表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

121/335

最後の後始末と最後通告。こんだけやったらあとはぶっ倒れるだけ

お楽しみ頂けると幸いです。

「では、言いたいことを伝えても良いかな」


でも、前回は話をしてくれたロイーグの上司さんは既にいないんだよね。話が通じる人が出て来るかどうかだよね。

既にこれで向こうの戦う手段と心は全部折ったと思うんだけど。あと反抗してくるとしたら完全に意地と狂信くらいだろうな。


「何が言いたいことだ。許されん。ここで何としてもそのガキは殺す必要がある」

「総司令官殿!」


さっきの人が出てきた。一部の前にしか現れてなかったから本当に立場がある人なのか疑わしかったけど、周囲全てがビシッと敬礼をして直立不動になるくらいだから本当のようだ。


「まだ敵対するんだ?何で俺を殺すつもり?」

「知れたこと。既に自分で弱点を露呈していることに気が付かんか?」


心当たりがない。弱点があるなら鍛えるから言ってほしいくらいだ。


「何のことか思い当たらないけど?」

「貴様は人を殺したことが無いだろう。兵装や武器を壊しても実際に人を殺すことは直接間接であっても耐えられんのではないか?この場にしたいが無いことがその証明よ!」


さっき2人ほどやってしまったけどその情報がこっちに回って来てないのか。そうなると、この人めちゃくちゃマヌケさんだ!


「ならば手段は簡単だ!貴様ら防御を固めつつ、一斉にかかれ!所詮は1人だ!数で押し込めば必ず打ち取ることが出来る!崩せばすぐに打ち取れるぞ!」


結構な勢いで声を張り上げるが、兵士諸君は敬礼はしているものの動く気配は無い。

秘奥義の威力もあるだろうけど、縮地見せまくったからな。簡単に捕まらないことや逃げられることが分かってるんだろうな。そうとは分からずに動こうとしている奴を押しとどめているやつもいるし。

肝心な場面を見ていないせいで、なぜ動かないのかをくみ取らずに声が響き渡る。


「なぜ誰も命令に従わんのだ!良かろう!奴を仕留めたものには私の権限内での褒賞と勲章を約束しよう!このままではハードローラー隊の諸君に手柄を奪われてしまうぞ!?」


言われて思い出す。スーツを一人分消してしまったけどあと2人は生き残っているのではなかっただろうか?

周囲を見渡しても見つからなかったので、気配感知を使用してどこかに隠れていないかを探してみる。――いた。ちょうど見つからない位置にいる。


いつのまにか別の場所で戦闘をして来たメンバーも帰ってきている。合計13名全員がいるようだ。彼らはどんな感情でそこにいるんだ。


「『氷床』『地形隆起』」


地面を凍らせて姿勢を崩す。すかさずこちらへと転がってくるように坂道を作って転がす。例え氷を溶かされたとしても坂道にするために利用したのは地下部分だ。そこまでは解除されない。

合計13名が無様な格好ではあるが、無事ご帰還だ。彼らが見当たらない時点で負けているとは考えなかったのだろうか。何を見て、何を聞いていたのだろうか。やっぱりこの人は上に立つだけの能力持ち合わせてない気がするな。


「プントー隊長よ!どういうことか報告しろ!」

「はっ!あっ、いえ、しかし…」


完全に負けましたなんて報告をこんなに人数が揃った状態では報告しづらいよね。


「そこにいる人たちは2人を除いて一度全員倒しましたよ。見てなかったんでしょうか。もう一回やります?」


本当はすごく疲れてやる気にならないけど!やらないといけないときに動くくらいはやってやる!


「敵である貴様の言葉を信用すると思うか!……ん?2人を除いて、だと?」

「そうだよ」


ようやく思い違いに気が付いたみたいだ。顔色を変えて黙っているので教えておこう。


「ご自慢の魔法無効化の耐性を確認しようとしたら、許容量超えてやっちゃいましたね。疑うようでしたら何人か目撃しているんで確認してください」

「そんなバカな!そんなバカなことがあってたまるか!」

「じゃあ、ここで屍を1つ増やしましょう。どうやらあなたと数人以外は皆さん、帰りたそうにしてますし」


本当に現場に立っている人でも殺されると分かって立ち向かう人はいないよ。そう考えると武士って人たちはすごいね。死ぬと分かっても立ち向かったって描写されることが多いもんね。俺には出来ないや。

しかも上官が無能を晒してるところを見てがんばろうというヤツは更に少なくなるんじゃないかな。みんな命大事だもんね。


少し体を動かして確認する。よし、まだ少しだけなら動くことは出来る。魔力増やしておいて良かった。無理矢理自分の体を念動で動かすだけのことは出来る。体の動かし方がおかしい気がするけど痛いところで止めればまだ何とか、なるかな?

