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その7

お久しぶりです。

下品注意変態注意です。気持ち悪さは平常運転です。本当にごめんなさい。


 ワーカーホリック気味の太陽が燦々と照り付ける中、プールに遊びに来た藤峰ふじみねさくらです。


 あの衝撃的(?)なデートは、まあ取り敢えず無事に終わりました。……神永かみなが蕾和らいかの婚約者……候補? と名乗った美人さんとは、あれから会ってない。これが俗に言う出オチキャラか! とか思ったり。…違うか。


 デートから数日で夏休みに入った訳だが、毎日神永蕾和が我が家に迎えに来る。名目は夏休みの宿題を一緒にやる事。実際にやってる。

 私は、夏休みの宿題は最終日まで溜めて泣きを見るタイプだから、両親は非常に喜んでいた。学習能力なくてすいません。でもね、割とこちとら貞操の危機が迫りまくってるから嬉々として送り出すのは止めてください。ふつつかな娘ですがどうかよろしく……、って嫁に行く訳じゃねえからッ!! 止めてええぇぇぇぇっ!!


 ……まあ、こんな感じで毎日わいわいやっていた。たまに強引な母により私の部屋に神永蕾和を招く羽目になったが、りっちょん達も一緒なのでまあ承諾。……片付け、大変でした。主に本棚がね、ぐふっ……。

 さて、本題だけど、毎日勉強していたお陰で宿題は殆ど片付いた。まだ七月なのに凄い。でも私の頭は破裂寸前。ストレスもマッハです。

 で、息抜きと言う事で、プールに遊びに来ました。このプールってのが問題なんだが、とても楽しみなのには間違いない。

 ……このプールさ、市民プールに行った事がない神永蕾和に、市民プールの混み具合を説明して空いてるとこないかなあ、と漏らしたのがまずかった。それを聞いた神永蕾和が、庭に造ったのだ。プールを。しかも屋内温水で、流れるプールもウォータースライダーもその他もある。


 ……やりすぎだよね! なあにが「桜のために造ってみたよ」だ! 照れるとこじゃないから! 庶民と感覚違いすぎて喜べねーからッ! 寧ろドン引きだわ!! どこに三日でプール造る奴がいるよ! 金持ちなんてっ、金持ちなんてぇぇぇぇ……っ!!


 何だか悩むのもバカらしくなったので、結局スルーです。アレは自分達は違う生物だと思う事にした。もうね、金持ちに憧れとか抱けないわ。だってさ、金持ち=質の悪い変態になるんでしょ(偏見)? そんなん絶対にやだ。なまじ権力と金があるだけに厄介な変態とか、救いがないもん。



 それで、私とりっちょんは水着を持ってなかったんだよね。スク水ならあるんだけど、流石にねえ。しかも急だったから買いにも行けず。なんと神永蕾和が貸してくれる事になった。何でも、神永蕾和が経営してるブランドの物だとか。なにそれこわい。

 何故かサイズがピッタリだったり、好みがドンピシャだったりと恐々としたが、りっちょんと楽しく選んだ。腹回りと大根足がとっても気になるオトシゴロ。出来るだけ隠せる物を選んだ。りっちょんはビキニだよ! スタイル良いから超似合うの。りっちょんはあはあウラヤマー。




 神永蕾和の義姉妹にはすでに会っている。見た目は理想の妹なロリ美少女には睨まれたが、清楚美人なお姉さんには、めっさ同情された。お姉さんは神永蕾和の凶行をご存知のようで、と言うか最近知ったらしく、憐憫の眼差しと励ましと応援が恐怖だった。つまり、神永蕾和のストーカー行為は私の想像の遥か上を行っているって事でしょ? 神永蕾和のハーレム要員だったあの人がああなるなんて……。

 今回のプール、お姉さんは兎も角妹さんは来るのかなって思っていた。でも、どうもお姉さんに止められたらしく来なくて……代わりに、あの人が来た。


「お久しぶりですわね。藤峰桜さん」


 そう、神永蕾和の婚約者の木崎きさき麗奈れいなさんである。彼女は神永蕾和のお父さんが決めた婚約者らしく、無下には出来ないとかで仕方なく招いた……とは、妻に浮気がバレた旦那の如く必死に弁解していた神永蕾和の談。

 因みに、木崎麗奈さんは年上らしい。正確な年齢は分からないが二十代前半らしいので、一応さん付け。


「まあ、随分可愛らしい格好ですのね。お似合いですわ」

「は、はあ……」


 えーっと、それは本音? お世辞? 嫌味? むう、分からん。

 私は薄い水色のパレオ付き水着で、りっちょんは大柄の花が描かれた白いビキニ。木崎麗奈さんは、黒の紐ビキニである。大胆!

