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護衛の隊長は若い騎士ジョン・ラモント。
その副官の大男と、部下が八名。斥候が二名。
相手は女性と子供なので、周囲を警戒していても、捕虜への対応は穏やかだ。
帝国への道のりは、父上の城から砦を三つ過ぎて、国境の無人の砂漠地帯を越えなければならない。
要所は帝国兵が押さえ、道は整備されているけど、いつローランディアが巻き返して来るかもしれないし、ゲリラに襲われる危険もある。
気が急いて先を急ぎたいラモントは、母上の体調を気遣う気持ちとの板挟み。
寂れた旅篭町、無人の農家、焼け残った納屋。
強行軍の軍隊なら一気に駆け抜ける道を、三日かけて馬車は進む。
ラモントはどこからか山羊のミルクを手に入れて来たり、侍女のティサに近づいたりして、なんとかジュエルを懐かせようと懸命。納屋のネズミまで捕まえて来たけど、ジュエルにそっぽを向かれてがっかりしてた。
鶏のささみと上等のクリームが好きなんだよ、ジュエルは。俺も好きだけど。ごっくん。
母上を心配してか、姫さんはいつになくおとなしい。
俺は何とか馬車の揺れを抑えようと、魔力を使い過ぎでぐったり。
みんなで頑張って来たのだけれど、四日目。
母上の具合が悪くなった。




