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ちょっと考えが甘かったなぁ。
姫さんを乗せて林の中を行くのは、城の中でお馬さんごっこをするようにはいかなかった。
まず足場が悪い。おれの背中がグラグラ揺れるから、姫さんはうまくつかまっていられない。
だから、ゆっくり歩かなきゃいけない。
俺は荷物を咥えてるんで、口で息が出来ない。
疲れて暑くても、はあはあ喘げないのは、けっこうきつい。
今の俺の魔力では、『筋力強化』をしちまうと、『隠形』や『異次元収納』に回す魔力がなくなっちまう。
まったく、この小さな身体じゃ、何もできやしない。
可哀相なエマも助けられなかったしなあ。
苦労しながら歩いていると、後ろの茂みがガサガサ揺れた。
敵か!
と、おもったら、あれ?
ジョンたちの仲間だった、馬じゃないか。
ジョンの大きな軍馬じゃなくて、子持ちの兵士が乗ってた方。
盗賊の襲撃で乗り手と離れて、迷っちゃったらしい。
姫さんの匂いを覚えていたらしく、嬉しそうに寄って来た。
鞍はついたまま。尻のあたりに浅い傷があるから、驚いて走り出しちゃったんだな。
軽く心をつなげてみると、寂しいから一緒に居たいっていう。
ま、馬って、仲間と一緒にいるのが好きだからね。
鞍袋に荷物を押し込んで、でっかい石の所に行って、姫さんが鞍によじ登った。
凄く高いし鐙も使えないけど、両手で鞍につかまっててね。姫さん。
俺が馬と心を繋いでるから、こいつは暴れたりしないから。
「ははうえのとこへ、行くの?」
うん。戻ろう。
母上の所へ。
ゴラン・パトリスと兵士たちなんか、俺がやっつけてやるからさ。
また母上と、一緒になろうよ。