 木崎麗奈さんはフランス人の血が混じってるとかで、日本人離れした白磁の美貌の持ち主だ。金茶の綺麗に巻かれた髪と色素の薄い茶色の瞳が美人度アップ。大人の色気を搭載しているし、スタイルも日本人離れしていて、まさにボンキュッボン。神永蕾和のハーレム要員も美少女揃いだったが、木崎麗奈さんは別格だ。あ、神永蕾和自身は別枠です。あれは人間離れしてる。


「藤峰桜さん。貴女、ライカ様の恋人ではありませんよね?」

「えっ。ち、違いますけど……」

「そうですか。それならばよろしいですわ」


 満足げに頷き、うっすら微笑んで木崎麗奈さんは更衣室を出ていった。私はその美しい後ろ姿をほうっと見惚れながら見送った。


「き、きれーな人だなあ……」

「ライバル視されてるのにそう言えるって、なかなかの大物ね……」


 りっちょんが呆れたように私を見て言った。いや、だってちょーふつくすぃ〜んだもん! 生きた精巧なビスクドールだよね。性格は分からないけど、まだ睨まれてないし嫌味も言われてない。少なくとも私は嫌味言われた自覚はありません。大人の余裕がある人だ。 あれなら、神永蕾和もメロメロになっちゃうんじゃないかなあ……。


(……ぬう)


 そう思うと、何故か胸がもやっと重くなった。


「桜、行こ」

「あ、うん」


 胸を押さえ首を傾げていると、りっちょんに促されたので後を追った。その頃にはもうそのもやもやについては忘れていた。




「桜っ……!」


 むぎゅっと抱き締められた。ぎゃああああああっ!! 素肌ではやめてええええっ!!


 更衣室を出ると、神永蕾和が牧野まきの陽太ようたと木崎麗奈さん、あと知らない美人三人といた。美人三人も気になるけど、彫刻みたいな均整の取れた美しい肢体に目を奪われつい見惚れた。私だって見てるだけなら美形大好きだもん。あの細いのに筋肉がみっちり詰まった上腕二頭筋素敵! 細マッチョふぅーっ!

 で、ついついうっとりしてたら、ばっちり目が合った。途端、無表情だった神永蕾和がパアッと輝く笑顔を浮かべ一直線に駆け寄ってきて、むぎゅっと。は、恥ずかしいぃ……っ!


「桜、桜かわいい。よく似合ってるぞ」

「あ、ああありがとうっ……。で、でもはな、離して……っ!」

「やだ。かわいい。見せたくない。誰にも」


 何故片言!? つーか背中撫でんな! そこ素肌だから! 背中の肉もたっぷりあるから! ぎゃああああああっ。

 空調もばっちりなのだが、密着しているからかじんわり汗掻いてきた。多分今の私は真っ赤だろう。産毛もない厚い胸板に押し付けられ……って、ななな、何か当たってる…!?

 あの、お腹の辺りに何か当たってるんだがどうすりゃいいの。え、何これ?


「ひい……、なな何か当たって……」

「ん……。桜への愛が形になっ」

「離れてくださーいっ!!」


 最初は分からなかったが、すぐに分かった。取り敢えず足の長さのあんまりな違いに絶望しつつ、思い切り突き飛ばし距離を取った。ねーわ、いくら美形でもそれはねーわ。

 さかさか下がってりっちょんの後ろに隠れ、神永蕾和を見る。どこをとは言わないが、うん。やっぱりね!


