幕間 其の二
剣崎達一行が村を出ていった3日後
剣崎が通った森を通って何かを探している集団がいた
「ラブ団長!先ほど魔物に襲われたとみられる野盗達の移動式の檻がありました!」
「そうですか…案内していただけますか?」
「はい!」
剣崎とユウトを捕らえるという命令を受けた
国家ギルドだ
「これは…」
ラブは剣崎が斬った檻を見た
「変ですね…魔物が斬ったにしては断面が綺麗すぎる…おそらく人が斬った後だと思います…しかも内側から。」
「人、ですか…」
そこで「団長!」という声が聞こえた。
「どうかしましたか?」
「少し気になるものが」
「詳しく、何かの手がかりになるかもしれません。」
「ここから少し東に進んだところに不自然に燃え尽きた木が一本だけありました。おそらく人間が燃やしたものだと思われます!」
「なるほど…ここに誰かが居たのは間違いなさそうですね…」
「でもこの森のこの場所って…」
「はい…立ち入り禁止区域ですね。」
「立ち入り禁止区域内に侵入して、野盗の隙をみて檻を破壊し、木に火を着けた者がいるとみて間違いない。ということですね…」
「なかなかの実力者と見て問題無いでしょう。」
「もしかすると、『奴ら』かもしれませんね…」
「そうですね。ですが今日はもう追うのは駄目です。夜をここで過ごして、この先に村があったはずです。そこで情報収集です。団員の皆様は今日は休んでください。」
『了解しました!!』
団員達は潔くラブの命令を聞き入れた様子だ
そして燃え尽きた木の付近で、国家ギルドの団員は一夜を過ごした。
「なんだ…この有様は…」
ラブ達国家ギルドは村に着いたがその様子は荒れ果てていた。
「皆様!生存者の確認を!!警戒しつつ村の現状を把握してください!」
ラブは少し動揺しながらも、的確な指示で団員達を動かした
「団長!報告します。生存者が1名発見されました。ただし相当な精神疲弊状態です」
「…わかりました。その方のところに案内してください!」
ラブは酒屋の店主のところにやってきた
「あの。私は国家ギルド団長のソニア・ラブカ・ラブと申します。この村で一体何があったのですか?」
「……この村はグレードウルフに襲われたのさ。」
「グレードウルフに!?かなり上位に君臨する魔物ですよ!?そんな魔物がこの村に……」
「それで家を破壊され、村人は殺されました。」
「……直ちに、討伐の準備を!!」
「団長さん。その必要はない。」
「なぜです!?村をこんなにしたグレードウルフはとても危険な状態です。次いつ出てきてもおかしくない。それにあんな強敵、勝てる者もそう多くない。私達なら勝てる。なのになぜ…」
「もうグレードウルフは居ないからです。」
「…どうゆうことですか?」
「とある男性二人と幼い女の子がグレードウルフを倒してきてくれたのです。だからあなた達が倒す相手は居ないのです。」
団員達がざわめきだした
「たった三人でグレードウルフを討伐だと!?」
「そんなことがあり得るのか?」
「でもこの人が言っていることが本当なら…」
団員とは打って変わってラブはとても落ち着いていた。それどころか少し落ち着いているようだ
「もしや、その三人の中に仮面を着けた大柄の男が居ませんでしたか?」
「!?もしや彼らのことを知っているのですか!?教えてください!俺が沈んでいたばっかりに名前の一つも聞けなかったのです!?教えてください!!彼らのことを!」
ラブは少し間をあけてこう言った
「三人の内、仮面を着けた大男は脱獄した死刑囚なのです。幼い女の子は分かりませんが、もう一人の男性も死刑囚の可能性が高いのです。私達はその件で彼らを捕まえる為にここまで調査しに来たのです。」
「彼らが…死刑囚?なんの冗談ですか?」
「冗談ではございません。彼らは捕まえ次第メズライト王国に引き渡され処刑されます。」
「ありえません!彼らは俺の妻のメモライトをグレードウルフから取り返してくれた!なぜそんな人が死刑に!!」
「彼らはどちらも村を滅ぼしています。死刑は妥当な判決です。」
「彼らはそんなことをするはずがないですよ…」
「なぜそう言い切れるのですか?」
「だって彼らは見ず知らずの俺のことを助けた。
無視することもできたはずです、それでも自分達の命を危険にさらしてでも助けてくれた。それだけで彼らを信じるには十分でしょう…」
店主は腕に握っていたネックレスをさらに強く握った
「……そうですか…でも国王の命令なので、彼らを捕まえる必要があります。あなたの意見を批判するわけではないのですが、私は彼らを処刑すると思います。」
「………そうですか…それでも俺は彼らを信じます。」
そしてラブ達国家ギルドは剣崎達一行が向かったという方向に向かって進みだした




