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合流そして救出。男は居残りです

お楽しみ頂けると幸いです。

「どうします?」


相手の出方を見るために挑発をくり返してたけどあんまり壊さずに色々と手に入れたいんだった。丸ごとは正直手に余るんだけど、一部の物ならそこそこにもらっておきたい。

表情や本音っぽいものが出てきたことからもうこれ以上の手段は無いようだ。それなら面倒だった交渉(笑)は終了と見ていい。


「返事無しってことで戦闘再開で構わないですかね。毒盛るくらい殺意もりもりですし、構わないですよね?」

「舐めるのも今の内だぞ。お前は必ず後悔するぞ」

「ん~、それは俺が逆上しないものだと良いですね?」


そんな脅しをした上で俺を怒らせたら顔と名前が一致している人はすごく残念なことになるのは分かりそうなものだが。なんでまだそんなに強気なのか?


まだ勝てる気でいるってことか。ということは、次の一言は脅しか。


「こちらの言うとおりにすれば砲撃は行わない。このグランドバイソン最大の砲撃がこの火山の頂上付近へと照準を合わせている。撃てば山一つ吹き飛ばすくらいは訳は無いぞ」

「なるほど。大人しくしておいてほしい?だったら首輪のかけ方を間違えたね」


脅しというものは二重三重にかけておくものだと聞いた気がする。一つ切り抜けたところでどうしようもない状態であって初めて成立すると。そうでなければ守るために必死になる。今の俺のように。


「そうならないように、全力で暴れるに決まってるよね」

「無駄だ!この者たちが身に付けているアーマースーツは特別製だ。魔法などどいった奇妙なものは通用せんぞ!」

「だったら通用する形を取るよ」


水魔法全開で解放する。自分だけは結界で守っているけど。あっという間に部屋が水で満たされる。

多少は解除されて近づいて来ようとしているが、4人に関しては水流をぶつけて水中でくっるくるに回っている。部屋の入り口から漏れていく分と解除されていく分とあるから結構消費は激しい。

でもそれはMPを回復すれば問題無いので永続で無理だというわけでは無い。特に問題というほど問題でもない。だから要塞の中に入れるのは悪手だって言ったのに。


総司令官殿が本気で死にそうだったので、途中でやめてあげる。護衛の方々の様子を見て継続するかを決めよう。


「ゲホッ!ゲホッ!」


部屋にいた方々がそれぞれ同じような反応を見せている。水が有効なら氷もいけそうだな。というか消されるのを気にせずに大量に押し付けることが解決方法で良さそうだ。屋内なら更に効果有りで結論を出しておこうかな。


「次は、氷、火、雷、土、何が良いですか?変わりどころで他にも色々ありますけど。またご入用の時はまた声かけてください」


聞くのが早かったらしく咳き込むのは治まっていたが、まだ呼吸が安定していない。待つのも面倒だったので勝手に挨拶をして出て行く。とりあえず外に行こう。朱雀が何とかしてくれるだろうとは話したが、発射を防げるならその方が良い。