「ひいいい」

「神永蕾和、あんたマジキモいわ……。美形だからって赦されると思うんじゃないわよ!」

「……? 好きな女がそばにいたらこうなるのはフツーじゃないのか?」

「違うわッ! つーかあんたいつもその状態な訳!? 余計気持ち悪いわ!」


 あれだよね、一般庶民と金持ちってだけじゃないずれが、私達の間にはあるよね。何だろうね、感性が違うよね。ついてけないわー……。


「ライカ、それはお前だけだから。さも常識のように語らないでくれ……」


 外付け良心、牧野陽太が疲れたように呟いた。後ろからは美人さん達が……あれ、黒服のお兄さん達に連行されてった。


「ああ、あれは婚約者候補だよ。でも、桜ちゃんを貶したから退場になったんだ」

「へ?」


 私の目線の先を追った牧野陽太がそう説明した。どうやら婚約者候補は複数いるらしい。…へー。


「美人だし、あの人達の方がいいんじゃないの?」


 思いの外低く冷たい声が出た。ぬう、上手く感情のコントロールが出来ない。何でだ?

 じと目で睨んでいると、何故か泣きそうなような嬉しそうなような複雑な表情になった神永蕾和にギョッとした。


「俺は桜しか女として見れない。そんな事言わないでくれ……。嫉妬みたいで、ちょっと嬉しいけど」

「んなっ……! だっ、誰が嫉妬なんか……!」


 口をパクパクさせていると、神永蕾和が私の手を握った。りっちょんは、最近神永蕾和の味方なので然り気無く牧野陽太の隣に……。


「桜、泳ごうか」

「あ、う……、うん」


 こくりと頷くと、にっこり笑った神永蕾和に手を引かれ一緒に準備運動をしてから、プールに入った。因みに神永蕾和の方は見れない。だ、だって恥ずかしいんだもん。私だって乙女なんだよ! 例え肌色過多の薄い本が好物でも、純情乙女なんだよ!

 りっちょんの方を見ると、妙に生温い目と表情で手を振ってきた。牧野陽太は目を逸らし決してこっちを見ない。待って、ちょっと目ぇ合わせようよ。これが俗に言う背水の陣かッ! 味方がいないぜ! 序でにてーそーの危機だぜ! 流され過ぎだろ私!


「桜、流れるプールにする? それともウォータースライダー? あっちのは波が発生するよ」

「へ、へえ……」

「ライカ様、ご一緒させていただきますわね」

「浮き輪はいらないよな? 大丈夫、俺に掴まってればいい。俺が桜の浮き輪になるから。ずっと、ずっと離れず抱き締めて……な」

「あの、いや……」

「ライカ様、わたくし泳ぎは苦手ですの。抱いていてくださいね」

「桜、さあどれにする? ああ、風呂もあるがそれは最後に一緒に入ろう。体も冷えるだろうし汗も掻くだろうから、洗いっこしような」


 ………噛み合ってねぇぇぇええっっ!!

 おまいらマジ自由すぎ! 木崎麗奈さん、無視されても気にしないとかごーいんぐまいうぇいすぎ! つかそれ訊いてるんじゃなく決定事項なんだねっ。んで、神永蕾和! おまいはまず後ろから抱き締めんの止めろ! そんでなんか卑猥なんですがっ。もうツッコむのもやだよ! というか私達まだ付き合ってないからね!? ……まだって何だよ自分……っ!

 なんかもう疲れた。いちいちツッコむのもうやりたくない。つーかさっき何かフラグ立ったから誰か見てー。


 ぐったりした私は、流されるまま流れるプールを抱き抱えられて流された。流れてばっかの自分がちょい情けない。


「桜、気持ちいい?」

「……ああ、はい、うん。気持ちいいよ」

「良かった。俺も桜と同じく気持ちいいよ」

「……ウン」


 何でかな、神永蕾和の言葉がいちいちやらしく聴こえるのは、私の心が汚れているからかな。てーか耳元で話すのやめてください。絶対真っ赤だ……。

 今私は後ろからぽよぽよのお腹に腕を回されているのだが、その神永蕾和の肩には木崎麗奈さんがくっついている。ぬう、なんなんだこのスリーショット。どうせなら神永蕾和と木崎麗奈さんのツーショットを見た……、見た……く、ないな。寧ろイラッとする……? あれか、ストーカーが美人といちゃらぶしてんなって言う僻みか。心狭いなー私。


