11/12
門出
東の巨大な城門は閉門前にもかかわらず人通りが多かった。
巨大な跳ね上げ橋の昇降装置は四十頭の馬で引くほど巨大だった。そして跳ね上げ橋をつなぐ鎖は人の胴ほど太かった。
城門の櫓ははるか高くにそびえ立ち、その高さを見上げるだけで畏怖を覚えるほどだった。
クリスは城門の底を見上げながらくぐるのが好きだった。城門をくぐり終えた直後の外界の危険に無防備に身をさらすのがなんとなく好きだったのだ。
城門の外は美しい草原が広がっていた。新芽の強く芳醇な香りがした。春の風が草原を駆けた。
堀にかかる橋を渡りきると、クリスは衛兵に目礼であいさつし馬を駆け出した。




