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「あ、それじゃ私も、そのダンスクにいく人たちに、雇ってもらえないかなぁ」
乗合馬車の代金が浮くわ、と、ジャニーンが喜ぶ。
「いいなぁ、それ。
帰り道も君と一緒に戻れるかもしれない」
ジャンも喜んで、調べてみようと言い出した。
「ギルド証も紹介状もないのに雇ってもらえるの?」
マリアンが尋ねる。
「その辺は売り込み次第ね。
今は若い子たちが戦争にとられてるから、どこも人手は不足してるの。
まかないの下働きとか、荷物の配達人とか」
「生活魔法の使い手なんかは賃金もいいよ。
火や水は調理に、土はキャンプに、重宝されるんだ」
魔法の話が出てきて、マリアンはちょっとためらったけど。
「・・・私・・・火の魔法なら使えるわ」
ジャニーンが自分から打ち明けた。
「そりゃいいや。一緒に商隊に頼みに行こう。
帰りも一緒になれるんだったら、これはもう、偶然なんかじゃない、君と僕の運命だ」
なんか、ヨルカと正反対みたいな人だなぁ。
でも、そうか。
テクシアに行くのだって、乗合馬車なんか使わずに、働きながら行ってもいいんだわ。
秋の収穫際に間に合えば、くらいの、おおざっぱな予定の旅なのだ。
「キャンプで土魔法がいるの?」
「トイレを作るのよ」
「あ、そうか」