 まー、うん。なんだかんだ言っても、優越感みたいなものは感じてしまっている。中身は兎も角、見た目は極上な訳だしね。でも、それ以上に困惑とか戸惑いとかがある。最近は自分の中で折り合いをつけたからか嫌悪感は薄れた。つーか、超絶美女に迫られてる極上美男子が平凡女子にぞっこんって何か間違ってる。私は神永蕾和だけは二次元の存在だと確信している。……って、なんか前にも似たような事考えたよなー。


「桜、桜、一緒にウォータースライダー行こう?」


 言動がいちいちアレな神永蕾和に、どうやら私は毒されてきているらしい。


「……うん。行こ」


 ……それを嫌と思わないのは、神永蕾和のガンガン行こうぜ! に押されまくってるからかな?





 なあなあ、確かにウォータースライダー一緒に行こうとは言ったが、一緒にやろうとは言ってないぞ。

 何故か、私は神永蕾和の長い脚の間に座り抱え込まれている。いっそ清々しいほどに眼中にないらしく、木崎麗奈さんはこっちに登ってすら来なかった。私も、何だか話し掛ける雰囲気じゃなかったので、ちらちら見るだけ。


「……あの、別々に行かない?」

「いーや。さあ、行こうか」


 素肌が密着するのは異常に恥ずかしいんだよ。首から上どころか全身真っ赤だよ。しかもずっとなんか当たってるんだよ! うわあああああん助けてりっちょおおおおんっ!!

 神永蕾和の腕の中、真っ赤になって縮こまる私。早く終わらそうと、いつまでも動かない神永蕾和を振り返り見上げた。後悔した。


「っはあ……、かわいい俺の桜。このまま時が止まってしまえばいいのにな……。――いっそ、ベッドに閉じ込めてしまおうか……。桜、今日はうちに泊まっていかないか? 遊び疲れて帰るのも億劫になるしな。ああ大丈夫、婚前交渉は桜が望まない限りしないよ。ちょっと俺と桜の部屋で二・三日篭るだけだから。桜の全ての面倒を見たいだけだから。三大欲求全て高水準で満たすよ。桜桜さくら、かわいいおれのさくら。もう、がまんでき――、っう!?」


 あ、やべ。耐え切れなくてつい頭突きしちった。

 私の後頭部ははあはあしてる神永蕾和の顔下半分を打ち据えた。ねっとり撫で回された肌は鳥肌がびっしり。つーか結婚を決定事項として話すなよ。いやっつーかもう色々とギリギリアウトだから。遊び疲れるのは決定なのかやだよ帰るよここにいたら危ないもん! 今までで一番危機を感じたよ!

 やはり水着で接触は危ないな。主に神永蕾和の暴走が……。ひい、ぞくぞくすりゅうっ……。


「ややややっぱり一人で……!」

「ふふふ、だぁーめ。危ないから一緒に滑ろうな」

「ちょ、何でそんな笑顔なの嬉しそうなの気持ち悪いわ!」


 鼻とか顎とか打ったのに何で満面の笑みなの!? ……え? 桜からならこれもイイ? ……気持ち悪いわっ!

 逃げようとバタバタするが、がっちり押さえ込まれ無理だった。おいどさくさに紛れておっぱい触んなぼけえっ! おまいマジ見た目と中身ギャップありすぎ!


 で、そこでちょっと考えちゃったんだよね。というか一瞬過ったのだ。――ポロリはないよな? と。


 ぽんっ。


 ……う、うあああああぎゃああああああっっ!! 立ったー! フラグが立ったあああああっ!! 一体何のフラグだ!?


「ちょっ、待っ……!」


 だが無情にも、私達は滑り出してしまった。


「っひぃやあああぁぁっ!?」


 思いの外速い。すげー速い。しかもくねくねうねうねと緩急つけたコースは、内臓がひゅお〜っと浮かび上がる。


「ひょぉおあああぎゃあああああああっっ!!!?」

「ああっ、さくらぁっ」


 ガシッと神永蕾和の腕に爪を立ててしがみついた。涙がちょちょ切れる。後ろから聴こえたやけに悩ましい声は無視である。

 待って! 嫌な予感が止まらないよ! そんでこれ怖すぎない!? 軽い事故レベルだよおっ!! 寧ろ今の私の顔が放送事故レベルぅっ!