両手にそれぞれ鉄剣を持つと一気に躍りかかる。身を挺して総司令官殿を守る者が数人いたが、切り裂きはしないものの受け身も取れないくらいには左右に吹き飛んでいく。その先でどうなるかまでは責任持たないよ。


「今の守ろうと動いた部下くらいじゃないですかね。あんたに付いて来てるのは。あとは兵士だからと頭を使わずに来てしまった残念な方々のようですよ。でも全部吹き飛ばしますけど」


行った先の国にを害することを分かって来てるんだもん。あの2人みたいに逃げるためと言い切って本当に実行するならまだしも、俺も銃向けられてるしな。


少しそのまま戦闘をくり返すけど自分の体を動かすのではなくて、操って動かすのが結構慣れてなくてしんどい。体の可動域を超えるような動きするとやっぱり痛い!身体的な痛みは癒すことが出来るけど、精神的な消耗がキツイ!二度とやらないぞ。

それでも薙ぎ倒すのは少数で済んだ。残った周囲は既に逃げ腰だ。この総司令官殿はやられるために出てきたのかというくらいには何もしていない。銃弾の一発でも撃って来た兵士の方がよほど役に立っている。


「忠誠心を持ってついてきた部下を無駄遣い、見当違いの方針で要塞を危険にさらし、任務失敗で国へ逃げ帰る。それがあんたの末路だね。バイバイ」


2本の剣の腹で両肩を打ち、沈む前に蹴りを数発、最後には脳天に鉄剣を一撃見舞って落とした。気絶をしっかりと確認した。

意地の元は潰した。これ以上に頭の固いやつはいないだろう。あとはしばらくはどうにもならないかな。


「これ以上に被害に遭いたいやつは出てこい!のしてやるぞ。その代わり」


振りかぶって右手に持っていた剣を投げる。勢いよく飛んで行って命中する。


「がふっ!」


隠れて銃を撃とうとしていたやつの喉に刺さる。はい、残念ながらそこを狙いました。忠誠心なのか、過去の皇帝を信じるように施された狂信かは知らないけどさ。


「逆らうやつはこれから皆殺しね」


飛んで来た銃弾は一時的に空中へと逃げて回避する。アイテムボックスから大量にある武器を上空から念動で操作していく。結局これが一番楽だわ。


しかし、上空から見ると分かりやすい。戦う意思のない奴は頭を抱えてなんとか避けようと要塞や近くの隠れられそうなところに向かって走っていく。

敵対意思のあるやつはこっちを見上げている。位置を確認しないと何もできないもんね。表情を見ればただ見てるだけなのか、攻撃を考えているのかは分かる。

俺の心の問題として言い訳が出来るように攻撃の動きに入った奴だけを仕留めていく。


「こんなところかな。3日後に見に来るわ。出来る出来ないの問題でなく、次はもう少し攻撃するつもりだから嫌ならここから逃げておいてね」


聞こえたかどうかも知らん。もう限界だから帰ろう。いなくなってくれているならそれに越したことは無い。残りの魔力を使って空間を繋げて通り、閉じたことと名前を呼ばれたことを確認して目を閉じた。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


「はっ!」


≪起きたわね。このやらかし小僧≫


この声は朱雀か。姿は見えずとも声はする。さすがである。

この天井は見覚え無いけど顔を横に向けたら見覚えがあった。休憩用に作っていた寝床だな。寝心地が柔らかいと思ったら布団が敷かれていた。絶対に土がついてるよな。あとで『清潔』かけておこう。


「お~。よく寝た。どれくらい寝てた?」


一日は寝込む気がする。頭がぼ~っとするし、体もかなりダルさがある。ステータスを確認するが、HPに異常があるわけでは無い。どちらかというと不可避の状態異常になるのかな。


≪丸2日ほど。今は昼頃よ。リセルを呼ぶわ≫


「了解。にしても2日か。道理でめちゃくちゃお腹空いてると思ったよ。とりあえず水分水分」


3日経つ前に起きられて良かった。明日の朝一で様子を見に行けば良いわけだ。起きてすぐに朱雀が何も言わないってことは特に急ぎですることも無いわけだろうし。

ついでに食べ物を出すと、朱雀に止められる。


≪リセルが用意してるから今は適当なものを食べるのはやめておきなさい。血相変えてそっちに向かってるからね。もうすぐ到着するわよ≫


そこはかとなく背筋が寒くなる。うわ~、どんな顔をしてくるのか見るのが怖いな。自分の実力を超えた力を出して寝込むだけなら安いものだと思ってほしいが。そんな気はしないな。

足音が近づいてきたなと思って、入り口に顔を向けておく。服装は、特に問題無し、装備は外したくれたんだな。


「イレブン起きた!?」

「お、おっす~」


意識していなかったが右手が上がっていた。何となく手を振っておく。女子か。


「こ……、こ……」


あ~魔力が迸っているよ。何をされるか悟ってしまった。一応寝起きの病人扱いはしてもらえないのだろうか。

そうこうしているうちに、リセルが目の前に立つ。あ~あ~、赤い瞳の目には零れ落ちない程度に溜まった涙が見える。キッと睨まれたのち、リセルが拳を固める。


「この、アホ~~~!」


燃える拳が迫ってくるが、避けたらダメなんだろうな。治癒魔法を自分にかけてあらかじめ備えていた自分を褒めてあげたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他にも書いた小説です。短編だけでも時間潰しに良ければどうぞ。
私の魔法の使い方
https://ncode.syosetu.com/n8434ia/
婚約破棄は構いませんが…、本当に私がそんなことをしたとお思いですか?私の本気は少々刺激が強いかと思いますけれど
https://ncode.syosetu.com/n1262ht/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