第五項_事情説明とただいま 「遊和・ショゴス視点」
「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
甲高い少年の声が青空に響き渡る。無理もない、雲の上から落ちているのだから。まぁ、僕たちも無言で落下しているから余計怖くなっているかもしれないけど⋯ それにしてもうるさすぎるだろう。
〈ショゴスうるさくない?大丈夫そう?〉
〈うん、大丈夫。でもKちゃんが丸まった状態で落っこちてて危ないから助けに行ってくる。〉
〈お願いするよ〉
恐怖のあまりか体育座りのようなポーズで落ちているから傍から見るとシュールで面白く見えるだろう。落ち始めてから少し経った頃、黒く分厚い雲がお出迎えしてくれた。流石だな⋯ ここに来る前に情報だけでも欲しいとショゴスがKに頭下げたのは正解だったろう。
〈それにしても名前通りの学校だねぇ⋯ どう思う遊和ちゃん?〉
〈こっちに話題を振られても困るんだけど⋯ まぁ、思っていたよりもすごい〉
そういえばKあんなことも言ってたな⋯
---数時間前---
「え!?学校に行けるの!?」
『ちょっとだけの間ね、色々こっちも君がこの世界にいてもいいように手続きをしようと思ったんだけどなかなか難しくってさ』
「だから僕たちが君の世界に行って君の戸籍やら何やらを調べようと思ってね」
こんなグダグダの説明でいいのだろうか⋯
「でも僕ここに来る前の世界でも不慮の事故で来てるんだよなぁ⋯ 今戸籍とかどうなってるのかなぁ?」
「『はぁ!?」』
先に確認すればよかったと出れだけ後悔しただろう。
『ニャルちゃんは今回に関しては来ないほうがいいかもね〜』
それを聞いたKは頬を膨らませ不機嫌にそうにしていた。
---
ということがあった。これが10分かからず起こっていることに驚きを禁じ得ない。
〈遊和ちゃん、Kちゃん回収してきた!ちょっと目を回しているけど多分大丈夫っしょ!〉
意味があるのか分からない生存報告を貰ったところで地上が見えてきた。太陽が届かない極夜。まさにこの世界にぴったりの名前だ。
極夜の大陸
中二病全開のネーミングセンスで笑えない。
「わー!着いてるー!」
Kが大きい声を上げた瞬間目の前に黒い仮面(?)をした奴がお出迎えしてくれた。
「あ!学園長!久しぶり~」
「やれやれ、君がいなくてほかの生徒達が心配していましたよ。早く行っておやりなさい」
そういってKを何処かに行かせると急にこちらの方に寄ってきて、
「おやおや?もしや貴方がたはあの人のお友達⋯ いや~!それは大変喜ばしい!ですが、何があったかは聞きますからね!ですが立ち話もなんですし、きちんとしたところへ行きましょう。いや~!!私ったら優しすぎません?」
〈〈胡散臭いな⋯〉〉
〈虫唾全身に走ったわ。こいつ偉くなかったら今ごろ切ってたよ?〉
〈切ったらはぐれるどころじゃないし、取引しなきゃだから諦めな〉
そう脳内で会話しながらあの仮面不審sy⋯ではなく、自称優しい人について行く。少し歩くとかなり綺麗な城みたいな建物が出てきて日が差し込んできた。日の光に関しては多分魔法で出してあるのだろう。そのまま歩くといかにも偉そうな部屋に連れて行かれた。
「単刀直入に聞きましょう。あなたたちがあの人を連れて行ったのですか?」
「Kが勝手に来ただけだ。僕たちは関係ない」
『そうだよー私たちは赤の他人勝手に犯罪者の取り締まりみたいに言わないでくれる?』
頬を膨らませ不機嫌そうに僕に抱きつく素晴らしいほどに不快だ。人外だから力が強いので加減してほしいのだがこの様子だと抱きつく力は強くなる一方だろう。
「痛い痛い痛い」
そういって抱きつく力のこもった腕を振り払う。跡ついてないといいけど⋯
「痛そうでしたけど大丈夫でしたか?私の魔法で痛みを取ってあげましょうか?見ず知らずの方々に提案ができる⋯私ってなんて優しいんでしょう!」
「あ、大丈夫です」
丁重にお断りをしておくことがこのようにひねくれ曲がったナルシストに一番効くだろう。
「まぁ、わかりました。一度Kのことに関してはお任せします。命を侵すようなことをしなければ何してもらっても構いませんよ」
見放されてるじゃん⋯優しさとは⋯?
『ねぇ!さっきさ!魔法って言ってたよね!?強い?強いなら戦って!うちの遊和ちゃんすっごーく強いんだからっ!』
「え?それ言うの⋯ここって魔法学校だから戦闘狂が集まってくるんじゃ⋯」
「ここにKを連れ帰った者がいると聞いてきたが、ここか?学園長!」
〈〈なんかすごい嫌な予感するんだけどー!?〉〉




