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うーん、しかし。
やっぱり四歳の子供と犬と馬だけじゃ、ちゃんと旅するのはむずかしいなぁ。
姫さんは一人で馬に乗り降りできないし、「おうましゃん」て名前になった馬も、腹帯を緩めて休ませてやれないし。
ぺちゃんこになったお昼ご飯を食べ、午後を回った頃には、みんなすっかり疲れてしまった。
姫さんの今夜の寝る場所も探さなきゃ。
計画を立てるのって、俺、苦手だよー。
着替えさせたり、歯を磨いたり、エマはいろんな支度をやってたよなぁ。
ああもう、人間ってなんてめんどくさい事をいっぱいするんだろう。
街道に戻ってもいいけれど、ジョンたちは勝ったのか、負けたのか。
先に進んだのか、引き返すのか。
ばったりぶつかっちゃったら振出しに戻っちゃうなぁ。
なんて、いろいろ考えてると。
俺の鼻が煙の臭いをとらえる。
焚き火?
火を使うのは、人間だけだ。
あの盗賊の仲間だろうか。
俺は「おうましゃん」と姫さんを茂みに待たせて、様子を見に近づいて行った。
・・・馬車だ。
古ぼけて壊れそうな馬車が、人目を避けるように窪地に止まっている。
煙が出ないように良く枯れた枝を上手に組んだ、旅慣れた奴が作る焚き火。
その傍にしゃがみ込んで、頭を垂れている老人。
一体、何だ?




