0003 キマイラと逃亡
そのまま浮遊魔法で山林に着いたジュナとロクは、ゆっくりとロクは風を最小限にし、地面へと着地して、ジュナを下ろした。
「何やってんだお前。」
もうロクはお前呼びである。
「す、すすすすいません!このようなことになるとは!なんていうのですか?」
「何がだ。」
「あ、はい・・・。」
もしかしたら。
「あー、私を憲兵に突き出す気ですね!悪いんだから!」
「・・・何で分かった?」
「ハスの読心術です。」
「・・・後14種類の花にはどんな効能があるんだ?」
「一つづつ教えていたらキリないですね。というか内密にと言ったでしょう?」
わさわさ咲いている何か植物なのか動物なのか分からない花のようなものがこの女の周囲に膨大な魔力を与え、蠢いていて、綺麗というか気持ち悪さを感じたロクであった。
「それは魔法なのか?」
「よくぞ聞いてくれました・・・って内密にと言ったじゃないですか!?・・・。」
「ハスに読心術を頼るのはやめてくれ・・・。」
「ハスさんに聞いたら、心の奥までそう言ってますけど。」
「ハスさん?」
ロクはそう言いながら、移動を開始した。なので、ジュナをお嬢様抱っこした。
「植物魔法にも移動手段ありますよ?」
「お前は黙ってろ。」
ロクは木々の間をかけていったら、木の幹を支点にして木々の間をジャンプした。それを繰り返す。
「す、すごい。」
「つかまってろ。」
ハンナ国のスーリアの街の外壁を飛び越え、上に着地した。
朝日がよく見えた。
「お前の店はどこだ?」
「あっちです。」
街で爆発が起きた。
ロクはジュナを抱えて屋根をひた走ると、街で暴れている動物を屋根から観察した。
「あれはキマイラだな。」
「キマイラ?」
「合成獣だ、あいつらが送り込んできたバケモノだよ。」
ロクはキマイラの前でジュナを下ろすと、ジュナに言った。
「お前はとにかく隠れていろ。」
ジュナが言ってしまうと、ロクは指を口に含んで、笛のように鳴らした。
キマイラの注意がロクにロックされた。
キマイラの背中から大量の血が巻き起こる。
数刻時が止まると同時に、キマイラの咆哮が当たりを振動させる。
「えらいぞ。」
ジュナにはそう少し聞こえた。
とん、とん、とキマイラの背に乗ると、剣を血飛沫とともに抜いたロクがそう言った気がした。
ロクは道路に着地すると、キマイラの腕を切った。
キマイラは三本足になってすごい勢いで標的を殺そうと牙をむく。
ロクが道路を支点にキマイラが来た時点で半回転した。剣は振り向いている。
360度横に振り向いた剣捌きはキマイラの鼻を引き裂いた。
「すまないが、眠ってもらうぞ。」
ロクはジャンプすると、キマイラの両目を切り裂いて、最後にまだ突進しているキマイラの下を潜って、心臓に腹から刺した。
キマイラが沈む前に、剣を抜くと同時にキマイラの腹の下から脱出した。
剣の血を慣れた手つきで払うと、ジュナの所に歩いて戻った。
「・・・帰るの?」
「もう君を売る気はないよ。」
ロクは少々笑った。
「じゃあ、逃げよう。」
ジュナは言った。
「二人で逃げよう、私はジュナ・クロバナ。よろしく。」




