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レベル100超えました

サクサクいきます。お楽しみ頂けると幸いです。

3日ほど糸太郎と一緒に狩りをくり返した後、良さそうな糸が出来たのでリセルと一緒に見させてもらうことにした。

夕食後の特に急ぐことに無い時間なので蜂娘やロイーグさんとコトシュさんもいる。

まあ一番は俺の意見が採用されることになるんだが。


「ふ~む。確かに糸としては丈夫だし燃えないし弦として材質は良いんだけど。弓の木の方が物足りない気がするな。しばらくはもう少し弱めにしてくれると助かる」


金属で弓本体を作るか?いや、しなりがないと飛ばないイメージがあるからな。俺の弓のイメージが弓道だからかな。

自分のこだわりを捨てるか悩んでいると気にするなよと糸太郎が手をつつきに来てくれている。


え~。なごむ~。


ほわッとした気持ちを味わっていると毎果がそっと糸太郎の背中に触れる。


「糸太郎も疲れている様子ですから少しマッサージしましょうか。疲労回復に良いですよ」

「そうだったのか?俺のせいか?」

「否定はできません」


ピシャリと言われてしまった上に和んでいた糸太郎が離れてしまって倍増に少し寂しくなる。

毎果はどこをほぐすのか分からないが糸太郎を触り始める。糸太郎がリラックスしてきたのは伝わってきたので悔しいが任せよう。

とりあえず連れ回すのは今日で終わりだな。明日からはまた1人で回ることにしよう。結構気を使ってゆっくり動いていたつもりだったんだけどなぁ。

しかし、追い打ちがかけられる。


「今のイレブンが本気出したらついて行くのは大変だよね」


この中で俺の次に強いリセルに大変といわれると誰が来ても無理じゃないか!


「ちょっと待て。糸太郎が生まれたところなんだからそこまでじゃないだろう」

「とは言ってもイレブンはそこの魔物たちをほとんど苦労せずに倒せるようになってきてるでしょ」

「……はい」


主はそこまで強いんですね!と純粋に憧れている薙刀を除くと他のメンバーは苦笑気味だ。


「洞窟に入ろうとも思わない人間から考えるとそこまで強いと言われてもよく分からないな」

「今のイレブンでステータスを10分の1に絞られているけど、たぶんロイーグさん、いや成人男性ならデコピンで倒せるよ」

「なぜ言い直した!?」

「コトシュさんで片腕を使わせるくらいかな」

「結構鍛えているつもりだったんだがな」


なぜコトシュさんは悔しそうなんですかな。そこまでバトルマニアでしたっけ。


「私はどうですか!?」

「単体だと体格的なハンデが大きいけど、部隊全部で工夫したら精霊の腕輪1つ外させるくらいの勝負にはなるんじゃないかな」

「それがどれくらいか戦闘が苦手な俺にも分かるように言ってくれないか」

「私もです」


完全に後方支援タイプのロイーグさんと万花には例えが必要だそうだ。

ちなみに万花は糸太郎の糸を気に入ったのか触りながら話を聞いている。気に入ったのならそのまま持って行って良いよ。糸太郎には聞いておいてな。


「2つ付けていると相乗効果だから、1つだけなら3割くらい抑える感じだね。イレブンの気持ち次第だけど」

「リセルの言うくらいだと思いますよ。まあたとえ模擬戦でも負けるつもりが無いから少しアドバンテージは大きめに取るつもりだけど」

「う~ん。それでもピンと来ないんだが…」

「今の薙刀だとロイーグさんが一歩歩く間に10回致命傷を与えられますが、その薙刀が手も足も出ないのがイレブンです」

「例えが怖い…。分かったことにするよ」


リセルの発言に顔を青くしたロイーグさんは腕をこすりながら引き下がった。少し後に温かい飲み物を持って来たフレンドビーに感動していたことを記しておく。

強制的に黙ったロイーグさんの代わりに疑問を呈したのはコトシュさんだ。


「あまり一緒に行っているわけでもないリセルがなぜそこまで詳しいんだ?」

「精霊と会話できますからね。イレブンに付けた精霊から聞いてます。放置して危険なことをされていたら嫌ですし。心配するようなことを見えないところでされるのは嫌なんです」

「前科があるだけに何も言えないな。共犯の私が言うのもなんだが…」

「もう今は気にしてはいませんよ」


女子同士で話し出したので、もう一度糸を触っていると手触りがいいからだと気が付いた。

別のところで万花も触っていたので、俺の表情を見て気が付いてくれましたか、と言わんばかりの笑顔になっている。


「イレブン様も気づかれましたか。手触りだけでなく、特徴から考えると他にも使い道がありそうだと思いましたが如何でしょうか。肌触りはもっと柔らかく仕上げる方が好みの方が多いのではないでしょうか。どうせなら私たちの方と手を組んでみませんか。最近は天然の香りを活かしたもので皆さんに楽しんでいただけないだろうかと考えておりまして」

