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朝の宴。さすがに出発もします

ご飯回は好評のようだったので、少しだけ朝ご飯を準備します。まだ完ぺきでは無いのでいずれ完全な形をしましょう。

お楽しみ頂けると幸いです。

さて、朝ごはんも請け負ったので朝早くに起きた。何を作るかは決まっているので、余った時間は余分に食事を作って過ごさせてもらうとしよう。

人数に対してどれくらい作れば良いのかは何となく把握した。朝から時間のかかるものを作るのは少し嫌なので、簡単に焼いて済むものとそのままで食べられるものが中心だ。


一番欲しい魚も無いわけでは無いが、煮魚にする方が良いものばかりだ。朝は焼き魚が食べたい。

ここに関しては時機に解決するだろう。俺の食の引き出しから既に目を離せなくなったザールさんが魚の取り寄せを検討し始めている。

どれくらい本気かというと、戦闘探索隊の一部を護衛に付けて交易隊を組織することを提案してくるくらいだ。


くり返すがフレンドビーたちは正確には俺がテイムしたわけでは無い。テイムしたのは万花、毎果、薙刀の3体だけなのだが、俺が友達だと認めた人たちの言うことは聞く。どこでその情報を手に入れているのか俺も見当がつかないのだが…。

交易隊に俺の顔見知りがいれば問題無いだろうということで結論が付いた。約束事として『思い出の楔』を派遣するフレンドビーたちに全員支給するので何か余計なことをしたらすぐにバレることを一緒に来る隊員に周知しておくことだ。

あとは交易するにあたって俺の欲しいものも入れておいてほしいことと、『思い出の楔』の実験だ。俺が直接やらなくても良いように加工したものでも『空間接続』が可能かどうかだ。

いざとなればフレンドビーたち目掛けて転移すれば問題無いが、これがもし可能であるなら俺の活動範囲が無限に広がる。まあ自分でも広げたいから人任せだけにはしないけど。


お互いに利点のあることなのでこれはすぐに決定した。あとは冬場でも移動ができるように諸々の手配をしてすぐに旅立つ。

なぜかって?決まってる。冬が旬の魚もいるからだ。現地で味わわなくてはいけない!

今回は肉料理ばかりだったからね。様々な調理法でご飯と一緒に魚を楽しむことも体験させたい。俺も食べたいけどね。

いいよね!魚料理!


魚と米と言ったらあとはもう酢とわさびも用意しておくしかないね!楽しみだ!


とまあ、それは楽しむ方の理由で。ちゃんと真面目な理由もある。交易の目的地は『海と朝日がきれいな港町ダコハマリ』というところなのだが、これが青龍の祀られている海域の最寄りの町のようなのだ。

だったら少しくらいショートカットしても怒られることは無いだろう。趣味と実益を兼ねた取引に乗らないのは損だと言える。どうしても気に入らないなら、目的地の場所などを把握した上で四輪に乗っていけばいい。


さて、まあまだ見ぬ魚料理に関してはここまでにしておいて、朝食の作業に戻ろう。とは言っても既に8割方終わっている。


「昨日と違っておにぎりもバリエーション増やしたし、お漬物もOK。本当は魚が良かったけど無いから代わりの少し太めのソーセージを用意すればいいだろ」


以前に茹でてから少し炒める感じにしたものだ。公式にこれが一番美味しいと発表されていたやり方だ。つけるためのケチャップやマスタードなんかも既に準備完了である。

このあたりは既に記憶はおぼろげだが、『味覚強化』と『嗅覚強化』、『料理』のスキルと最大限にして自分の意識を希薄にすると体が勝手に作ってくれる。如何に自意識のセンスが無いかがよく分かる話だ。

若干怖いのだが、味わってしまうと一言で集約できてしまう。


「美味しければいいや」


ちゃんと他のみんなに監視してもらって、大丈夫っぽいよとも言われているので深く考えることはやめた。

調味料の時限定だし。というわけで新たな食材などを手に入れたときの恒例行事だから、あまり深く考えないことにした。


「あとは、野菜が足りないな。昨日からそうだけど。野菜もモノは良いんだし、ざっくり切って置いとくか。ドレッシングも適当に置いとけば好きに食べるだろうし」


昨日の夕食会は定例で行われることになった。次は獣人の村の人たちも巻き込むことにしよう。

準備する量は多くなるが、アイテムボックスの中を減らしたいし調理を手伝ってもらえればそれでいい。

昨日の中でも色々と言われた要望を思い出すと既に次回が楽しみでもあるのだが。


おそらく次回食事会をやることに問題は無い。まだまだ作れるものは多くある。既に流通しているメニューでも少し変えて出せば喜ばれるだろう。というか米料理の普及のためなら全く問題無い。

しかし次回は朝食にはおかゆが必要になる。理由は簡単だ。何かで目にした言葉だが、『米に合うものは酒にも合う』らしい。昨日の料理のほとんどが米に合うものだった。

準備した炊き立てご飯は予想よりも食べられてしまった。ザールさんから買い取ったとはいえ別に懐が痛むほどではないから別に構わない。糸太郎1匹が1日がんばれば十分にお釣りがくる。


案の定、デテゴを中心とした大食らいたちに酒は無いのかと聞かれた。一応ギリギリ未成年の俺が料理を作っているのだ。昨日は無しにした。

そうなると次からは持ち込んででも飲もうとするだろう。そこまでは止めるつもりは無い。ただ、美味い肴は酒をドンドン進めるだろうし、米から酒を造れることを言ってしまった。

