33話 人助け
場所は地図を書いてもらった
その里の人の情報によると、どうやら力の強い妖怪が連れ去ったようなので子供達の居場所はどうやら住処みたいだ
その住処は山の麓にある大きな洞窟らしい
早く助けに行かなければ
遅れたら子供達の命が危ない
目印は入口に大きな亀裂の入った岩があるらしい
里の周りをうろうろとしてるとそれらしきものを見つけた
あきらかに雰囲気が違った
長時間居たら気がおかしくなりそうだ
よし、意を決めて突入しよう
入口付近はかなり暗かった
足元が多少見えるぐらいだ
水がしたたり落ちてたりと気持ち悪い場所だ
奥に進むと明かりが見えてきた
妖火みたいだ
そして子供達の笑い声が聞こえてきた
え?笑い声?
なんで!?
近寄ってみてみるとヒゲをもじゃもじゃに生やした足が亀の妖怪が子供達と楽しそうに話していた
と、とりあえず話を聞いてみよう
「あ、あの里から来たものですが」
「おや、なんや?人間か!あんたも一緒に話さないか?」
「は、はぁというか何やってんですか?」
「何って子供達と楽しく話してるで」
「というかその子供達里の子ですよね!?」
子供達はぽかーんとした顔で私を見つめていた
そしてその瞬間私は
「わー髪の白いお姉ちゃんだー!」
「綺麗だー!」
「おねーたんだれー?」
子供達に囲まれた
「君達なんでこんなとこにいるの!?」
「えー?このおじさんが遊んでくれるっていうからきたんだー」
「おもしろいよー!」
「おねーたんもいっしょにあそぼー」
「あの、貴方ですか?この子達を連れ去ったのって」
「人聞きの悪い、わいは遊びにさそったんやでー」
「はぁ!?」
割と素で声が出てしまった
なんだこの妖怪
「最近、一人で寂しくてな、人肌が恋しくなったんや」
「貴方妖怪ですよね?」
「人間好きな妖怪おっても別にええんちゃう?」
「ま、まぁそうですけど、ていうか、この子達返してください!」
「なんでや?」
「そりゃこの子達の親が心配してるし、この子達もここにいる訳にはいかないですよ!」
「あんたら、かーちゃんにあいてーか?」
「ぼくはもうすぐ家に帰りたいなぁ」
「わたしもずっとここにいるのやーよー」
「ねむいー」
「ほんまかーそんじゃしょうがありまへんな、こいつら返すで」
「はぁ良かったです、もう勝手に連れていってはいけませんよ?」
「わかっておるけど、わい、さびしんや」
そうだよなぁ、一人は寂しいのはわかる
私が一人暮らしできたのも妖精さんがいたからだしなー
「なら時々私がきますよ」
「ほんまか!?あんたみたいなべっぴんさんが来てくれるならわい、うれしいで」
「でも頻繁にはこれませんよ?」
「かまわへんでー」
「分かりました、それじゃ君達、もうお家に帰るよ?お姉ちゃんと一緒に帰ろ」
『うん!』
その頃里では
「うちの子どこへいってしまったの...」
「大丈夫だ、隣の里から頼もしい霊力者が来てくれてるらしい。もうじき連れて帰ってくれるだろう」
「ほんと!?早く帰ってきて欲しいわ...私と健の大事な子だもの」
「そのお方はさぞ勇ましい方なのだろうな」
「あ、村長さんよ」
「話は聞いたか、わしも全ては聞いていないんだが全員助かるか分からないん。なんたって相手はこのあたりの強力な妖怪だ」
「そのお方に任せるしかないわけですね」
「そうじゃ、わしらは祈っていよう」
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「もうすぐお家だよー」
私の周りにはぞろぞろと子供達がついてきてある
それにしても子供好きな妖怪なんて初めて見た
まぁそういう私も妖怪なのだけれど
もう暗くなっている
子供達から目を離せられない
「ほらー君、ちゃんと前見て」
「あ、スカート引っ張らないでー」
子供は可愛いけど多いと大変だね...
里の光が見えてきた
入口には大勢の人達が松明を持って待っている
すると歓声が聞こえてきた
「帰ってきたぞー!」
「人数は!」
「確かめる!」
「ぼうやー!!」
「あの方か!霊力者は!」
「女神様だ!」
「あの少女が!?」
みんな子供が帰ってきてとても嬉しいのだろう、泣きじゃくってる人もいる
私も釣られて泣いてしまいそうだ
そして大勢の人達の前にいた村長らしき人に言った
「子供達15人。全員無事保護しました!」
「ありがとうございます!貴女はなんと勇ましいお方で!」
そして親御さんと思われる人達がそれぞれの子供の名前を叫びながら子供に抱きついていった
「何より全員無事で良かったです、これこらは連れ去られることはないでしょう」
「本当に感謝しております!もう感謝しきれないぐらい」
子供を抱えた親御さんたちが私の前に来た
「ありがとうございます!なんて麗しいお方なんだ!」
「うちの子を...ありがとうございます、ぐすっ」
「女神様、感謝しています!」
あー大騒ぎになっちゃったか
もう私は帰るか
「それじゃ、私はもう帰りますので」
「もう少しいたらどうでしょう」
「あまり長居するのは好きでないんでね」
すると子供を抱えた夫婦が近寄ってきた
あれ、この男の人、昔見た覚えが
もしかして
「健太!?」
「白花!?」
そう、大人になって随分と変わったが
まぎれもなく健太だった
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