「分かった。万花落ち着いてな」


スゴイ早口で話し出した万花は気が付くと赤くなって頭を下げた。


「最近ものづくりに興味を持たれておりまして。何か出来ることは無いかと模索されております。お勤めはされておりますのでご安心ください」


相変わらず無表情で糸太郎のマッサージをしている毎果が報告してくれる。

俺のテイムの影響だろうかと考えてしまう。俺が自覚なく興味を持っていたところ、話を聞いて興味持てそうなことを先回りで始めていたりする。

万花は生産に興味を持ち始めたし、毎果の世話焼きは俺がリセルに見せるものに似ているし、薙刀の強さに貪欲なところも俺は共感できる。

糸太郎はなんだろう。女子に振り回されても文句言わないところかな。実は女子たちにリボンを括りつけられているのに文句言わないもんな。二人の時に聞いたら少し哀愁を漂わせていたし。嫌とは言わなくても本意では無いようだ。


そんな糸太郎に万花のリクエストが出来るか確認だな。


「糸太郎できるか?」


○と出してくるが、その後にちょっと疲れたというジェスチャーが返ってくる。


「……できるみたいだけど、今日は無理かな」

「いつでも構いません!糸太郎さん、がんばりましょうね!」


嫌がる素振りもなく、一緒にのっている糸太郎を褒め称えたい。おしゃれに通じるところなので女子たちの喜びも一入だ。


「男が喜ぶ話題は無いのか?」

「もう少ししたら肉でも仕入れてきますよ」

「俺ももう少し体動かした方が良いかなぁ」

「このままだと確実に太りかねないとは思いますよ」

「そうなんだよなぁ。明らかに食事がうまいんだよなぁ」


手軽にできるカロリー消費が魔力消費だから、基本的に肥満体型の人はいない。だが、ロイーグさんは魔力がないわけではないが操ることは出来ていない。


「少しだけある魔力を消費して何かの強化するもの作ります」

「ぜひ!」


重いものを運ぶこともあるからと魔力を消費して筋力を補助する腕輪を仕上げた。ついでに『魔力操作』も付与しておいた。

これでもしスキルが発生するなら面白い結果になるはずだ。まあそんなひと時だった。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


そしてリセルと約束した10日後。


「レベルが103に上がりました」

「「おー」」

「だから戦闘がわからない人間にも分かるように言ってくれ」


リセルとコトシュさんみたいに流す技能を身に付けてくれないと。


「仕方ないですね。まあ俺のは特殊ですからお伝えしましょう。レベルが上がることでステータスの上昇が急激に上昇します。経験値は相変わらず膨大に必要ですけどね」

「どうなるんだ?」

「今まではHPは10、MPは5、他のステータスは1ずつでした」

「それも低いのか?」


ついに俺ではなくリセルに聞くようになった。


「私もイレブンの話しか聞かないから分からないよ。でも私でも一番低い運で2ずつ上がるし、頑丈は8ずつ上がるから1ずつしか上がらないのは少ないんじゃないかな」

「それで尋常なく強くなってるのかよ。実はすごい奴だったのか?」

「めちゃくちゃがんばったとは思うよ。代わりにスキルの取得が特殊なことに出来るからね。まあそれは置いといて」


変人という種族は隠してある特殊なものである。そこまで話し出すと余計に話が長くなるので本題に入ろう。


「100を超えると上り幅が変わるんだ。HPは100、MPと素早さが50、それ以外は25ずつ上がるようになる。スキルを取得していく方が良いことには変わりないが、大きな差になるよ」

「えげつないな!」

「長く使う、じゃない、長く生きていくにはたまらない特典だよね」


よほど慣れていないとそこまで育て上げることが面倒だし、覚悟が必要ではあるが達成してしまえば受けられる恩恵は大きい。


「これで1つクリアしたよ~」


そのために糧にしてきた魔物の数は相当数になるし、クリア後ダンジョンでないとレベルが上がらないくらいにはなっている。

まあ1つ押さえてあるのだから上げる必要性を感じればまた来ることにしよう。


「じゃあ少し遅くなったけど冒険者組合を回っていこうか」

「明日出発か?」

「片づけをしてからだから明後日だろう」

「どこに行くかは決まってるの?」


一気に言わないでくれ。処理できるけど。


「出発はコトシュさんの言う通り明後日で。あと悪いけど俺はどこに行くのが良いのかユーフラシアの冒険者組合とザールさんに聞いてきたいんだけどいいかな」


それぞれの分担を決めて明日一日で荷物をまとめて出発することになった。

夜逃げではないよ。

お読みいただきありがとうございました。

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