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ロブさん、お菓子を下さい

 森に帰りますね〜とみんなに言った私は今、城の食堂で出来立ての焼き菓子を頂いております。とても美味しいです。


「お前、前より食い意地が張ってきたな」


「……所詮私は欲望に負けたただの人間よ」


 フッっと儚げに呟いたのにアズールに呆れた顔をされた。ちぇっ。


「だって食べたくなったものはしょうがないじゃない。ジェットがストックしてあったお菓子も無くなっちゃったし、なら食べに来るのが普通でしょ?」


「セレナの奴にお菓子の味がする実でも作ってもらえばいいじゃねえか」


「分かってないわねー、それじゃあ違うのよ。お菓子は目でも楽しむ物なのよ」


 そんなもん分かるかと言うようにため息をついて床に伏せてしまったアズール。大丈夫だよ、君がそんな繊細な事を分かるとは私も思ってないから。


 気を取り直して今度はマドレーヌを口に入れる。ジェットが作ってくれるお菓子も美味しいけど、やっぱその道を極めたロブさんの方が上をいく。一ヶ月ぶりもあってか更に美味しく感じる。


 そう、私だって一ヶ月は我慢したのだ。森に帰った私の食事は当然ロロの実に戻る。それは別に何の不満も無かったけど甘い物が食べられないのが我慢出来なかった。


 ジェットがロブさんから預かったというお菓子とジェットが教わって作ったお菓子を、二日に一回とか決めて大事に大事に食べてたけど。少しずつでも食べれば無くなるもので……。一ヶ月前に手持ちのお菓子が底を尽きた。ショックだったけど、もらったので二ヶ月ももたした私はすごいと思うのよ。


 そして無いものはしょうがないからお菓子を食べなくなって一ヶ月。ついに我慢出来なくなった私はアズールを連れてお城へ。ちなみに今日はお菓子が目的だったから特に王様達には連絡はしてない。城の私達の部屋に転移してもらってそのまま食堂に移動した。


 突然来た私達に食堂に居た人達はびっくりしてたけど、ご飯食べに来ただけですと言えばみんな「そっかー」と笑顔。ロブさんに軽食とお菓子を頼めば、なんと私がいつ来ても大丈夫なようにお菓子を準備してんだって!そんなことならもっと早く来ればよかった!


 そして今、念願の甘い物を感謝しながら食べてるのである。

 

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