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*詩集*  作者: れむ
105/125

【詩】声

「誰も傷つけたくなんかなかったよ…」

膨大な歴史のなかから   泣き出した声

そっと耳を傾けてみるんだ


「仕方が…なかったんだ……」

しゃっくり交じりに綴る声は  まだまだあどけなくて

何に手を染めてしまったのかい?なんて問いただす気にはなれないよ

こうなってしまったのは、君のせいなんかじゃないはずだから

誰のせいかなんて問い詰めればきりがないほど繋がっているんだろう

ひとつだけあるとするならば   それは”欲望”という感情


僕は二度殺めた。

一度目に、この心を…

二度目に、人を。


大事なものを守りたかっただけなんだ

家族を…

友人を…

恋人を。

だけど、ひとつとして守り通してやることさえ出来なかった

ごめんな…  ごめんね…




誰も傷つけずにすむ世界で

わざわざ傷つけて  そこには君のほしい何があるの?


自由?

富?

優越感?


きっと、分かってはいるんだよね…

”何もあるはずない”ってことくらい


傷つけたくなんかない…  傷つけたくなんかない…

心の隅っこ  分かってても

優しさという逃げ場を知らない君は

誰かに  思いを突き立てる


なくなっちゃえばいいのに…  なくなっちゃえばいいのに…

まるで自分に言い聞かせるように

まるで自分に突きつけるように


醜い思いの逃がし方を知らないんだ

閉じ込めた思いの放ち方を知らないんだ



今日もどこかで目にする誰かの悪口

たまに泣いているように聞こえたりするんだ




「助けて…」って



悪口を吐き出すのはきっと、そこでしかわずかな息ができないから…

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