第17話 休息
あれから真っ先に寮に帰った俺はご飯も食べずに眠りについた。
翌日。
朝目覚めて朝食をとり、訓練場へと足を運ぶ。
すると途中でアイルースさんに会った。
「駄目です、そういう余裕のなさも力を制御できていない理由の一つです。休んでいなさい」
暇になった。
授業が始まるまで二時間くらいか……何をしよう?
のんびりと散歩をしながら考える。
近くにあったベンチに座りまた考える。
ウィゼルさん強かったな……。
昨日の事を思い出す。
明らかにウィゼルは手加減をしていた、それにもかかわらず3対1を完全に防ぎきっていた。
「ヴァン……俺、どうしたらいいんだろ?」
「うーん、ドレイクはまだ僕らで言うところの幼竜だからね。せめて次のクラスに昇格しないと難しいよ……」
「次のクラス?」
「うん……」
「Lv.80か……」
「そうだね時間はかかるよ」
ヴァンに話を聞いて貰っていくらか頭の中のモヤモヤがスッキリした。
「やあ、おはよう」
「ウィゼルさん、おはようございます」
「隣、いいかい?」
「どうぞ」
ウィゼルさんがやってきた。今日は軽装だ。
「早起きだね? 自主練かい?」
「アイルースさんに止められちゃいました、ただの散歩です」
「私も朝の散歩が好きなんだ。特に春は心地よいからね……」
「……」
「君達は十分強いよ」
「……え?」
「焦ることはない。それに、先に先に行かれると、お嬢達が置いていかれるからね……。ゆっくり進んでくれるとありがたいよ」
自分の事ばかり気にしていた。
そうだ、今はミュフィスやライラ達もいる、自分一人強くなっても意味はないんだ……。
「君たちの攻撃は勢いがあって好きだけど、それだけじゃあ戦いには勝てない。死んだら終わりなんだ……何もかもね」
……。
「騎士団の戦いは基本守り、つまり防衛戦に特化しているんだ」
「守り……」
「そう、守るべき国民と、仲間を死なせない為の絶対防御」
ウィゼルさんの話を聞いて思い出す、道場の先生との約束、学院長の言葉。
戦う力では無くて守る力か……。
「ありがとうございます、ウィゼルさんに今会えて本当に良かったです」
「いつでも僕を頼ってくれ、可愛い後輩を正しく導くことが騎士の務めでもあるからね」
本当に優しい人だな……。
俺もこの人を目標にまた頑張ろう。
「そろそろお嬢も起きてくるだろうし寮に戻るよ。いい朝を過ごせてよかった、ありがとうドレイク君」
と握手を求められる。
「はい!」
そうしてウィゼルさんは寮へと帰っていった。
素敵な人だ、あれが騎士ということなのだろうか。
騎士団にはあのような人が大勢いるのだろうか?
胸が熱くなってきた。
少し早いけど寮に戻って授業の準備をしよう。




