歓楽街を悠々と歩いていたサイは、目的の居酒屋を見つけて独り言をつぶやいた。