外に出るのはどこか分からなかったのでとりあえず案内されたときに通った道をうろ覚えながら走って脱出を試みる。


「分かってはいたけどグルグルと回りながら案内されたからな~。正直迷った…」


おまけに退避勧告でも出ていたのか周囲に人があまり見当たらない。いつの間にか兵士の居住エリアに迷い込んでいる。たぶんこの辺りに外への出口は無いよな。

ただ途中で気配察知に誰か1人いることが引っかかる。こうなったらこの人に案内してもらうしかないか。

このまま進めばかち合いそうだが、こちらはあくまで侵入者だ。何かあったら困るので大声でお願いから始める。


「すいませ~ん!迷ったんです!助けてくれませんか~!!あなたは俺に敵意は持ってないんでしょう!?」


気配はあれども俺に対して敵意は無いみたい。『索敵』には引っかからないことがその理由だ。この要塞も色々とあるらしい。

隠れているところに近づくと声を聞いて顔を出してくれた。ヒッと声がしてすぐに隠れた。今更隠れても遅いだろう。


「あ、すいません。ここから出たいのでついて来てもらえませんか?身の安全はお約束するんでなるべく早く教えてください」

「み、身の安全…、それなら条件がある!ある人も一緒に連れ出してほしい。そしてここから逃げる出助けをしてほしい!」


どうやら訳ありさんを引いたようだ。でも協力してくれるならそれでいい。


「分かりました!すぐ行けますか?」

「に、荷物だけ回収したい!」

「どこです!?後で返すんで一旦預かりますよ!」

「え、あ、ああ!こっちだ!」


目的の部屋はちょうど彼が隠れていた場所だった。俺のタイミングが悪かった。心臓に悪かっただろうに、ごめんなさい。


「ここに隠し扉を作っていて開けるまで1分待ってくれ」

「待って!壊していい?」

「戻ってくるつもりは無いから良いけど…」

「了解!」


アイテムボックスから鉄剣を取り出して結界で覆う。こんなところまで魔法無効の素材は使われていないだろう。一殴りで破壊に成功する。扉を引きちぎって開ける。


「この中身全部で良い?」

「ああ」


収納!中身もあまり見ずにアイテムボックスへと送り込む。


「他には無い?」


無言でボーっとしてしまっているので、体をゆすって正気に戻す。


「急いでるんだよ!」

「ここまでの力を持っているとは…」

「はやく!」

「じゃ、じゃあこっちの荷物もいい?」


どう見てもこの人の着替えやら何やらだな。それにしても多いな。こんなものか?


「じゃあ助けてほしい人を回収したらすぐに出るよ!」

「分かった。こっちだ!」


予定と変わることだけど、仕方ないかな。あらかじめ楔を打っておけば良かったな。


「朱雀。こっちはもう少しで脱出してそっちに一度帰るけど外はどんな感じ?」

「え?何?誰!?」

「こっちの話だから走って!」

「わ、わかった!」


≪あなた、それはひどいと思うわよ≫


分かってるよ。そっちが心配なんだから仕方ないだろうが!


≪走ってると気が付かないかもしれないけどエネルギーの充填をしているわね。もう少し時間はかかるみたい。発射を防ごうとするなら急いだ方が良いわね。場合によってはこちらで何とかするけど≫


「手段は色々取っておいた方がいいだろ。長距離砲撃の発射が防げるならそれが一番だ。そんなもの残しておいたら色々と危ない」

「やっぱりこの振動はエネルギー充填もしているのか!」

「何?詳しい人だったりする?」

「下手の横好きだ!潰したいのか!?そこまで詳しくは知らないが動力炉の仕組みくらいは分かる!」


成り行き任せで同行することになった人だけど、この人でラッキーな気がする!


「まずはあんたの助けたい人のところに行こう!あんたが俺に協力しているのがバレて人質にでもされたら厄介だ」

「助かる。俺は所属はもうなくなったから、ただのロイーグだ」

「イレブンだよ。よろしく!」


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


自己紹介の後は案内に任せてひたすらに走った。監視カメラの類いは雷魔法で壊していく。衝撃と回線をこれで少しはダメージを与えることが出来ているらしい。走りながらは話すことが出来ないみたいなので、随時ポーションを飲ませて回復しながら先を急ぐ。とは言っても限りある建物の中だ。10分後には到着した。


「小隊長!逃げる算段が着きました!」


見張りをのしている間に目的の人のところまで一目散に走って行った。そこまで尊敬している人だったんだね。んん?


「女性?」

「そうだ!頼む。出してあげてくれ!」


良かった。リセルの時のような二の舞を踏むことは避けれられた。髪をショートカットにしているが、骨格的なものや顔立ちで女性軍人だということは分かる。しかし、ここって牢屋みたいなところでしょ。何したか知らないけどひどいことするなぁ。


「ちょっと危ないかもしれないから下がっておいてね」


下がらせたうえで結界で折れた牢の柵が飛び散らないように彼女の防御に回す。対策が出来たので隠し扉と同じように結界纏鉄剣で叩き折る。そこまで心配がいらなかった。


「じゃあ、先に避難しておいてもらおうか。朱雀、リセル起きてる?」


≪さすがに起こしたわよ≫


「じゃあこの上官さんだけ送るからそっちで保護しておいてね」


≪はいはい≫


返事をまたずに空間を繋げて、彼女を送り込む。よろしくと顔を見て頼むとすぐに接続を切る。


「え?え?」


当たり前だけど目の前で助けたいと言っていた人が消えたから混乱している。


「向こうには神獣様と精霊様がついた人がいるから大丈夫だよ。混乱してるところ悪いけど案内よろしく。それからあんたたちの武装の具合を教えてくれない?それによってはあんたも向こうに送るから」


とにかくここからは時間との勝負だね。

お読みいただきありがとうございました。

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他にも書いた小説です。短編だけでも時間潰しに良ければどうぞ。
私の魔法の使い方
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婚約破棄は構いませんが…、本当に私がそんなことをしたとお思いですか?私の本気は少々刺激が強いかと思いますけれど
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