第8話 10日経過
俺が異世界に来て10日が経過した。
この10日間で、俺は新たなスキルを何個も習得している。
――――――――ステータス―――――――――――
名前 沙城零助
年齢 19歳
スキル 一時帰宅(Eランク)
神拳(Sランク)
魔導大帝(Sランク)
解読(極)(Sランク)
鑑定(Aランク)
剣聖(Sランク)
聖人(Sランク)
アイテムボックス(Sランク)
マップ(Sランク)
性豪(Sランク)
結界神(Sランク)
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得たスキルは『鑑定』がAランクで、他全部がSランク。
なかなかすごいものだ。
『剣聖』と『神拳』の近接戦闘系のスキルを2つも得ている。
剣でも拳でも強いのだから、もう近接にて敵はいないと言ってもいいだろう。
『鑑定』は相手のステータスが見れるというスキルで、『解読(極)』はしらない文字が読めるというスキル。
(極)がついていると、通常のスキルではできない領域にたどり着ける。
『解読(極)』ならば、この国の文字を読めるのはもちろん、普通は読めないような古代文字を読むことができたり、暗号を解読することもできるらしい。
俺は別にこの国の文字を読めればそれでいいし、いまのところ古代文字を読んだり暗号を解読する予定などない。
宝の持ち腐れだな。
あと『鑑定』ってAランクのスキルなんだな。
異世界に来た初日に、俺のことを鑑定したおっさんはAランクスキルを持っていたということか。
Aランクスキルは百万人に一人の才能。
国に取り立てられるのも納得のすごいスキルだ。
あのおっさんは割とすごい人だったんだね。
順調にスキルも増えたことが功を奏して、俺はギルドの依頼を次々にこなしていた。
オークを倒し、コボルドを倒し、トレントを倒し、オーガを倒し、グリズリーベアを倒し。
破竹の勢いで俺は魔物を倒して、冒険者ギルドで仕事を完遂していた。
魔物を倒した後に役に立ったのは『アイテムボックス』のスキルだ。
このスキルは異空間に物を収納しておけるというもの。
中にはいくらでも物を収めることができ、それらは腐ることも壊れることもなくずっと収まっている。
生物は入れることはできないが、無生物ならば制限なく収納できる優れものだ。
俺は『アイテムボックス』を使って倒した魔物の死体をまるごとそのまま持ち帰っている。
こうすると、素材を売ることができてその分金を得れるのだ。
冒険者には大助かりの便利なスキルである。
ポケットにいやいやゴブリンの耳を入れていたころが懐かしい。
二度とやりたくない。
クエストを達成した時の報酬や素材を売った金で、俺はまとまったお金を入手できた。
たまった金は『アイテムボックス』の異空間の中に入れておけば、盗まれる心配もない。
もう安宿なんて泊っていない。
あのベッドの硬い安宿は卒業して、きちんとしたベッドや毛布のある宿に泊まっている。
柔らかいベッドはいいですなー。
今日も一つクエストをこなしてきたところだ。
倒したのはファイア・ウルフの群れである。
炎を吐く狂暴な狼が群れを作って襲ってくるのだ。
普通ならば一体でも手こずる相手なのだが、強力なスキルを何個ももっている俺ならば問題なく倒すことができる。
いとも簡単に群れを討伐し、素材は『アイテムボックス』の中に入れておいた。
「お疲れ様です。今日も早いお帰りですね」
すっかり俺の担当になってしまった受付嬢のミリアさんが、挨拶の後にそう告げる。
「早く終わったからね。もっと時間がかかった方がよかった?」
「いえいえそんなことないですよ。時間がかかれば日が沈んで、夜になって危険ですから。早いに越したことはありません。あ、もちろんクエストをちゃんとやった上での話ですけど」
「きちんと完了したよ。ファイア・ウルフの群れでしょ。もう素材鑑定の係に渡しておいた。ほら、これ受取書」
魔物の死体をそのまま持ってくる場合、ギルドの所定の係へと受け渡すことになっている。
受取書をもらって受付に持ってくれば、依頼は完了となる。
「ファイア・ウルフが……40体!? こんな短時間でよく倒すことができましたね」
「まあね」
「それにいくら群れになっているとはいえ、ファイア・ウルフは常に森を移動しているから根気よくさがさないと見つからないのに。どうやってすぐに見つけられたんですか?」
「そこはまあ、企業秘密ということで」
「あー。またその言葉」
企業秘密。
便利な言葉だ。
俺はミリアさんから質問されるたびに、この言葉を使ってごまかしている。
本当は『マップ』というスキルを使って魔物を見つけている。
この『マップ』はなかなか便利なスキルだ。
その周辺の詳細な地図がでるだけでなく、どこに人がいるか、魔物がいるかわかるようになっている。
そのおかげで簡単に魔物を見つけることができていた。
「いつか教えてくださいね」
「ま、気が向いたらね」
「またそうやって誤魔化して……。そういえば、レースケさん。レースケさんはパーティを組む気ってありますか?」
「パーティ?」
あの夜にみんなであつまってどんちゃん騒ぐやつ?
って、そんなわけないか。
一緒に活動している冒険者の集団のことだよね。
もう10日も冒険者をやっているのだ。それくらい知っている。
「レースケさんの活躍ぶりは冒険者の人たちの間でも噂になっています。一緒にパーティを組みたいという要望が何件か来ているんです」
「俺とパーティを組みたい、ね」
それはつまり、仲間をつくるということか……。
戦闘系のSランクスキルを複数個持っている俺には、他の冒険者は戦力的には必要ない。
『アイテムボックス』や『マップ』のスキルももっているから、補助もばっちりだ。
何でも一人でできてしまうから、俺はクエストの達成のためには仲間は必要なかった。
だがしかし、俺はこの世界の常識には疎い。
そういう意味では仲間は必要かもしれない。
一考の余地はある。
俺が悩んでいると、ミリアさんが話を続けた。
「別に今すぐ決める必要はありませんよ。気が向いたら声をかけてください」
「そうですね。ゆっくり考えてみます」
俺はクエスト達成の報酬を受け取り、その場を後にした。