法律も無い世界では俺が酒を造っても怒られることは無い。好奇心からこれも引き受けてしまったので次回開催時には米由来の酒が並ぶと思う。


テイムした魔物たちを除けば一番年下の俺が作るのもおかしな話だが、次回は間違いなく酒宴だ。そういうつもりでいた方が良いだろう。

というかそうなると我慢できないかもしれない。この体の誕生日が待ち遠しい。この世界では16歳で成人らしいからあと1年はないが、いつだろうなぁ。少し楽しみではある。


考えながらも作業は滞ることなく、新味のドレッシングをいくつか準備しておいた。

マヨネーズをベースにしたもの、醤油ベース、玉ねぎベースなど色々作った。まあ適当に混ぜても多少は食べられるはずだ。


「さて朝食のメインを作るとしようか」


カコココココッと大量に割っていく。すぐにかき混ぜて混ぜていく。今日は割とシンプルなものを作っていこう。形が違うだけでも十分に楽しむことが出来るだろう。

朝食のメインは卵だ。卵焼きとスクランブルエッグを焼いた後は目玉焼きを作る。茹で卵は殻をむくのが面倒なので一番に手伝いに来た人に聞いて食べたいならやらせよう。


わざわざ卵焼き機は自作したのだ。テレビで見たことのあるお店のようなことをしながら作っていく。とりあえず人数分があれば良いだろう。


焼き上がるころに一番に起きてきたのはリセルだった。よく考えたらユーフラシア組は迎えに行かないと来れないんだった。


「茹で卵食べたい?」

「作ってくれるなら食べたい」

「手伝えよ」

「え~。じゃあタマゴサンド作って」

「多めに茹でたらな。昼ご飯用に作るよ」

「やった~。じゃあ手伝う」


昨日から料理ばっかりしてる気がするぞ。まあいつも誰かに任せているから今日くらいいいか。あとで他にも作るものを考えよう。


卵焼きを焼いた後はスクランブルエッグは鉄鍋1つで一気に焼いてしまう。目玉焼きはなんとなく卵2つを1セットにして焼いていく。

リセルが手伝うのは殻をむくところだけなのでそれ以外は同時並行だ。氷を入れた水だけは用意しておく。流水の流れだけは用意しておいたのであとは勝手にやるだろう。


「ひ~。つべた~い!」


がんばっているので卵たっぷりサンドを作ることだけは約束守るか。


「俺も終わったから殻剥きやるよ」

「ありがと~」


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


「非常においしかったです。また今後もお願いしますね」

「新たな楽しみとして料理は俺も開拓したいんでぜひお願いしますね。魚はマジで世界変わりますから」

「楽しみにしておきます」


あんまり大っぴらに言えることでは無いので近づいてこっそりと話す。合わせてくれるからザールさんもお茶目である。


「戦闘探索隊を派遣するならマジックバッグも渡しますからね」

「お友達価格で?」

「お金は良いです。物が欲しいだけなんで」

「商売相手としてはやりにくいですね」

「価値のあるものが多すぎるんですよ。この世界には」

「そうしておきましょう」


後で聞いたら「なんか悪いこと話してる雰囲気だね」と周りからは見えたらしい。失礼な!お金の話は断ったっつーの!


感想としてはベーコンをカリカリに焼いたものを追加したのだが、スクランブルエッグと併せて好評だった。

やっぱり理想の形にしたときによく一緒になっているものはこちらの世界の人の琴線にも触れるらしい。


ユーフラシア組も再度送り出し、後片付けも済んだところでグレイブ村の後片付けは忘れ物確認をしようとしたが既にフレンドビーたちに指示して毎果に情報が集約されていた。


「ここにあるもので全てですので問題ありません」

「みんな優秀で助かるねぇ」

「お年寄りみたいなコメントやめてよ。それにあれだけ大量の料理を作るところを見せられた後に言われても、イヤミにしか聞こえないよ」


ただのステータスによるゴリ押しなんだが、リセルのお気に召さなかったらしい。そこまでハッキリ言うのはリセルだけだから気を付けた方が良いかもしれないな。


「普段の戦闘の手数の多さを予想できるってもんだな。見に行こうとしても余波で死にそうだけど」

「全くだ。イレブンくんに勝とうとしていたなどど軍はどうかしていたとしか思えん」

「まあ気を付けるようにするよ。そういえば魔力操作は使えるようになってきた?」


ロイーグさんに加えてコトシュさんも魔力の素養が目覚めるかの実験をしてもらっている。

見てるだけで危険から、見るくらいは出来るになってもらわないと戦闘が出来ないのは俺も困るし。リセルや薙刀たちがいれば大丈夫だろうけど、自衛が出来るに越したことは無い。


「何となく分かるようにはなってきたぞ」

「私はまだだ。なにが 違うのだろうか」

「生産活動の方が有利なのかな。体を動かすよりも集中する方が効果的なのかもしれないね。移動中にコトシュさんもがんばってよ」

「そうさせてもらおう」


ロイーグさんの嬉しい返事にまた少しがんばろうかなという気持ちが沸いてくる。

食事は作ったものの、後片付けは押し付けた形になるわけだから今日の運転くらいは俺が引き受けよう。10日間くらいぶっ続けでも問題無いし。


「じゃあ行きますよ~」

「「「了解!」」」


目指すは『商業の町マルクト』だ。

お読みいただきありがとうございました。

調子に乗りますが、良ければ評価、ブクマをしていただけると幸いです。いいねをしてもらえるとその回が楽しんでもらえるんだなって思えるのでそれも助かります!

がんばるので、よろしくお願いいたします!

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