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第四話 ハズレカイジン

「ヒトが人たりうるのは、やはり自制心を持てるかどうかだと思うのだよ。」


 顔に銀色のお盆を埋め込ませながら、すらすらとしゃべる盗撮ヒーローマサシン。


 そうか、人はこうなっても生きていけるのか。


 ウエイトレスのお姉さんにセクハラするような奴を人とするのならば、だが。


 「有史以来、人がここまで発展できたのは、農業のおかげだ。

 人は、今食べれるモノを我慢することで、食糧を増やし、仲間を増やすことができた。」


 「つまりは、自制心こそがヒトの証であり、ヒトの強みなのだ。そして自制心を持った改人を...」


 「ハズレと呼ぶ。組織の目論見からハズレた改人、とね。」


 とマサシンはふところから、カードケースのようなモノを取り出し、その中から一枚のカードを出した。


 「ハズレはつらい...半端に人が残っているせいで、欲望に呑まれることができない。呑まれること自体に恐怖をしてしまう。自制心が、もっとも人であろうとする自分を傷つける。」


 「我々のようなハズレの改人がとる道は二つ...一つは君が考えたような自殺。」


 ギクリ と心が反応する。


 「もうひとつはヒーローとなり、我々を改造した組織を探し出し、この身を普通の人間に戻す方法を探すことだ。」


 手にしたカードを見せるマサシン。

 そこには僕の写真と僕に対する説明文があった。


 清木 満 

 改人 特徴10代の少女のパンツを食べる。

 危険度 低

 ヒーロー制度が出来る前に、自身を治そうと国の研究機関を訪れている。

 保護する前に逃走したが、治療しようと積極的に活動し、改人になった際に植え付けられた本能にも抵抗しようとしていたことから、危険性はかなり低いと判断できる。

 上記より、彼を発見した場合は速やかに保護すること。


「ヒーローに...ってことは、マサシンさんも改人 だったのですか?」

うん とうなずくマサシン


「だったって今でも改人だけどね。ヒーローナンバー03 

盗殺のマサシンってのが僕のヒーローネーム。

数あるヒーローの中でも、”アタリ”改人が出た際に、

誰一人傷つけたことが無い、

ヒーローの中でも10本の指に入るアタリヒーローさ♪」

と自慢げに右手の親指を立て、ポーズを決めるマサシン。


 アタリヒーローって、みんなこの人のことハズレって言ってなかったけ?

 そもそも、僕に一撃でノされる人が、他の改人を倒せるのか?

 被害も出さずに...

 それに盗殺って、確か最初に名乗ったとき盗撮王とか言ってたよな、この人。

 怪しい...

 「それは君が危害を加える気が無いって初めから分かってたからね。

 だからあの時は、ヒーローとしてじゃなくて、食事をするつもりであらわれたのさ。」


 顔からお盆を引き抜くマサシン(まだ刺さったままだったのだ)

 するとグジュグジュと顔の肉が動き、数回瞬きをする間に、もとの顔に戻っていた。


「オレの食事は、盗撮。20代までの女性が、隠したいと思っていることをカメラに収めることに対して、本能クラスの欲求を与えられてしまっている改人で、ヒーローさ。」

「今も、美しいウエイトレスさんのスカートの中を撮影することで、食事をし、回復した。」

と手につけている指輪を見せるマサシン。

どうも、指輪の中にカメラが入っている構造のようだ。

ゴシャリ


と横を通りすぎたウエイトレスさんから、頭をお盆を突き刺されたマサシン。

頭に対して縦にお盆がめり込んでいるから、なんかウルト○マンみたいになっている。


「まぁ、信じるか...街の人が親切だったのも、僕がハズレで、そしてヒーローになる可能性があったからか。」


「そ、そうだね」

ゴフッと口から血を吐くヒーローマサシン。

ウエイトレスに負けるヒーロー...


「これで、ヒーローのハズレとアタリ、そして改人のハズレは分かったけど、じゃあ改人のアタリって...」



きゃーーーーーー


と響く悲鳴。



先程まで僕が暴れていた駅のほうからだ。



「ちょうど来たみたいだよ。アタリの改人!」

と携帯電話を見ながら、席を立つマサシン。


「この街に、僕がカメラを設置していない場所は無い!」

ハイ ロー含めてな!!


と決めセリフらしきものを吐き,走り出すマサシン。


僕もつられて後を追う。


「改人サキヨシ...学生服を切り裂くことを好む、欲望におぼれた改人...ただ、その切り方は雑で、学生服ごと着ている者を切り裂くらしい...」


駅に到着した僕たち...


ヒドイ...


辺りには血が飛び散り、切り裂かれた無数の女学生が並んでいた...


「ひゃひゃひゃ、やっと来たぜ裏切りモノが」

両の手に持っている刃渡り1メートルはある血だらけのはさみを舐めながらうれしそうに話すツンツン頭の男。

その男の近くには、足を切られて動けなくなっている女学生の姿が...


「もう少し待ってな、こいつの上着を切り裂いたら、相手をしてやっからよぉ!」


両手を広げ、はさみの刃を広げ。


女学生の上半身めがけて腕を閉じる男 サキヨシ


「やめろぉ!!」


とマサシンが脅威的なスピードで女学生の前に立ちはだかり


女学生と一緒に上半身を切り落とされた。



え?


あっさりと


ひーろーが死んだ


ヒーローが


守ろうとした人と


死んだ


誰一人傷つけたことが無いって言葉を


話半分にとらえていたけども


半分は信じていたわけで


そんなヒーローが死んだ


簡単に


「ひゃっひゃっひゃっひゃ えらく簡単に切れやがったなぁ、ええ おい」


「勢いあまって女の子ごと真っ二つにしちまったけど、まあいい。

 死んでも服は切り刻める。」


「で?お前も裏切りモノだよな?死ぬよな?死ねよ!」

とサキヨシの刃が僕に迫ってきた。

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