第19話 神
星歴3018年2月。
三年に上がる進級試験をクリアして、皆冬休みにはいっていた。
仲間達は里帰りしている。
俺は自室でやることがあった。
「ふぅー……」
深呼吸をする。
そして両目を閉じて。握っている昇格の魔宝石を砕いた。
そう、遂にLv.80に到達したのだ。
教会で昇格するのも考えたが一人でやりたい気分だった。
しばらく迷走していると意識が暗闇に吸い込まれていく。
そして満天の星空を見た。
……綺麗だ、こんな景色初めて見る……。
王都もランドロック領も結構発展していて夜でも明るいから、こんな星空は見たことがない。
足元は湖……?
沈まないが歩くとピチャピチャと音を立てる。
水面に映る星空も幻想的だ……。
そしてしばらく1人でその景色を楽しみながら歩いていく。
するとどこからともなく声が聞こえてくる。
「ドレイク・ランドロックよ」
「ん……? 名前を呼んだか?」
「我は、天空の守護神ジャバウォック」
「神様ってわけか」
「お主のこれまでの偉業を称えて加護をやろう」
「偉業? なんかしたか?」
「まずは闇ギルドとの抗争でガスノットを討伐したこと」
「ああ、二年前の事件か……」
「次に王星の加護を持ち得ながらLv.80に到達したこと」
「それは偉業なのか?」
「王星の加護を与えらし者は破滅の道を突き進み滅んでいくものの方が多い」
「そうか……仲間がいたから、頼れる友人たちがいたからここまで来れた」
「恵まれているのだな。そなたに相応しい昇格先を用意しよう」
「ああ、頼むよ」
「ではこれから先は、この世界を守るためにその力を使うと良い」
「……世界?」
どくんっ! 心臓が高鳴る。
な、なんだ。
「はぁっはぁっ……!! 息が……!!」
朦朧とした意識の中問われる。
「望みを言え」
「はぁっ……! 望み? 仲間を、大切な家族、友人たちを守りたい……。はぁっはぁ!!」
するとイメージが頭に浮かんでくる。
【守護竜ジャバウォック】
固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)、神竜の加護(一時的に莫大な力を発揮、付与する)
竜術S,馬術S,力S,速さ,SS,耐久SS
「はぁっはぁっ……!! 守護竜ジャバウォックに昇格させてくれ!!」
「分かった、それではそなたに神竜の加護を授ける……」
そういって声は聞こえなくなった。
「はぁはぁ……終わったのか……?」
「それと二つの功績の分じゃ、もう一人に神竜の加護を授ける。そなたが選ぶと良い……ではな」
そして眠りに落ちるように気を失った。
「ん、戻ったか……」
目を覚ますとそこは見慣れた自室だった。
「時間は午後二時か……今日は家に戻れそうにないな……。」
ドレイクは昇格後マシュアと共に実家、ランドロック領へ帰る予定だった。
「今日はゆっくりして明日帰るか」
王都からランドロック領までは馬車で三日ほどだ。
「そうだ、まだ時間あるしマシュアに神竜の加護を渡すか」
そうしてマシュアの部屋に行く。
ちなみにドレイクは80Lvになったので寮の部屋をもう1つ借りてマシュアにそっちの鍵を渡してある。
ドアをノックする。
「マシュアー、いるかー?」
ガチャリとマシュアの部屋が開く。
「どうぞ」
中に入って椅子に座り紅茶を頂く。
「さっき昇格が終わったよ」
「そうでしたか、おめでとうございます」
「ああ、それでマシュア。クラスチェンジを試してくれ」
「私がですか?」
さっき起きた事を説明する。
「なるほど、神竜の祝福ですか。本当に私でいいのですか……?」
「ああ、マシュアがいいかな。今まで色々教えてくれたり着いてきてくれているお礼も兼ねてね」
マシュアへ魔宝石を渡す。
「……ありがとうございます、ドレイク様。」
そういってマシュアはベッドに行き、胸に手を当てて両目をつぶり、クラスチェンジの魔宝石を砕く。
そして意識が持ってかれたようで、寝息が聞こえてきた。
「よし、マシュアの為にシチューでも作って待ってるか」
ドレイクはキッチンに行き、料理をはじめる。
そうして三時間後、マシュアは目覚めた。
「おはようマシュア、どうだった?」
「無事に新しいクラスになれました……本当にありがとうございます!」
と、いつもよりテンションが高くなっているマシュアについ嬉しくてにやけてしまう。
「飯にしながらお互いの情報交換と行こう」
「はい!」
食卓にシチューとサラダ、パンを置いて席に着く。
「で? どんな感じだった?」
マシュアは紙に書いて見せてくれた。
【守護竜の雷弓手】
固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)
弓術SS,雷魔法SS,馬術SS,力S,速さ,SSS,耐久S
「おお! 固有スキルまで!!」
「ドレイク様のおかげですよ!」
と誇らしげに胸を張る、凄い嬉しそうだ。
「てことは種族も変わったんじゃないの……?」
「そこは変わらないみたいです」
「そうなんだ」
良くわからないが。まあ強くなったことだ良しとしよう。
「じゃあ、二人とも強くなったって事でアップルジュースで乾杯しようぜ!!」
「いいですね!! 今日はとことん飲みましょう!!」
そうしてお祝い兼飲み会が始まったのであった。
ちなみに飲み会は朝の三時まで続いた。




