12/20
限界
暑い夏の日、学校に着いたばかりだった。
階段を上がり、教室へ向かう途中で、ふと、違和感が込み上げてきた。
言葉にできない感覚だった。
視界が、ゆっくりと緑に滲んでいく。
まっすぐ歩けない。
足元が、どこか遠く感じる。
何度も息を吸った。
それでも、うまく呼吸ができない。
苦しい。
その場にしゃがみ込んだ。
息はどんどん浅く、速くなっていく。
気づけば、過呼吸になっていた。
その頃から、悪夢を見るようになった。
眠るたび、同じ夢だった。
真っ暗な場所で、父といる。
けれど、少しずつ離れていく。
「待って、置いていかないで」
そう叫んでも、届かない。
最後には、必ず一人になる。
目が覚めると、涙が止まらなかった。
朝から、声をあげて泣いていることもあった。
それが何度も続いて、
私は、だんだん眠れなくなっていった。
きっと限界を迎えていたんだと思う。
少しでいいから楽になりたい。
どうしたらこの罪悪感は消える?
次第に生きている事が怖くなっていった。




