鼠駆除
難産でした……。
ああでもない、こうでもないと捏ねくり回した結果、最終的に取った判断は、大幅カット(/o\)
「フン~フフフン、フンフンフン~♪」
鼻歌を歌いながら帰路に着く。
あれから、今度は全員で屋敷に忍び込み、入念な下準備の下、仕掛けられたドッキリ大作戦は大成功。
だって連中、一つの部屋に隠りっきりで一切邪魔が入らなかったもの。下見はし放題、罠は仕掛け放題で、やりたい放題だったわー。予め通路を塞いでおけば逃走ルートも思いのまま。欲を言えば、もうちょい凝った仕掛けを施したかったけど、そこまでの時間的余裕は無かった。
でもま、大事なのは結果だ。住み着いた鼠ちゃん達を全員屋敷から追い出す事が今回の目的だからね。決して恨みを遺さぬよう安全面にも気を配った結果、怪我人無し、取り残し無し。まさにパーフェクト!
そんな結果を受けて上機嫌な俺とは裏腹に、その協力に駆り出されたルーとクリスは少々機嫌が悪かった。
「ウチの【闇獣】をあんニャ阿呆ニャ使い方するニャンて……!!」
「私の風もです~。確かにそよ風程度なら~無詠唱でも起こせますが~。だからってあんな無駄な使い方はあんまりです~」
ルーの使う闇魔術【闇獣】は、その名の示す通り、闇を凝縮し、具現化した獣を使役するといったものだが、俺達が出した注文は、本来凝縮させる闇を限りなく淡く薄く暈してくれ、というものだった。
それにより、大きさも通常の三倍近くに膨れ上がった、触れる事の出来ない、姿形も不安定な獣っぽい何か、というエキストラ要員を確保。
クリスにはソレの動きに合わせ風を送り込んでもらったので、実体があるように錯覚しただろう。
物理攻撃力は皆無なので鼠ちゃん(お客さん)に怪我をさせる恐れもない。
基本は【門外不出】で脱出を阻止しつつ、神出鬼没の化け猫をけしかけて、恐怖体験をしてもらおうとの魂胆だ。それだけではワンパターンで飽きられるかなと思い、様々な趣向をご用意しました。一例として、【鏡花水月】で壁やら天井やらに無数の猫の影が動く様を映し出すという視覚的アプローチを試みたところ、あちこちから悲鳴が上がり、なかなか好評だった。
執務室に待機させたティアと唯には、伝声管を使って猫の鳴き真似をアテレコしてもらい、また、通路には伝声管が無いので闇に紛れたルーにも協力をお願いし、聴覚に対する演出も行った。
後はオカルト基礎編としてこれは外せないと、【一触即発】や【自由自在】でラップ音やポルターガイストを再現。更に金縛りも擬似体験してもらおうと、設置型トラップ【直立不動】を、「化け猫が暴れ回った痕跡」のように見えるよう前もって準備していた残骸に紛れてこっそり設置。屋敷内を闊歩、或いは好きな位置に出現させたエキストラさんに誘導してもらい、所定の位置にご招待、という流れだった。
他にも唯のアイデアで【茫然自失】や【面壁九年】を設置。何もない所で、または壁に向かってただ立ち尽くす姿というのは、一種異様で不気味な雰囲気を醸し出し、見てる側のSAN値をガリガリ削ってくれる。俺も裏方として働くかたわらチラッと見たけど、うん、あれは気味悪かった。
設置型は踏んで貰えないと発動しないから運任せ要素が強かったんだけど、何故か片っ端から引っ掛かる奴がいた。まさか一人で全種類コンプリートする猛者が居るとは思いもしなかった。冗談半分で一式だけ組んでみた【五体投地】を起点とした「ピタゴラトラップ」に完璧な形で引っ掛かってくれた時には「奴は笑いの神に愛されてる!」と確信したね。
散々仕掛けで翻弄した後は、護衛陣による強制おねんねの時間。決して姿を見せぬよう、出来れば一人狩る毎に猫の鳴き真似を入れて欲しいとお願いし、一人ずつじわじわ狩ってもらった。
……すごく耳が幸福な時間だった。
気絶した連中は、【自由自在】で玄関まで運んでポイっ。目が覚めた順から一目散に逃げていった。その様子を【天網恢々】で確認し、侵入及び逃走経路を把握。これは後ほど報告の必要があると判断し、実際に足を運んで確認した。
唯の偏った知識と俺の風変わり魔術。そこに皆の協力が合わさり、手の込んだ悪戯と相成った。
これだけの目に遭えば、もうここへは来なくなるだろう。
問題は依頼主にどこまで話したものか?悪い噂を上書きする勢いでネタを突っ込んだからな。正直に話せば風評被害で訴えられるかもしれん。
……でも仕方なかったんや。どっかにオカルト要素組み込まんと、本気でアンデット退治の依頼を取ってきかねん連中がおったんや。それを回避する為には、ワイは鬼にも悪魔にもなるで。
いえね?最初は丁寧に書き上げようと頑張ったんですよ?
でも書けば書くほど、くどくなっちゃって……
こうなりゃ、結果と最低限のアイデア群だけ出しちゃって、後は読者様の想像力でお好みに料理(脳内補完)してもらえ!となってしまった。
……はい、丸投げといいますね。ほんとスイマセンでした。m(__)m