 いっそ神永蕾和にしがみついて見ないように、とも思ったが、見えない方が怖いだろうからと、今の体勢を維持。軽く仰け反り、体の前を開いてる体勢だ。神永蕾和の二の腕には私の爪が食い込んでいるだろう。だがこの時はそれを気にしている暇はなかった。 そして、着水。ああっ、助かった! でも今なんかフラグ回収された!? うわーなんだぶくぶくぶく……。


「桜、――ッ!」


 鼻に水が入り、げふげふと咳き込む。神永蕾和には涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃの顔を見られているだろう。抱き抱えられている訳だし。流石に恥ずかしいので両手で隠したが……、胸に熱い視線を感じる。痛いくらいの視線である。


「んぅ……、う?」

「っ桜!!」

「ッひ、ぎゃああああああああっっ!!」


 回収されたのは、すっかり忘れていたエロゲヒロインフラグですた。ええ、はい。ポロリです。おぱーいがぽろーりです。ぷるんと飛び出した二つのそれを、ギンッと凝視した神永蕾和は……、あろうことか胸に顔を埋めやがった! しかも揉んだああああやああああっっ!!


「ひやあああああっっ!!」


 思わずぶん殴った私は悪くない。悪くないんだいっ! 生乳でぱふぱふしたこいつが悪い! しかも舐めたかんなこいつ!! こンの変態がァッ!!


「ッ滅びろドクサレ変態野郎!!」


 何で殴られたのにやに下がった笑顔浮かべてんだ変態ヤローがあああああッ!!

「……ひぐっ、うえぇぇ……っ!」

「…ッ!? さっ、桜!?」


 割と本気で泣いた私は(上にずれた水着はちゃんと直したよ!)、りっちょんと木崎麗奈さんに慰められた。木崎麗奈さん、一応ライバルなんだけどね、いつの間にか恋敵ライバルフラグがポッキリ折れてました。曰く、


「淑女に恥を掻かせるなんて紳士失格ですわ。まだ若いから仕方ないのかもしれないけれど。それに、彼が貴女以外を見ないと言うのは嫌と言うほど思い知りましたわ」


 流石大人。あの神永蕾和を子供扱いだよ。何でも、どちらかと言えば神永蕾和のお兄さんが好きらしい。弟にコンプレックスを抱き劣等感に悶々とする様がいいらしいよ。さでぃすとだねえ。神永蕾和がまぞだと今回判明したし、何だかもう……もう。


 木崎麗奈さんが婚約者候補から辞退する、と聞いた時、りっちょんに嬉しそうと言われた。よく分からない。でも、まだ婚約者候補がいると……それも同い年の女の子もいると聞いた時は、何だか気分が悪くなった。


 そして、何だか不穏な色合いのフラグも、立ってしまった。



 まあ取り敢えず、神永蕾和とは一週間くらい会わないようにしようっと。








「くっうぅ……、一週間も会わないなんて出来ない。死んでしまうよ、桜ぁ……! 桜ごめん、頼むから許してくれ……!」

「抱き枕(桜の等身大写真プリント付き)じゃなく本人に言えよ。タオルに顔埋めるな水着の臭いを嗅ぐな!」


「うっうっ、極上のご馳走目の前にあったからつい食らい付いてしまったんだ! 白くて柔らかくて甘くて良い匂いがしたから理性を失ったんだ。舐めたのがダメだったのか? それとも揉んだのが? 顔を埋めたからか? ま、まさか桜に爪を立てられた時果てたからか? だがあれは仕方ないんだ男の性で好きな女に爪を立てられたらヤバいんだ色々と!」

「よし、歯ァ食い縛れ」




新たに桜の使用済み水着とタオルがコレクションに加わりました。

神永蕾和の変態具合に限界はねえッ!!(最悪)


あれです、こいつが主人公以外に目を向けないのでライバルキャラとか無理です。はい。

あ、前回の前後編で二回出たので不良っぷるは一回休みです。市民プールに行ってたらエンカウントしていました。市民プールだったら胸も見られず楽しめたのに残念桜さん。


あー……悪女出してー……←

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