35話 博く麗しい猫妖怪
健太と再会してから二ヶ月が経った
20年も時が開いていたせいかうれしくてたまらなかった、会えないと分かっていても心の奥底では「また会いたい」と願っていたのだから
だが会ったものの、衝撃的だったのが子供がいたことだ
まさかあんな無邪気だった健太に子供がいるのなんて思いもしなかった
人間だとあの年で子供がいるのは普通だ
でも私は人間ではないせいか体が成長したりせず老化もしない
一人で暮らしていると「時」が繰り返しているように感じるのだ
周りの木々や動物たちの変化はあるものの、時間が流れているというよりも繰り返しているような感じがする
そして私はお茶に浮かんでる細かく千切れたお茶っ葉を見つめた
そろそろ引きこもり生活はやめようかね
流石に20年経ったら指名手配なんてなくなってるだろうし
健太の村にでもお世話になろうかな
健太達家族の邪魔をしない程度に家を借りてゆっくり農業しながら暮らすのもいいかもしれない
あ、でもしばらくはいられないか、老けないから怪しまれるなぁ…
まぁでも今は大丈夫だからとりあえず引っ越してみるかー
そそくさと私は荷物をまとめ、家の中を空っぽにして家の外に出た
この木の家にもしばらくお世話になったね
「今までお世話になりました、お疲れ様です」
そう告げると私は木の枝にちょこんと座っている妖精さんに話しかけた
顔に「?」が浮かんでいるのは私が荷物をたくさんもっているからだろう
「妖精さん、しばらくここから離れることになったの」
すると妖精さんは少し悲しそうな顔をした
「大丈夫だよ、またいつか戻ってくるから」
「~♪」
「じゃしばらく会えないけど元気でね!」
妖精さんは木の枝から降り、私の肩に乗った
「ん?一緒に行きたいの?」
妖精さんはコクンと頷き、にっこりと笑った
「それじゃ一緒に行こっか♪」
「~♪」
そして私たちは健太達がいる村へと向かった
いざ村につくとこの前見た門番さんが眠たそうにコクコクとしていた
「あの、入れさせてもらってもいいですか?」
「へ!?あぁはい!って白花様!?」
「そ、そうですけど...?」
「無礼失礼いたしました!どうぞお入りください!」
「は、はぁ...」
どうしたんだろ、なんで私にこんな偉い人にする対応してんだろ
私は顔に「?」を浮かべながら村へと入った
歩いていると、すれ違う人の反応がものすごかった
みんな「白花様よ!」や「博麗様のお帰りだ!」などと騒いでいる
てか、博麗様って誰よ
すると人だかりの中から村長さんが出てきた
「博麗様!お帰りくださいましたか、どうぞこちらへ」
「へ?あの、博麗様って私のことですか?」
「ええ、もちろんそうですよこの村の守り神、白花乃尊大明神様」
「ま、守り神!?」
「おや、知りませんでしたかこの村の霊術師の占いによると貴女様は白花乃尊大明神様だと判明しました、今迄のご無礼失礼いたしました」
「い、いやそんなことないですよ??」
「それと博麗様の為に神社をお造りいたしました、こちらです」
「は、はぁ」
するとそこには長い石の階段があった
大勢の人々を引き連れながら階段を上ったなんだか神様にでもなった気分だ。ってあれ、神様になっちゃったんだっけ?
「こちらが博麗神社です」
「うわぁ…」
するとそこには博麗神社と書かれた真っ赤な大きな鳥居があり、奥にはあまり大きくはないものの立派な神社があった
「お気に召されましたか?」
「とても立派な神社ですね…本当に私がここの神でもいいのですか?」
「ええ、この地を守っていただける方は博麗様しか居りませぬ」
「でも、私に特別な力なんてありませんよ?」
「いいえ、博麗様には立派なお力がありますよ、それはこの村の人々の厚い信仰でございます」
「信仰…ですか」
本当にここの神になるのならここの人々に希望に答えられるようしなくちゃね
上手くやっていけるか分からないけどここの人々が私を必要としてくれているのだから頑張ろう
「それとここの巫女と神主を紹介しましょう、」
すると巫女姿の少女と、神主の姿をした…って健太!?
私がびっくりしておどおどしていると少女が自己紹介を始めた
「博麗様、私はこの博麗神社の巫女、博麗夏音と申します」
「私はこの博麗神社の神主、博麗健太と申します」
「あ、よ、よろしくお願いします」
「では、博麗様、これから祭りを始めましょう荷物をこちらに」
私は荷物を渡し、神社の中に入った
そして私はまず気になったことを聞いた
「村長さん、なぜ博麗なのですか?」
「簡単ですよ、博麗様は心が博く麗しい方だからです」
「そう、ですかね」
「そうですとも」
「さぁ間もなく祭りの準備が終わります、どうぞお楽しみください」
軽い気持ちで来たら大変なことになっちゃったな…
更新が不定期ですがよろしくお願いします




