13にっこり【初LIVE編①】
響子の頭の中には感情がごちゃごちゃになっていた。
「桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜」
桜の心配が大部分を占めたが、同時に50分後に迫る始まるLIVEをどうするのかそこでも響子の心は渦巻いていた。
「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」
冷静になって考えてみた。もし、桜の場合どうやって考えるか。このまま逃げる事は容易だ。でも、果たして桜はそんなことをするだろうか?
カバー曲もあらかじめ、録音してるものがあるから一人でやることも不可能ではない。
響子は意を決して、ライブステージのスタッフに
「今日は一人で出ます!」と啖呵を切った。
リハーサルを終えてマイクの調節をする。たくさんのバンドからみたら場違いに思われてしまうが、桜が戻ってきた時、カラーリリーが初めて生で人の目に触れたんだと小さくはあるかもだが、土台を作っておくためだと自分の心に言い聞かせた。
《本番》
前のバンドが、「次はカラーリリーです!」
というのを合図に私はステージの上に出た。
曲が流れ始まる。
間奏になり、「初めまして、カラーリリーです。よろしく。」ギャラリーは思いのほか盛り上がってくれた。
1曲目が終わり、MCへ突入。
考えていなかったが、自分のありのままのことを話した。
「実は、カラーリリーは二人なんですが、今日来る時メンバーの桜が事故にあって」
ズンッと周りの空気が重くなる感じがした。
「でも、多分大丈夫です。アイツ中学生の時から同じなんですけど、バレーの授業の時。飛んできたボールに身体で突っ込んで行ったらポールに激突して、鼻から血でて。後から発覚したんですが、ボールで指骨折してたんですよ。骨折してたのも気が付かなくて」
涙を堪えながら、少し笑う。
「アイツバカだから、事故の痛みとかきっとスグ忘れるんで次は揃ってお見せできると思います。」
心配する気持ちはしまっておいた。
お客さんから「頑張れー!」「待ってるよー」というすごくあったかい言葉が聞こえた。
それと同時に緊張してた心も解けていった。
「それでは聴いてください…」
そして、自分たちで作った曲は終わりカバー曲へ。
スピッツの曲も歌い終わった後お客さんから
「アンコール!!」という声が上がった。
なにも用意してなかった響子は戸惑ったが、最近聴いてるこの曲が桜と私にとってピッタリ合うような気がした。
「それでは聴いてください。ZARDでマイフレンド」
アカペラで歌っていたが、お客さんからの手拍子や途中から前のバンドのドラムの人が飛び込みでサポートしてくれて盛り上がった。
桜を思ったら心が強くなれた気がした。




