人でなしの話
次は仕事の都合で少し間が空くかもごめんなさい。
今日人が来た。両親の親類だと言う、今更なにを言うつもりだろうか?何方にしても早く帰ってくれないだろうか?私にはもう終わった話しだ。
「お前がカジの娘か?俺はカジの兄だこれから俺が面倒を見てやる!」
「要りません!私は一人で大丈夫です。」
「まだ、幼いお前一人じゃ心配だ!」
「護衛も居ますから平気です。」
「…護衛?そんな金があるのか?」
「…お金が目当てですか?両親に売られそうになった私が言うのも何ですか家にはお金はありませんよ。」
「…こんないい暮らしをしてるのにか?」
「私のじゃ無い、ナシのだから。」
「何故だ?」
「何故?分からないナイのそばに居るだけだ」
「私は運が良かっただけ、両親は無いから盗賊に殺された。でも、生きて居たら売られてた、恩返しはもうできない。」
「お前だけ幸せになるのか?俺の息子は死にそうなのに!」
「…ナシの持っている宝石を上げる!だから二度と親戚だと名乗らないで!ここに来ないで!ナシ、箱から持って来て。」
「わかった」
「これを、さあ帰って!ここには用はもうないはずよ」
「……」
「さよなら」
やっと帰ってくれた。人の本音は聞きたく無い物だな例え身内でも。いや、身内の方が酷いか?だが終わったことを悩むには馬鹿らしい。
始めてナシが役に立った、こっちの方が驚きが大きいがまあいいか
「ナイ、何故俺のだと嘘をついた?家も、宝石も君のだろう。」
「必要な人に上げただけ、これでもう来ない」
「それでいいのか?」
「面倒事が減れば別に構わない」
ナシは何故か気にしている、そんな事思う必要はないのだがやはり根が優しすぎると、損をする性格だな。私は何とも感じてないのに、馬鹿な男だ。両親は私を売ろうとしたが生みの親よりましだ。
少なくとも生かす為の努力を私にしてくれた、愛情も貰った、売られたとしても恨む事は私はしない。むしろ両親の為になると喜んで行っただろう。
父の兄も自分の息子を助ける為に罪に塗れる。一生忘れらない出来事を胸に隠して笑うのだ、善良な人ほど苦しむ、どちらがいいか何てわからない逃げ場のない想いを隠して、死ぬまで逃げられない自分を嫌悪しながら。生きて行くのは苦しむだけだ。
二度とあうことはない。救いの言葉など知らない、選ぶのは何時も自分なのだから。例え間違えても。




