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回復魔法を極めて始める異世界冒険譚~神々に祝福されし代行者の旅路~  作者: かぷちーの
第3章 冒険者の街と崩壊の旋律
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第4話 嫉妬の執務室

 執務室までジャックとフェリスに案内されるノエルとロザリー。


 案内されること約1分ほどで執務室に到着し、中に招き入れてもらった。


 執務室の応接セットっぽい対面になっているソファの上座に案内されるノエルとロザリー。


「俺の執務室までわざわざ着いてきてもらって悪いな。いま俺の隣に座ってるのがフェリスっていう我がギルドの管理部門長だ。」


 緊張しているのか左右の耳の先っぽが交互にピクピク動いている。


「ふ、フェリスです!ノエル様にロザリンヌ王女殿下。お目にかかれて光栄です。」


 ぺこっと頭を下げる。


 ケモミミが揺れる揺れる。


「こいつはかなり優秀でな、まだ成人してからここに勤め始めて1年たったばかりの新米だ。年齢で言うと13歳だが、もう部門長まで上り詰めてる。実質うちのナンバー2だ。」


「フェリスさんって、す…すごいですね。というか、成人って16歳では?」


「ああ。そういえば見るのも初めてって言ってたな。まあ今ではもう見れることすら珍しいんだが。獣人族は12歳で成人とされている。今ではほとんど見かけなくなったが、昔は近くに獣人族の国があってたくさん交流もあったもんだ。」


「そうなんですね…。国が無くなっちゃったんですね。知らなかった。」


「ああ。20年ほど前まではあったんだがな、突如魔族の大群から急襲にあってな、一晩で滅んじまった。」


「一晩で国が…。それでもこうやって会う事ができて嬉しいです。」


(魔族に滅ぼされたのか…。やっぱり神々の言う通り、魔族は野放しにできないな。)


「おうよ。俺もこいつに会えて嬉しいんだ。いまでは、ギルドの秘書、書士、会計士を担ってもらっている。なんでこんな優秀な人材がうちにいるのか不思議なくらいだ。」


「ええ!?それって、優秀どころではないのでは!?」


「にゃへへ…。それほどでもー!」


 褒めちぎられて嬉しいのか、耳がもうぴょんぴょんしている。


(美少女に猫耳ってテンプレだけど、めちゃくちゃ可愛いな…!圧倒的破壊力!)


 ずっと挨拶も忘れて無言を決め込むロザリー。


 さっきからずっと気になっていることがあり、それに気を取られているようだ。


 ノエルはフェリスに釘付けになっていた。


 ロザリーにはそう見えた。


 ノエルは案内される間ずっと目の前を歩いている可愛いケモミミ受付嬢に見入っていた。


 ロザリーにはそう見えた。


 執務室に入ってからも頭の先から足の先までノエルはフェリスの全身を舐めるように見ていた。


 ロザリーにはそう見えた。


「いたたたたたっ!!!!」


 ノエルは左の頬をちょっと爪を立ててつねられた。


 もう我慢の限界だった。


「ろ、ロザリー!?痛いよ!?」


 ロザリーは目が潤んでいて、ノエルを上目遣いにジッと睨みつけている。


「ノエルが浮気した。お母様に言う。」


 ロザリーの声が若干泣きそうな雰囲気なのでノエルが余計に焦る。


「へ!?待って待って!!!どういうこと!?」


「待たない。私見たもん。ここまで歩いてる間、ずーっと!執務室に入ってからも、ずーっと!ノエルがフェリスさんに見惚れてた!」


「にゃいっ!?」


 フェリスが驚いて勢いよくノエルを見る。


 顔が少し赤くなっている。


 ギルドマスターが飽きれ顔で茶々を入れる。


「おいおい。ノエル様よ。こいつはうちにとっては掛け替えのない優秀なナンバー2なんだぜ。嫁にもらっていかれちゃ商売あがったりってもんよ。ああでも、ここでの仕事は継続させてくれるってんなら文句はねぇけどな。」


「いやいやいやいや!違います!耳です耳!その耳、初めて見たので!」


 両手をワタワタと振りながら、めちゃくちゃ焦るノエル。


 焦りすぎて逆に怪しさしかない。


 珍しく顔が赤いノエル。


 ロザリーからの鋭い視線が刺さる。


「おお。そうか、それもそうだな。なかなか珍しいからな猫人族(にゃんにんぞく)だ。」


(いや種族名が可愛いなおい!!!!!!!)


「あの、その・・・ノエル様。あ、改めまして、猫人族(にゃんにんぞく)のフェリス・ニャ・ニャンテーニュと申しますっ…!」


「名前も可愛いなぁ~。」


「にゃえっ!?」


「ノエル。やっぱり。」


「へ?」


「いま、フツーに声に出てた。可愛いって。名前も、可愛いって。もってことは他にも可愛いって思ったんだもんね。」


(あー。ヤバイこれ死んだ。バッドエンドだ。)


「・・・・・・・・」


「ハッハッハ!!!王女殿下にここまで嫉妬されるってのは、なかなかできるもんじゃなねぇな。貴重な体験だ。ロザリンヌさんもよっぽどノエルが大好きなんだな。あれだ、ラブラブだな。すぐに子どももできそうじゃないか!」


「ふぇ!?」


「ジャックさん。すぐに子どもできるの発言は、セクハラかもですよー。」


 フェリスが真面目にツッコミを入れる。


「おお。そうか。失敬失敬。」


「あれ?」


 ロザリーは嫉妬に羞恥に緊張になんかもういろいろで気絶した。


「ロザリー?おーい。…これは、しばらく起きなさそうです。すみません。」


「すまんすまん。俺のせいか?フェリス!ちょっと即席ベッド出して王女様を看病してやってくれ。」


「はーい!」


「ああ…!なんかすみません。」


「いいんだよ。すでにこっちはもうかなり世話になっちまってるしな。じゃあ、もろもろ話をしようかね。」


 色んな書類をテーブルの上に並べるギルドマスターのジャックさん。


 これは長くなりそうだなと思うノエルだった――。


<次回予告>


ボーっと


寝顔


イチャイチャ


マジで内緒


セクハラは大問題


執務室に到着した男は、何をする事になるのか。


次回


回復魔法を極めて始める異世界冒険譚


第3章 冒険者の街と崩壊の旋律


第5話


冒険者登録届


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