2話 初めてのポイント交換
フラッシュが消えたら、そこは見慣れぬ場所だった。
見渡す限り畑。そして、俺が座り込んでる道は土の道。
街灯もなければ、電柱も電線もない。
俺は自分の部屋にいたはずなのに、ここはどこだ?
混乱していると、スマホのバイブが震えた。
いや、これはタブレットだ。
いつの間に入れ替わった? 俺もスマホも。
タブレットにはこう書かれていた。
『おめでとうございます!! 異世界転移成功のため2000ポイントプレゼント!!』
ポイント? あー、ポイ活のあれか、ポイントか。
って、分かんねーよ。なんだこれ。なにが起きた?
異世界転移。
つまり、俺は異世界に転移したのか。
何の説明にもなっちゃいねー。
タブレットの文字が消え、なにやらメニュー画面が出てきた。
画面上に大きめの文字で『異世界ポイ活』とあり、その下にこれまた大きめな文字で『原田 哲夫』とある。
俺の名前だ。名前の隣には赤文字で2000ポイントとある。
真ん中には何やら広告バナーが多数あり、目まぐるしく流れて行く。
その下、中央下部には何やらメニューボタンが三つ。
左から『ミッション』『期間限定』『通常』とある。
その下は二列あり、左下に『ステータス』右下には『交換』の文字。
なんなんだよ。ポイ活なんてやったことねーから分からねーぞ。
とりあえず、ある金は使う派、と言うか使ってしまう派なので、交換してみようと思った。
『交換』をタップすると、ごちゃごちゃした四角の羅列が出てきた。
スライドしてもスライドしても、キリがない。終わりが見えない。
とりあえず意味の分かる、『二段ジャンプ』と書いてある四角を押してみる。
ムカつくポップアップが出てきた。『前提条件を満たしていません』
うーん。多分その左の四角。『ジャンプ力強化6』が前提条件なんだろう。
6ってことは、多分これもダメだ。前提条件が必要だ。
スタートはどこだよ……。
お、上にタブがあるぞ。
『身体強化』『攻撃強化』『防御強化』『魔法強化』『生活力強化』『シークレット1』『シークレット2』
七つのタブがある。今は身体強化が選択されているらしい。
魔法も引っかかる。
やはり俺は違う世界に来てしまったようだ。
だが、やっぱ気になるのは攻撃でしょう。
攻撃タブを選択する。
また四角がたくさん出てきたが、よく見るとスタートは左らしい。
一番左の五つから、それぞれ枝分かれしているようだ。
『ジャブ強化1』『剣の縦斬り強化1』『『斧の縦斬り強化1』『槍の突き強化1』『弓の威力強化1』とある。
ジャブが体術っぽいな。やっぱ漢は体張ってなんぼでしょう、だよな。
俺は『ジャブ強化1』をタップした。
今度はムカつかないポップアップ。
『100ポイント使って強化しますか? YES NO』
迷うことなく、YESだ。
青暗い背景に馴染んでた『ジャブ強化1』の四角が、白く染まった。
強化されたらしい。
試したいぞ。
シュシュと言いながら、素振りジャブしていると、後ろから女の悲鳴が聞こえてきた。